ヘルパーのイメージ 公益財団法人「介護労働安定センター」が、8月11日公表した2013年度の調査で、介護職員の離職率は、1年前の調査に比べて0.4ポイント低くなったものの16.6%であったことが判明しました。全産業平均(14%台)よりも依然として高い状況です。
 また、茨城県の離職率は19.4%と、全国平均を2.8ポイントも上回っています。
 政府の試算によると、介護職員は、団塊の世代が75歳以上となる25年度に、今より100万人多い約250万人が必要と見込まれています。新たな担い手を確保するとともに、介護職員の職場定着への取り組みを強化しなければならないのは火を見るよりも明らかです。
 高い離職率の要因の一つが、賃金の低さです。厚生労働省の統計調査によれば、福祉施設介護員やホームヘルパーの平均賃金は、全産業と比べ月額10万円以上も低くなっています。政府は介護報酬改定で介護職員の処遇改善につなげる必要があります。
 介護職は、同じ職場で長年働いていても、経験に比例して収入が伸びるとは限りません。家庭を持つ男性が介護職に就くには、長く働き続けられる給与水準やキャリアアップの仕組みをどう設計するかが問われてきます。
 埼玉県では、経験や資格に応じたモデル給与表を提示して事業所の処遇改善を促すとともに、給与が低い事業所には公認会計士を派遣し、個別指導を実施しています。一方で、優秀な介護職員や離職率の低い事業所の表彰などを行う評価システムも設けました。こうした取り組みは、職員の労働意欲向上が期待でき、職場定着を後押しすることになります。
 職場環境の整備・改善も欠かせません。介護の現場では要介護者をベッドから車イスに移すなどの重労働を繰り返すため、介護士の多くは腰痛に悩んでいます。負担を少しでも軽くするために、介護機器の導入を進めるべきです。
 一方、介護職は「夜勤があり、きつい仕事」とのイメージがつきまとっています。学校教育の現場で、介護職の重要性や尊さを学ぶ場を設けるなど、多くの人が興味を深めるような取り組みも必要です。
 ある調査によれば、介護職は働きがいのある仕事だと感じて、その道に進む人が多いとの結果が出ています。政府や事業所は介護職員の意欲に応える処遇改善と魅力ある職場づくりを進め、人材確保に努めるべきです。
参考:平成25年度 介護労働実態調査結果について