JAいばらきグループからの要請を受ける井手よしひろ県議 6月10日、自民・公明の与党両党は政府の規制改革会議が示した農業改革案に対し、実務者協議を行い、農業協同組合と農業委員会、農業生産法人の組織見直しに関する与党案をまとめた。規制改革会議は答申に与党案を反映させ、13日までに取りまとめる方針です。
 規制改革会議の農業改革案には、全国農業協同組合中央会(JA全中)の中央会制度廃止や、全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社化が盛り込まれました。農業委員会をめぐっては、委員の選任で選挙制を廃止し、市町村長の選任に一元化するとされています。農業生産法人は事業要件などの見直しなどを打ち出しました。
1.規制改革会議農業ワーキンググループ「農業改革に関する意見」

(1)経過
経済社会の構造改革を進める上で必要な規制改革を進めるための調査審議を行うことを目的に設置された「規制改革会議農業ワーキンググループ」において、農業改革について検討され、5月14日に農業ワーキンググループから「農業改革に関する意見」が公表され、5月22日に規制改革会議において決定された。
(2)概要
’清醗儖会等の見直し
  1. 選挙・選任方法の見直し
  2. 農地利用推進員の新設
  3. 都道府県農業会議・全国農業会議所制度の廃止
  4. 情報公開等
  5. 遊休農地対策
  6. 転用違反への対応
  7. 権利移動の在り方の見直し
  8. 行政庁への建議等業務の見直し
  9. 転用制度の見直し
  10. 転用利益の地域への農業への還元
農地を所有できる法人(農業生産法人)の見直し
  1. 事業要件・役員要件・構成員要件の見直し
  2. 事業拡大への対応等
G清閥同組合の見直し
  1. 中央会制度の廃止
  2. 全農の株式会社化
  3. 単協の専門化・健全化の推進
  4. 理事会の見直し
  5. 組織形態の弾力化
  6. 組合員の在り方
  7. 他団体とのイコールフッティング
 これに対し、与党は現場の実態を踏まえ、中央会制度については唐突な廃止を押し付けるのではなく、移行期間を設けた上で自律的な組織にすることを提唱しました。JA全農の株式会社化は、前向きに検討するものの「農協改革集中推進期間」の今後5年間で、自己改革を実行するよう強く要請しています。さらに、農業委員の選任方法を単に市町村長の一任とするのではなく、政治的中立性を確保する点から議会の同意を要件に追加しました。また、生産現場の近くに組織される単位農協の役員や農業委員に女性、青年を積極的に登用することも掲げました。
 一方、11日の茨城県議会農林水産委員会では、井手よしひろ県議が紹介議員となったJAグループ茨城からの請願を全会一致で採択しました。
規制改革会議農業ワーキンググループ
「農業改革に関する意見」に関する請願

【請願趣旨】
 5月14日に、規制改革会議農業ワーキンググループの「農業改革に関する意見」が公表された。これは農業の生産現場を全く踏まえておらず極めて問題の多い内容となっている。
 JAグループ茨城は、定款等による自治法規を定め、総会等を通じて組合員・会員の意思を反映し、自主・自立で運営されている。こうした組合員・会員の意思による組織運営は、協同組合の根幹である。
 そのようなことを無視し、全農の株式会社化や信用・共済事業の代理業化など、法人格・事業の変更・廃止を一方的に強制することは、民間組織の自治に過大に関与することであり、認められるべきものではない。
 組合の健全性確保や系統組織の相互調整の役割を発揮している中央会制度の廃止、正組合員の事業利用にも貢献している准組合員の事業利用の制限等は、利用者の相互扶助組織である協同組合の実態を無視したものである。
 協同組合の理念や実態を無視した改革や、事業利用者である組合員の意思を無視した改革は、現場に混乱を生むだけで、組合員に対する事業サービスに悪影響を与え、農業者の所得向上、食料安定供給、地域社会・生活の維持に大きな支障をきたす。
 また、農業生産法人の要件緩和により、株式会社の農地所有を認めることや農業参入を緩和することは、農外への農地の転用、投機目的の農地取得を促進し地域農業の健全な発展を阻害する恐れがある。
農業者・地域のための農業・農協改革は、農業の構造問題等に対応しつつ、組合員の意思による組合の自治(自己改革)を基本に、今後も継続して進めて参る所存である。
 ついては、私どもの意をお汲み取りいただき、貴職におかれては、下記事項について国会及び関係省庁に意見書を提出するよう請願する。
【請願事項】
  • 規制改革会議農業ワーキンググループの「農業改革に関する意見」において、生産現場の実態からかけ離れ、JAグループが農業・農村に果たしている役割を無視したとりまとめが行われたが、こうした内容を今後改訂される「農林水産業・地域の活力創造プラン」に反映させるにあたり、生産現場の実態を考慮し慎重に対応すること。