JR東日本水戸支社への要望 12月25日、井手よしひろ県議と高崎進県議(水戸市選出)、八島功男県議(土浦市選出)は、JR東日本水戸支社を訪れ、常磐線東京駅乗り入れに関する要望書を手渡しました。
 来春3月14日、永年の念願であった上野東京ラインが開通し、常磐線の一部列車が東京駅、品川駅に直接乗り入れます。これによって新幹線などの乗り継ぎが大変便利になります。
 一方、自由席特急券が全て廃止されるために、実質的には特急料金が値上げとなります。また、通勤・通学利用者において広く利用されている「フレッシュひたち料金回数券」や「定期券用月間料金券」など、特別企画乗車券の発売も打ち切られます。
 通勤者対策には、新たな割引制度『定期券用ウィークリ料金』が発表されましたが、この制度を活用しても、水戸〜上野間で毎月7000円強、年間では10万円弱負担増となります。
 井手県議ら公明党県議団は、東京方面への常磐線特急利用の通勤、通学者における経済的な負担の軽減、「ひたち東京フリーきっぷ」や「都区内・りんかいフリーきっぷ」などの企画きっぷの復活、常磐線の東京・品川駅乗り入れ本数増加を、JR東日本に強く求めました。
地方創生の流れに逆行するJR常磐線の新たな特急料金体系
 今回の特急料金体系の見直しは、戦後70年続いた自由席特急券の廃止がそのポイントです。この発想の転換が、利用者にスムーズに受け入れられるとは思えません。
 限られた座席数でも、並んで自由席に座るといった、今まで一般的な光景は見られなくなります。こうした習慣になれ親しんでいた利用者は、定員を超す利用客があっても(立ち席でも)指定席料金が含まれた特急料金を取られる事は、多分理解(納得)できないでしょう。3月14日のダイヤ改正直後は、多くのトラブルが発生すると懸念されます。
 JR東日本水戸社に対して、こうした点を利用者にわかりやすく、明確に説明してほしいと要望しました。
 さらに、今回のダイヤ改正で、十王駅に停車していた特急列車が廃止をされることになりました。県北の観光拠点である大津港駅も同様に特急が止まらなくなります。ある意味では、効率優先の地元無視の決定です。

東日本旅客鉄道株式会社
執行役員水戸支社長
小池 邦彦 殿
茨城県議会公明党議員会
代表 井手 義弘
高崎 進
田村 けい子
八島 功男
JR常磐線の東京駅乗り入れに係る要望書

 茨城県の広域交通ネットワークの骨格を形成し、通勤、通学、観光等、県民の日常生活の移動手段として、極めて重要な役割を果たしているJR常磐線につきましては、貴社をはじめとする関係機関の多大なるご努力のもと、平成27年3月に「上野東京ライン」が開業することとになりました。多くの茨城県民と共に、厚く感謝を申し上げます。
 東京と上野を結ぶ南北の大動脈「上野東京ライン」の開業は、常磐線から東京駅・品川駅へのダイレクトアクセスを可能とし、利便性の飛躍的な向上をはじめ、県内の定住人口や交流人口の拡大による地域活性化、茨城県の魅力向上に寄与するものとして、大きく期待しているところです。
 一方、「上野東京ライン」の開業と合わせて、常磐線の新たな特急料金が設定され、東京方面への通勤、通学利用者において広く活用されている「フレッシュひたち料金回数券」や「定期券用月間料金券」など、特別企画乗車券の発売が終了されることになりました。そのうえで、貴社は通勤通学の定期券を利用している人を対象にした、新たな割引制度『定期券用ウィークリ料金』を発表しました。
 しかし、私どもの試算によると、新たな特急料金の体系では利用者の負担が大幅に増えることになります。現行水戸〜上野間は、1カ月の通勤定期代が56,370円、フレッシュひたちの自由席回数券が28,800円ですので、合計金額は85,170円。それが、改訂後は定期代56,370円、定期券用ウィークリ料金が45,327円で合計金額は、101,697円と10万円を超えます。通勤手段の転換に伴う特急利用者の減少はもとより、居住地としての魅力低下を招くことから、県内から経済的負担の少ない東京方面への人口流出が危惧されます。
 つきましては、東京方面への常磐線特急利用の通勤、通学者における経済的な負担を十分ご賢察のうえ、より快適に、より使いやすく生まれ変わる特急を、引き続き通勤、通学等で利用できるよう、特別企画乗車券に係る下記事項の実現について強く要請いたします。
  • 東京方面への通勤、通学利用者に配慮し、現行の「特別企画乗車券」と同等の特急料金の割引制度を創設すること
  • 「ひたち東京フリーきっぷ」や「都区内・りんかいフリーきっぷ」などの企画きっぷの復活又は同等の機能を持つ乗車券を販売すること
  • 常磐線の東京・品川駅乗り入れ本数をさらに増やすこと