イメージ写真 まじめに働く若者を、過酷な労働に追い立てて、モノのように「使い捨て」「使いつぶす」企業をブラック企業と呼んでいます。達成できないような高いノルマ、サービス残業、休みも充分にとれない、こうした厳しい労働状条件の中で、体調をくずしたり、うつ病を煩ったり、場合によっては過労死や自死に至る人もいます。マスコミでは一流企業、ベンチャー企業と、もてはやされながらも、過労死で遺族に訴えられたり、3年内の離転率が5割を超える企業があるといわれています。
 しかし、実社会においては、このブラック企業の定義は非常に難しいことも理解しなくてはなりません。例えば、外資系企業やベンチャー企業の一部は、早朝から深夜までの激務を要求されます。結果主義ですから、実績が上がれば高い待遇が約束されます。しかし、結果が出なければ、明日の顧用も保証されません。実績が出せる人にもとっては正にホワイト企業ですが、実績が上げられなければ、ブラック企業に他なりません。社会的に労働者を守るという視点からブラック企業対策を進めることは大切ですが、一方、そもそも働く若者に基本的な働くルールを理解してもらい、ブラック企業からぼろぼろにされる前に抜け出すことも大事です。
 つい最近、住民相談を受ける中で、パワハラを受け、悩んでいる若者と話しました。その会社は、就業規則もなく、雇用契約も結んでいませんでした。半年以上、その企業で働いていた相談者は、そのような状態をおかしいと思っていませんでした。後から判ったことですが、試用期間ということで、労災保険も雇用保険も加入していませんでした。
 茨城県では、新たに就職を目指す高校3年生を対象に、「知って得する8カ条」というパンフレットを作成し、配布しています。
 働く者と企業の基本的なルールをまとめたパンフレットです。一読に値する内容です。以下、ご紹介します。
 ブラック企業対策の第一歩として、働く側の若者への啓発も重要な視点です。
第1条:賃金<これを知らなきゃ始まらない>
◆賃金とは、働いたことの対価として、会社(使用者)が労働者に支払うお金のことです。
 賃金は、原則として、毎月1回以上の給料日を決めて、全額(ただし、税合、雇用保険料、社会保険料が引かれることがあります)を、現金あるいは銀行振込で、労働者に直接支払うことがルールとなっています。また、地域ごとに賃金の最低基準(最低賃金)が決まっています。
 茨城県の最低賃金は時給713円(平成25年10月20日から)です。もちろん学生アルバイトにも最低賃金は適用されます。

第2条:労働時間と割増賃金<これは知っ得!>
◆会社は、休憩時間を除いて、1日8時間・1週40時間を超えて働かせてはいけない決まりになっていて、この時間を超えた部分(時間外労働)は、25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。これは、1日8時間と1週40時間のどちらか一方を超えた場合でも必要です。
 また、午後10時から午前5時の深夜の時間帯に働かせた場合にも、25%以上の割増が必要です。
 たとえば、1日7時間で週6日働いた場合、1日は8時間以内だけど、7時間×6日=42時間で40時間を2時間超えていますから、2時間分は割増賃金がもらえます。
 お昼(正午)から午後11時まで働いて、途中1時間の休憩した場合、時給1000円の人は、午後9時までで8時間働いていますから、午後9時以降は時間外労働となります。午後9時から1時間は1250円、午後10時からは1500円(残業の割増25%と深夜の割増賃金25%とをあわせて50%割増)全部で10750円をもらえます。
 平成22年4月から時間外労働が月60時間を超えた場合、使用者は60時間を超えた部分には50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならなくなりました。

第3条:休憩時間<まだまだ常識>
◆会社は、労働時間が6時間を超えるときは45分以上、8時間を超えるときは1時間以上の「休憩」を与えなくてはなりません。この休憩時間は労働時間の途中に与える必要があります。
 この休憩時間は自由に利用することが出来ます。休憩時間は、仕事をしませんので賃金も支払われません。

第4条:年次有給休暇<知らなきゃ損!>
◆年次有給休暇(年休、有休)は、労働者が希望日に賃金をもらいながら休暇を取ることができる制度です。一定の条件(6か月以上の勤務、出勤日の8割以上勤務)を満たせば、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員など働き方にかかわらず条件を満たせば誰でも取得できます。
 ただし、請求された日に休まれると、事業が正常に運営できない場合には、会社は休暇の時季を変更することができます。

第5条:解雇<クビだなんて言わないで>
◆法律では、解雇に関するルールを定めて、労働者を保護しています。
 解雇は会社がいつでも自由にできるものではありません。会社が「解雇だ」といっても、解雇は客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合は無効となります。
 会社は、やむを得ず解雇を行う場合には、30日以上前に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければいけません。

第6条:労働契約<労働条件を確認しておきましょう>
◆働くことに関する契約を、「労働契約」といいます。
 就職でも、アルバイトでも、どんな条件で雇われるのか、確認しましょう。
 後で「言った、言わない」などのトラブルをさけるために、書面(労働条件通知書)で労働条件を示すことが決められている項目があります。
【書面で示さなければいけない労働条件】
]働契約の期間(契約期間を定める場合と、定めない場合があります)
期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
仕事をする場所、仕事の内容
せ纏の始めと終わりの時刻、残業の有無、休憩時間、就業時転換など
ツ其發侶萃蝓計算と支払いの方法、支払の時期など(パート等については、退職金・ボーナス・昇給の有無も明示)
β狄Δ砲弔い董焚鮓曚了由を含む)

第7条:就業規則<一度目を通しておこう>
◆就業規則は、労働条件の詳細と、職場で守るべきルールを定めたものです。
 常時10人以上の労働者(アルバイト等も含む)を雇っている職場では、必ず就業規則を作成し、見やすい場所へ掲示するなど周知しなければなりません。就職先やアルバイト先で、就業規則があったら、必ず目を通しましょう。ない場合は、雇用主に見せて下さい頼んでみましょう。
[就業規則に書かなければならないこと]
〇纏の始めと終わりの時間、休憩時間、休日・休暇など
賃金の決定、計算と支払い方法、締切と支払時期、昇給
B狄Δ砲弔い董焚鮓曚了由を含む)

第8条:労働保険<労災保険と雇用保険>
◆労災保険は、仕事が原因でケガをしたり、病気になったりしたときに、治療費や休業期間中の賃金を補償するための保険です。通勤途中の事故・ケガにも適用されます。1人でも労働者を雇っている会社(使用者)は、必ず労災保険に加入し、会社の負担で保険料を支払います。アルバイトでも労災保険は使えます。
◆雇用保険は、労働者が失業してしまった時などに備えるための公的な保険です。週に20時間以上働き、31日以上継続して働く予定の人は、雇用保険に加入しなければならず、保険料は会社と労働者が一定の割合で負担します(昼間の学校に通う学生アルバイトは加入できません)。失業すると、雇用保険から仕事を探す間の生活を支えるための給付(現金)が支給されます。雇用保険の受給資格には、過去2年間で12か月以上雇用保険料を納めていることが必要です。会社側の原因で解雇された場合は、過去1年間で通算6か月以上の加入でOKです。