軽減税率の対象 公明党が具体的提案
山口那津男公明党代表 11月19日、公明党の山口那津男代表は、首相官邸で安倍晋三首相と懇談し、消費税率を10%に引き上げる際(2015年10月予定)の低所得者対策として、軽減税率の導入を主張する公明党の考え方を説明。「年末の税制(改正)大綱では、一定の結論を出すことを政治決断すべきだ」と強調しました。これに対して安倍首相は「しっかり承った」と答えました。
 席上、山口代表は、今年1月にまとめた2013年度与党税制改正大綱で「消費税率の10%引き上げ時に、軽減税率制度を導入することをめざす」と明記した趣旨に沿い、政府・与党が年内にまとめる来年度税制改正大綱では、一定の合意をつくるべきだとの考えを示しました。
 これに先立ち、山口代表は国会内で開かれた記者会見で、軽減税率の対象品目について与党内の議論が本格化することに対し、「(食料品などは)生活必需品という観点からすると、幅広く検討してもらいたい。国民に分かりやすい、実務的にも対応できる方向性をめざしてもらいたい」と指摘しました。
 さらに、新聞や出版物に関しては「報道の自由を基に(国民の)『知る権利』を実質化するというメディアの果たす役割は大きい。民主主義の必需品ではないか」と力説。欧州では多くの国が軽減税率や非課税の対象としていることにも言及し、「軽減税率の対象として十分議論する価値がある」との認識を示しました。
 軽減税率の対象品目を幅広くすれば、その分の税収が減少するとの懸念に対しては、「消費税率引き上げと低所得者対策の実行はセットであり、軽減税率が最も有力で国民の理解を得られると主張してきた。どれだけ国民の理解を得た税収が得られるかを議論するのが本筋だ」と主張。低所得者対策を抜きにして税収を議論するのは「皮算用にすぎない」と述べました。
公明党が軽減税率の対象品目を呈示
 11月20日、自民、公明の与党両党は、国会内で軽減税率制度調査委員会を開き、消費税率引き上げに伴い生活必需品の税率を低く抑える軽減税率の対象品目について、議論を本格的に開始しました。
 公明党側は、消費税率10%時に導入する軽減税率の対象として、酒と外食を除く食料品と新聞、出版物を提案。その理由について「国民が納得いく分かりやすい線引きが必要だから、食料品の中で対象を細かく選別しない」と説明しました。
 また、2014年4月からの消費税率8%への引き上げに伴い実施される「簡素な給付措置」の給付額(市町村民税非課税世帯1人当たり1万円)に関して、酒と外食を除く食料品に対する増税負担額を算出の根拠にしている点に触れ、「(軽減税率の対象も)同じ基準でやるのが論理的」と主張しました。
 さらに、会合では、公明党の求めに応じ、財務省が軽減税率導入までのスケジュールを提示。財務省は、軽減税率が導入される場合、与党税制改正大綱の決定から法案の閣議決定まで2カ月程度、法律公布から施行まで1年半程度かかるとの見通しを示しました。
 次回の会合では、引き続き対象品目について議論するとともに、軽減税率導入時の納税事務に関しても協議を本格化させる方針です。
 一方、公明党の石井啓一政務調査会長は20日、国会内で記者会見し、軽減税率対象の線引きについて「今できなければ、将来もできない」と指摘しました。
 また、減税と現金給付を組み合わせた「給付つき税額控除」より軽減税率は「日常的な買い物の中でメリットが感じられ、消費税への理解を得やすい」と訴えました。
 これに加え、軽減税率導入による企業の事務負担増に対して「インボイス(消費税額などが示された納品書)を基に税額を計算しなくても、例えば、(納付額を簡単に計算できる)簡易課税制度を残せば、売り上げを基に税額が計算できるし、従来と同様に帳簿を基にした税額計算も可能」と主張しました。