日立市土砂崩れ対策ヒアリング 広島県北部で8月20日未明、局地的に降った猛烈な雨により、広島市安佐北区、安佐南区の30カ所以上で土砂崩れが発生、多くの住宅が巻き込まれました。22日午後5時現在で、40人の死亡が確認されていて、行方不明者は47人になるおそれがあります。死亡が確認されているのは、安佐南区では、八木地区で25人、緑井地区で8人、山本地区で2人の、合わせて35人となっています。安佐北区では、可部東地区で3人、可部町桐原で1人の、合わせて4人となっています。
 亡くなられた方、被害に遭われた皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 広島県は、1999年にも30人を超す犠牲者を出す豪雨被害に見舞われています。これがきっかけとなり、翌年に土砂災害防止法が制定された。土砂災害防止法は、土砂災害の危険性がある「警戒区域」と、住民の生命や建物に著しい危害が生じる恐れのある「特別警戒区域」を指定し、住民への危険周知や避難態勢の整備などの防災対策を進めるものです。
 ところが、今回被害に遭った区域の大半が警戒区域に指定されていません。15年前の教訓は生かされませんでした。政府は、早急に原因を究明するとともに、法律の不備や運用面での問題がなかったかについても検討を加え、必要であれば法改正も含めた抜本的な見直しに着手すべきです。
 高度経済成長期に都市部に人口集中したことから、住宅確保のために山を切り開き宅地造成した地域で、災害が頻発しています。3年前の東日本大震災でも、仙台市太白区や青葉区、白石市などで、造成した住宅地で大規模な地滑りが発生しています。こうした都市型災害を防ぐため、現在は危険な宅地造成は禁止されているものの、危険な既存造成地は全国に存在しています。
 7月末時点で、全国の警戒区域は35万4769カ所、特別警戒区域は20万5657カ所に上るが、危険性の高い地域でも今回のように警戒区域に指定されていないところもあります。土石流を防ぐ砂防ダムや地盤改良工事といった抜本的な対策には、多くの時間と費用がかかります。まずは、避難態勢の整備が喫緊の課題です。
日立市土砂災害ファザードマップ 災害から住民を守るには、正確な情報提供が最も重要ですが、今回は避難勧告が間に合いませんでした。猛烈な雷雨で、屋外に設置されている防災無線が聞こえなかったとの指摘もあります。警報音を伴う携帯電話の緊急一斉メールなど、多様な情報提供も課題です。
 広島市での災害を受けて、22日井手よしひろ県議は舘野清道日立市議と共に、日立市の防災対策部長、課長より土砂災害対策への対応状況を聴き取り調査しました。
 日立市の土砂災害区域指定状況は、旧日立市98箇所・1700世帯、旧十王町27箇所・150世帯で、合計125箇所・1850世帯となっています。今後、旧日立市で59箇所、旧十王町で48箇所、合計107箇所の指定が予定されています。
 現在、全地域の土砂災害ファザードマップが整備されており、インターネットでもPDFがダウンロードできます。
 情報伝達体制の整備では、市内全域をカバーする防災行政無線戸別無線機の活用がポイントとなります。ケーブルテレビJ−WAYの双方向性を活かした活用も課題です。
参考:日立市土砂災害ハザードマップ