リバースモゲージのイメージ このブログの管理者である井手よしひろ県議は、夫婦2人家族で子どもがいません。20年ローンで中古住宅を購入しましたが、将来、配偶者を除いては相続人がありません。公的年金だけでは、老後の生活に不安が残りますし、そもそも家と土地を残す必要もありません。
 そこで、かねて注目しているのが「リバースモーゲージ」と呼ばれる金融商品です。
 これは自宅(自己所有の家と土地)を担保にお金を借りることができる仕組みです。例えば、自宅の土地を担保にして、金融機関からお金を借り入れします。この借り入れたお金は毎月年金のように受け取れたり、リフォーム資金など、まとまったお金が必要な場合は一括で受け取ることができます。
 返済は毎月利息を支払います。元金については借りた人が亡くなった時点で担保になっていた不動産を処分して返済します。
 一時は不動産価格の下落が続いたため、取り扱う金融機関がほとんどなくなってしまいました。アベノミクスを背景に、不動産価格が上昇に転じてきたために、「リバースモーゲージ」を再び扱う地方銀行が増えています。少子高齢化に伴う市場縮小が見込まれる中、退職後の「第二の人生」を充実させたいとの高齢者ニーズを掘り起こすのが狙いです。井手県議のように住宅を子に残す必要のない人が増えていることも、その背景にあります。
 リバースローンに関しては2005年から販売している第二地銀の東京スター銀行が有名です。2013年度の契約件数は前年度に比べ4割増えました。リバースモーゲージの取り扱いをめぐっては、今年に入り、広島銀行、千葉銀行、荘内銀行(山形県鶴岡市)、東京都民銀行などの参入が相次いでいます。茨城県の地元、常陽銀行では、2013年9月から自宅を売らなくてもいいタイプも販売を開始しました。自宅を貸してお金を借り、毎月の賃貸収入を返済に充てるリバースモーゲージです。老人ホームなどに移りたいが自宅は手放したくない人から申し込みがあったそうです。
 融資限度額は土地評価額の約4〜6割相当の100万〜1億円程度に設定するケースが多いようです。相続人がいない住宅や土地は今後増えるとみられています。各金融機関は、高齢者自身がバリアフリー化を目的としたリフォーム資金や介護施設の入居費用に融資を充てるなど、資産を有効に活用してもらう提案を強化しています。
 今後は、行政が関与した所得が比較的低い人も利用できる制度なども整備する必要があるでしょう。
リバースモーゲージの先行事例:東京スター銀行の新型リバースモーゲージ「充実人生」
 東京スター銀行では、一戸建て住宅のほかにマンションも融資の対象としています。戸建て全国の物件が対象です(東京スター銀行の支店がおおむね2時間以内という条件が付いています)。マンションは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪市、京都市、神戸市(東灘区・灘区・中央区・兵庫区)の物件が対象です。
 融資の使途は、ご本人または配偶者の生活にかかる資金であれば、何にでも使えます。医療費や介護費など、万一の際の費用。老後の生活資金(有料老人ホーム入居資金など)。住宅の建替え。住宅の改築(バリアフリー化・老朽化対策など)。事業目的の資金や投資目的の資金など、生活にかかる資金に該当しない目的の場合は、融資の対象外となります。
 融資極度額は、500万円以上1億円(マンションで利用の場合は5000万円)以内です。
 返済は、利息部分は毎月返済します。元本部分は、元本返済期日(ご契約者さまがお亡くなりになってから6ヵ月後)における一括返済です。ご返済方法は、相続人により「現金でのご返済」または、「担保にいただいている不動産の当行への代物弁済」の2種類の方法から選べます。
参考:東京スター銀行の新型リバースモーゲージ「充実人生」