空き家の戸数と空き家率 4月16日、公明党の総務部会と国土交通部会は、公明党の基本的な考え方が反映された「空家等対策の推進に関する特別措置法案(空き家対策法)」を了承しました。空き家対策法案は、放置されたままの空き家が全国で増える中、持ち主に撤去や修繕などを促すのが目的です。今後、さらなる党内手続きを経た上で、同趣旨の法案提出を準備する自民党とも最終調整し、今国会に提出する予定です。
 空き家は全国に約757万戸(2008年度:総務省「住宅・土地統計調査」)あるとされています。所有者が分からないケースも多く、市町村による対策推進の障害になっています。
 このため空き家対策法案では、市町村が固定資産税情報を基に所有者を調ベたり、敷地内への立ち入り調査を認めることにしました。とりわけ、そのまま放置すれば倒壊などの恐れがある住宅については「特定空き家」に指定し、所有者に対し撤去や修繕を命令できる権限を与えました。それでもなお命令に従わない場合は、市町村による強制撤去も可能にしています。
 一方、国に対しては空き家対策の基本方針の策定を求め、市町村はこれに基づいて対策計画を策定すことになります。これは、国が基本方針を示すことで、市町村に対策を促すのが目的です。
 空き家増加の背景としては、撤去に伴う費用が高額なことや、家屋を解体して更地にすると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる点も指摘されています。現在の制度では、家屋が立っていれば、固定資産税が軽減されます。家屋を撤去して更地にすると、税金が6倍に増えてしまいます。空き家対策法案には、2015年度の税制改正で優遇措置を見直す方針も盛り込みます。家屋を撤去すれば、一定期間は固定資産税を軽くしたり、老朽化した建物は優遇の対象から外したりすることも検討しています。
 これまで空き家対策については、対応に迫られた多くの自治体で独自に条例を設ける動きが広がっていました、関係者からは「自治体の対応だけでは限界がある」との声も上がっていました。
 こうした実態を踏まえて公明党は昨年10月、「空き家対策プロジェクトチーム」を設置。以来、関係者との意見交換を重ねる一方で、空き家の実態とともに自治体の取り組みを調査してきました。
 空き家対策法案には、空き家の利活用を推進するためのデータベース整備などについても盛り込まれています。
 空き家は人口減少や高齢化などにより今後も増える見通しですが、管理が不十分な空き家は、老朽化による倒壊をはじめ、ごみの不法投棄や放火などを招きかねず、地域の生活環境に深刻な影響を及ぼします。公明党は、自治体の取り組みを後押しする空き家対策特別措置法案の制定に全力を挙げる方針です。

全国の空き家総住宅数の13.1%が空き家
 空き家の推移をみると、昭和38年の52万戸から一貫して増加を続けており、平成10年には576万戸と500万戸を超え、平成20年では757万戸となっています。
 また、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)も、昭和38年の2.5%から一貫して上昇を続けており、昭和48年には5%を超え、その後平成10年には11.5%と初めて10%台となり、平成20年では13.1%とほぼ7戸に1戸の割合となっています。(2008年度:総務省「住宅・土地統計調査」)

茨城県の空き家率は22%増
 茨城県の総住宅数122万3800戸のうち、居住世帯のある住宅は103万6200戸(84.7%)、空き家、建築中の住宅など居住世帯のない住宅は18万7600戸(15.3%)です。
 居住世帯のない住宅の内訳をみると、空き家は17万8400戸で、前回調査の14万6700戸に比べ、3万1700戸、21.6%も増加しました。
 総住宅数に占める空き家数の割合(空き家率)は14.6%で、前回より1.7ポイント上昇しました。
 空き家の内訳についてみると、「賃貸用の住宅」及び「売却用の住宅」が合計で11万4100戸で空き家全体 の64.0%を占めています。(2008年度:総務省「住宅・土地統計調査」)