一般質問を行う高崎進県議 6月10日、茨城県議会一般質問が行われ、公明党の高崎進県議が登壇しました。高崎県議は、ドクターヘリの運航体制の充実について、保健福祉部長に質問しました。茨城県のドクターヘリは、2010年7月から運航を開始しました。大規模な基幹病院が県の中心部にはなかったことから、水戸済生会総合病院と水戸医療センターの2つの病院の輪番制という日本初の取組みでドクターヘリを運航しています。茨城では近県との共同運航にも貴極的に取組んできました。千葉県、栃木県、群馬県との広域連携体制がすでに整備され、福島県とも、この6月から共同運航がスタートしました。高崎県議は、埼玉県との連携も検討すべきだと提案しました。
 また、高崎県議は、今年2月の記録的な大雪被害の際、埼玉県のドクターヘリの出動が大幅に遅れた事例を通して、ドクターヘリの発着ポイント(ランデブーポイント)の除雪対応、防災ヘリによる医師のバックアップ搬送体制の検討、ドクターヘリの格納庫の整備などを訴えました。
茨城県のドクターヘリと井手よしひろ県議 医療機器を搭載し、医師や看護師が同乗する「空飛ぶ救命治療室」として、ドクターヘリの運行が始まったのは1999年でした。以来、全国的な配備が進み、東日本大震災でも大きな実績を挙げるなど、その存在感は年々高まっています。
 「ドクターヘリで命が助かった」との声が県内はもとより全国から聞かれるようになりました。
 現在ドクターヘリは、全国36道府県に43機配備されています。東京都は離島対応のために大型ヘリ(東京型ドクターヘリ)を運航しています。北海道や青森、千葉県には複数機が配備されています。出動件数も1999年10月の試論運行開始以来、2012年度には7万件を突破しました。このペースで推移すれば、間もなく10万件に達することが予想されます。この間、事故は一件も発生しておらず、高い安全性が証明されています。
 公明党は、ドクターヘリの普及促進を強力に推進してきました。2007年には、全国配備を推進するためのドクターヘリ特別措置法の制定をリードしてきました。国が1機当たり年間約2億円に上る運航経費を補助することで、自治体の負担が大幅に軽減されました。そのためにドクターヘリの全国配備が一気に進みました。
 また、公明党の主張により、航空法が改正され、消防機関からの通報・要請がなくても出動が可能になりました。パイロット不足の対策として、自衛隊隊OBの活用にも道を拓きました。

茨城県においては年間1000件を超える出動
 茨城県においては、運航初年度(2010年)362件、11年724件、12年1090件と順調に出動件数が増加しています。
 なお、茨城のドクターヘリの運航の課題としては、高崎県議の指摘意外にも以下のような点があげられています。
  • ドクターヘリの運航に係る国庫補助金につきましては、厚労省の統合補助金のメニューの一つに入っていますが、国も財政状況が厳しいため、統合補助金がここ数年県からの申請に対して大きく内示割をしています。緊急性や重要度の低い事業をカットするなどしてドクターヘリ分を確保しているのが現状です。
  • ヘリコプター運航会社によると、厚労省の補助基準(平成25年度は1億8888万円)では赤字であるといわれています。運行回数が大幅に伸びており、基準単価の増額について要望されています。
  • 災害時や高速道路上の事故等に迅速な対応をするため、高速道路(SA・PAを含む)上へのヘリの着陸可否の検討を行っていく必要があります。
  • 千葉県ヘリの共同利用について、現在の3消防本部以外への拡大を検討する必要があります。千葉県側の基地病院である日本医科大千葉北総病院の方が明らかに近いと考えられる、取手消防や常総広域消防などは、対象地地域に加えるべきです。