衆院選の年代別投票率 若い人の声を政治に生かすため、公明党は早くから18歳選挙権の実現を訴えてきました。
 公明党など与野党8党は、超党派の「選挙権年齢に関するプロジェクトチーム」を2014年6月に立ち上げて、18歳選挙権を実現するための法改正をめざし議論を重ね、作り上げた公職選挙法などの改正案を、先の臨時国会中の11月19日、衆院に議席を持つ公明党など7党の会派が衆院に提出しました。提出者の一人である北側一雄公明党副代表は法案提出後、「法案は衆院解散で廃案になるが、与野党合意の証しとして提出した。来年の通常国会に再提出して会期中に成立させ、2016年の参院選から適用できるようにしたい」と述べました。
なぜ今18歳選挙権か?2016年参院選から適用
 18歳から選挙権を付与する理由は、若い人の声を政治にということが一番の理由です。また、既に働き、納税の義務を果たしている人が18歳の約3割おり、選挙権は納税者の当然の権利といえます。児童福祉法上の「児童」は18歳未満ですし、労働基準法は18歳以上を実質的な成人と扱っています。また人口構成の高齢化によって、若者の政治的影響力が低下する「民主主義の高齢化」からの当然の要請と指摘する識者もいます。
 国際的に見ても、18歳選挙権は既に“常識”なのです。1969年にイギリスが21歳以上を18歳以上に引き下げたのを皮切りに各国が次々に引き下げ、世界の国の約9割が選挙権年齢を18歳(17歳や16歳の国もあり)以上に定めています。OECD加盟34カ国中、18歳選挙権でないのは日本と韓国(19歳以上)だけです。
 18歳選挙権をめぐる課題もあります。一つは若い世代の投票率が低いことです。衆院が現在の選挙制度になっての96年以降の衆院選に限っても、2012年まで全体の投票率が59%台から69%台を推移していたのに対し、20代の投票率は6回中4回も40%を下回っています。今月行われた衆院選の投票率は、それまで過去最低だった12年を大きく下回っており、今後の調査で20代の投票率も大きく低下していたことが明らかになると予想されます。
 しかし一方で、全国各地の自治体で実施された、18歳以上に投票権を付与した住民投票では、むしろ中高年に比べ若い人の方が真剣に議論し投票行動していたとの声もあります。
 公明党は、欧米各国で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ始めた1970年ごろから、若い世代の政治参加を進めるため、日本でも18歳選挙権を実施すべきだと訴え、以来一貫して18歳選挙権実現に取り組んできました。
 公明党青年委員会(石川博崇委員長=参院議員)は、こまめに若者との対話集会を積み重ね、党学生局も全国各地で学生との対話集会を開き、多くの若い声に耳を傾けました。今年8月に政府に提言した青年政策アクションプランでも18歳選挙権の早期実現を訴えています。
若い人にアピールできるメッセージを/中野ひろまさ党学生局長
 公明党が長い間訴え続けてきた、18歳選挙権実現へあと一歩のところまで来ました。一方で若い世代の投票率が低いことも事実。制度ができても、投票所に足を運びやすくできなければ何にもなりません。若い人へアピールできるメッセージを政治の側が出せていない現状があります。
 選挙権を与えるという、いわゆる“上から目線”でなく、青年が発信する場や、政治家と普段着で接することができる機会を増やすなど、政治に携わる側の努力も必要です。
 学生局長として、多くの学生から話を聞くと、現状への満足感を持ちながらも、将来への漠然とした不安を感じている人が多いと感じます。そうした不安を払拭し、希望を持てる将来を構築できる政治の仕組みづくりに、さらに努力していきたい。

年代別投票率の推移