日立平和行進(先頭一番左が井手よしひろ県議) 戦争と平和を考える節目の日・8月15日に前後して、街頭での議会報告などで行っている、7月1日の安保法制に係わる閣議決定についての演説原稿です。挨拶回りや県政懇談会でも、集団的自衛権に関する質問は多く承ります。表層的なマスコミ報道に、多くの方が惑わされているような気がします。集団的自衛権の解釈見直しを「戦争ができる国になった」と、声高に報道するマスコミ論調は、逆に日本はそうした国になったとの誤った印象を読者に与えていると感じます。改めて申し上げます。日本は海外で戦争が出来る国にはなっていません。海外派兵は認められません。徴兵制など憲法違反で出来るわけがありません。あらゆる場所で、私たち公明党の主張を正々堂々と訴えてまいりたいと思います。



 7月1日に、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の閣議決定がなされ、今後の安全保障法制の整備のための基本方針が示されました。
 この閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境の変化に適切に対応できる、安全保障体制の構築を目的として、いわゆるグレーゾーンの対応、PKOなどの国際貢献、そして、憲法9条下において認められる自衛の措置について、これからの日本の安全保障制度の指針を示したものです。
 とりわけ、自衛の措置については、これまで個別的自衛権の行使のみ認めてきた憲法解釈を見直し、一部集団的自衛権に踏み込んだ内容となりました。この点について、皆様の中には、日本が他国の戦争に巻き込まれるといったご不安をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。しかし、全くそのようなご心配はいりません。本日はこの閣議決定がなされるまでに公明党が果たした役割と、その内容について3つの視点からご説明致します。
 第1に、公明党が「憲法の平和主義」を守り抜いたこと、解釈改憲を阻止した点です。
 当初、安保法制懇の報告書は、「必要最小限度の自衛の措置には、他国防衛を含むフルサイズのいわゆる集団的自衛権の行使も憲法上認められうる」といった内容でした。
 しかし、「これこそ、解釈によって憲法の平和主義という柱そのものを変えてしまうものだ」という危機感を持った公明党は、「平和憲法のもとでは、専守防衛しかできない」。「昭和47年の政府見解でしめされた、自衛のための武力の行使は、『国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が、根底から覆されるような事態』にしか適用できない。即ち、自国防衛、国民を守るためにしか武力行使は許されない。これが、憲法9条の基本的考え方だ」と主張し、最後は、公明党の主張が閣議決定に盛り込まれ、あくまでも憲法上の武力行使が認められるのは自国防衛に限られることが明確化されたのです。
今回の閣議決定は、憲法の柱である平和主義の考え方を全く変えるものではなく、解釈改憲ではありません。
 この点について、7月2日付読売新聞では、「過去の解釈との論理的整合性を維持しており、合理的範囲内の変更である。本来は、憲法改正すべき内容なのに、解釈変更で対応する『解釈改憲』とは本質的に異なる」と指摘しています。
(なお、この投稿は8月1日のブログ投稿に手を加えたものです)
 第2点は、「新3要件」を厳格にし、明確な「歯止め」をかけた点です。
 憲法9条の基本的考え方の下では、自衛のための武力の行使といっても、厳格な要件がなければ、広がる恐れがあります。そこで、「新3要件」をつくり、この新3要件に合わない場合は、日本は武力行使ができないことを明確にしました。
 その新3要件とは、_罎国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、◆峭颪梁故を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない」ときに、「必要最小限度の実力行使」を行う、とされています。
 つまり、あくまで憲法下では自国防衛のための武力行使しか出来ないことを明確にし、「他国を守るための」集団的自衛権は、従来通り認められないことを確認しました。安倍総理も7月1日の記者会見で、「外国の防衛自体を目的とする武力の行使は今後とも行わない」と明言しています。
 また、公明党の主張で、他国の戦争に日本が巻き込まれないように、対象も「日本と密接な関係にある他国」としました。その意味するところは、「日本を守る活動をしている他国」であり、日本の安全保障に無関係な戦争に自衛隊が参加することは、絶対にありません。
 3点目は、憲法解釈の限界を示した点です。
 公明党は当初より、従来の憲法解釈の論理的整合性、法的安定性を主張してきました。つまり、「時の政府の意思で、頻繁に憲法解釈の基本的な考え方が変わってはならない」ということです。与党協議でも昭和47年の政府見解との論理的整合性を主張し、あくまで武力行使は「国民の生命・自由及び幸福追求の権限が根底から覆される事態」がなければ行使出来ないと主張し、解釈変更の限界を示しました。
 閣議決定の文言には、「この自衛の措置の基本的な論理は、憲法9条の下では今後とも維持されなければならない」と明記されました。また、内閣法制局長官も先日の予算委員会で「今回の憲法解釈変更が限界で、それ以上の武力行使を認めようとするならば、憲法の改正しかない」と明確に答弁しました。
 この点について、三重中京大学の浜谷英博名誉教授は「『日本を戦争のできる国にするものだ』などという批判があるが、憲法の掲げる平和主義の理念は全く変わっていない。むしろその理念を今この時の国際安全保障に合わせて具現化し、「自衛の措置」が現憲法下で、どこまで認められるのかという限界をしめしたのが、今回の閣議決定だ」と高く評価しているのです。
 以上、公明党は、平和の党の立場から、憲法9条の精神を守り、9条の下で行える武力の行使の限界を明確にしました。従って、平和の党の看板を降ろしたとの批判は全くあたらず、むしろ、公明党が現政権与党にいるからこそ、憲法の平和主義を守りきることができたと強調するものです。