日本で実用化に向けて研究が進む再生医療 中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は先週、11月25日施行の改正薬事法が認める再生医療製品を、保険適用の対象にすることを決めました。この改正は、これまでの医薬品とは性質が異なる再生医療製品を素早く承認する仕組みを整えたものです。これによって、現在は原則的に患者が全額を自己負担している再生医療の治療費は3割負担で済むことになります。
 再生医療は、難病などの治療法確立につながる可能性があり、多くの医師や患者から早期の実用化が望まれています。中医協の決定を機に、今は国内で2品目しか承認されていない再生医療製品の実用化が加速するよう期待します。
 iPS細胞(人工多能性幹細胞)に象徴されるように、日本は再生医療の研究水準は世界トップレベルですが、実用化の取り組みは遅れているのが実情です。
 再生医療製品をめぐっては、米国は2012年時点で既に9品目、韓国も14品目を承認しています。また、承認に向けた治験数も日本は現時点で5品目にとどまり、米国(88品目、12年時点)や韓国(31品目)に遠く及びません。
 日本国内にも有望な技術があります。例えば、心不全患者が対象の心筋再生医療を実現する製品は、日本が世界で最初に実現するとみられています。既に、改正薬事法の施行を見据えて政府に承認申請している技術もあります。あくまでも、安全性の確保を大前提にして、政府は承認手続きを速やかに進めるべきです。
 25日には、改正薬事法とともに再生医療安全性確保法も施行されます。この法律は、医療機関に対し再生医療の実施計画を厚労省に提出させ、安全性の確保を図ることが目的です。この二つの法律は、坂口力・公明党特別顧問(元厚労相)の私案を基にまとめられた再生医療推進法を具体化したもので、現場の実態を踏まえた法整備として高く評価されています。
 再生医療への期待は世界的に高く、米国では単独で3000億円もの研究費を投じている州もあります。日本発の技術が一日も早く現場で活用されるよう、政府は財政面も含め支援を強化すべきです。
<参考>中央社会保険医療協議会総会(第285回)議事資料