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 日立市は様々な課題を抱え呻吟しています。地方創生元年と言われる今年4月には、統一地方選が行われ、日立市でも市長選と市議選が行われます。井手よしひろ県議は、日立の課題や可能性について、公明党の現職市議、党日立支部の役員と語り合いました。
 このブログでは、5回に分けてその内容をご紹介します。第1回目は、三代かつや市議会議員です。

井手よしひろ県議日立市議選三代かつや候補の初陣 東日本大震災から4年を迎えようとしています。日立市は、震度6強という未だかつてない強い揺れと最大高5.3メートルの津波に襲われました。日立市内の人的被害は、直接的な死者は無かったものの関連死が13人、重傷6、軽傷164人。住宅の被害は全壊433棟、半壊3,364、一部損壊13,460棟、床上浸水604棟、床下浸水166棟と甚大なものでした。最大で13,000人も市民が避難所で不自由な生活を送りました。日立市役所をはじめ、池の川体育館、小中学校など公共施設にも大規模な被害がありました。
 このような状況の中、三代さんは市議会に初挑戦したわけです。震災からの復旧がまだまだ緒に就かない中、作業服のまま選挙のマイクを握っていた姿が強く印象に残っています。

三代かつや市議 1期目の4年間は、日立市の復旧・復興に全力を挙げた4年間でした。毛布や食料品、水、燃料の調達から、避難場所の確保、住宅の再建、そして地域の再建と時間の経過と共に、次から次にお寄せいただいた住民の皆さまからの相談や要望への対応に全力でお応えしました。特に、中小企業の皆さんの事業再生のための「中小企業グループ補助金」については、石井啓一衆議院議員(党県本部代表)や井手県議との連携で、南部地域でも多くの事業者に利用していただくことが出来ました。早期の震災復興に微力ではありますが、成果を上げられたと確信しています。
 日立市の震災復興計画は、昨年度末で一応目標をクリアしましたが、空き店舗や空き家が目立つ地域の現状を見るとき、まだまだ終わっていないと実感しています。
 特に南部地域では、久慈小学校の建て替え問題などが残された大きな課題だと思っています。また、瀬上川の水門や、堤防の建設も始まりますので、できるだけ早く住民の皆様に安心していただけるよう工事を進めたいと考えています。
井手県議 日立が直面する課題の一つに、人口減少に歯止めがきかないという問題があります。平成25年、26年と2年続けて人口の社会減は、全国ワースト2と大変残念な結果になりました。そこで、2期目に挑戦する三代さんは、どのような対策を考えていますか?

三代市議JR大みか駅前での議会報告 日立市の人口減少の状況を少し詳しく見てみると、20〜24歳の女性の流出と20〜30代の子育て世代の転出が際立っていることがわかります。ということは、若い女性に魅力のある街づくりをするということと、子育てや教育の環境を整えるということなどが、人口減少の対策になると考えています。
 若い女性に魅力のある日立を作るという事は、実は簡単なことではありません。日立はもともと工業都市ですので、小売業やサービス業はあまり発達していません。若い女性にとって働く場所が限られるという地域の欠点があります。だからといって、手をこまねいていてはいけないと思います。この南部地域に、民間のベンチャー企業が若い女子大生などを対象に、地域交流型のシェアハウスを作る計画を進めています。大学で学ぶ若い女性に、地域での行事に参加してもらったり、地域での起業や就職を積極的に支援する取り組みが、すでに始まっています。こうしたことに、日立市も積極的に応援すべきです。また市営アパートや空き家等を若い人たちに格安で提供するなど、今までやったことのないような積極的な政策も提案していきたいと思っています。
 子育て世代の支援については、まず第一に、子どもさんの医療費無料化制度(マル福制度)を大幅に充実させることが必要です。日立市は、入院は中学校卒業まで、外来は小学校卒業まで医療費の助成を行っています。しかし、隣の常陸太田市では、この4月から18歳までの医療費助成を行うと聞いています。これでは、ますます子育て世代のみなさんは日立から出て行ってしまいます。まずは入院も外来も中学校卒業まで、医療費の助成が行えるようにします。
 さらに常陸太田市では、“おむつ手当”と言うことで、乳児(ゼロ歳児)に月2万円の手当を支給しています。日立と同じように重工業が産業の基盤となっている鹿嶋市でも、第3子から 「子宝手当」として月2万円を中学校卒業まで出すとしています。こうした子育てへの金銭的な支援も、是非検討したいと思います。

井手県議 人口減少を食い止めるためには、どうしても地域の産業の活性化が必要です。日立製作所の城下町として、製造業が栄えてきた日立市ですが、今までの発想にとらわれず、新たな産業を育てることが大切だと思います。

三代市議東京ガスエネルギー基地 先日、井手県議と共に、福島県のいわき市や相馬市を視察させていただきました。福島県の浜通りでは、東日本大震災の福島第一原発事故を受けて、国が新しい取り組み“イノベーションコースト構想”を推進しています。これは、浜通りに液化天然ガスの大規模なエネルーギー基地を建設し、原子炉の廃炉に係わる新たな産業を育成しようというものです。すでに相馬港では、天然ガスのエネルギー基地の起工式が行われています。原子炉の廃炉に関する取り組みも具体的にスタートしています。いわき市役所の担当者は「イノベーションコースト構想は、福島の浜通りだけでは推進することはとてもできません。廃炉の技術やその人材は、茨城県の日立・東海地区に頼らなくてはなりません」と語っていました。
 日本で最初に原子の火がともった東海村。そして原子力発電の大事なノウハウや人材を有するこの日立。私たちは、党を挙げて原発ゼロを目指しています。今すぐに日本中の全ての原発を止めろと言う極端な意見ではありません。しかし、古い原発から、効率の悪い原発から、周辺に多くの住民が住んでいたり、地震の懸念がある原発などから優先して廃炉にすべきだと主張しています。
 その意味では、廃炉の技術はこれからの大きなビジネスチャンスともなると思います。日立・東海地区に集約した廃炉の技術や人材を、地域の活性化のために、福島の復興、日本の新たな成長戦略の中に位置づけるために、国会議員にも働きかけていきたいと思います。
 また、現在日立港の第5号埠頭で進められている東京ガスのLNG基地が平成27年度中に完成します。日立LNG基地のガスタンクは、地上式のものとしては世界最大級の大きさです。基地が完成すれば、北関東及び首都圏の新たなLNGの供給拠点となるだけでなく、日立港区がエネルギー関連港湾として発展する可能性や、新たなエネルギー関連産業の立地につながることが期待されています。さらに、東京ガスではもう1基現在と同規模のガスタンクの建設を計画しています。
 私は、せっかく1000億円を超える投資を民間の企業が行ってくれたわけですので、日立市としてももっと有効にこのエネルギー基地を活用すきだと考えています。例えば、日立港からのLNGガスを利用して真岡市には60万キロワット級のLNG発電所が計画をされています。日立港周辺部にも、大規模なLNGの火力発電所の誘致ができないでしょうか。また、国は燃料電池を中心とする「水素タウン構想」を進めています。LNGから水素を生成することは比較的簡単ですので、日立市を「水素タウン」と位置づけ、様々な先進的なプロジェクトを誘致すべきでしす。幸い、水素ガスステーションの技術は、日立市にゆかりの深い「JX日鉱日石エネルギー」が、日本企業の中でも最先端の技術を持っています。こうした企業の力ももっと活用すべきだと提案しています。
 現在、整備が進んでいる「ひたちBRT」に、私は燃料電池バスをぜひとも走らせたいと思っています。日製とJXの技術力をもってすれば実現は可能だと確信にしています。

井手県議 人口減少とともに、日立の課題の一つが高齢化対策です。私は山側の金沢団地に住んでいますが、すでに金沢団地の高齢化率は50%を超えています。国は団塊の世代の皆様が後期高齢期(75歳以上)に達する2025年までに、新たな「地域包括ケアシステム」を構築することを目指しています。高齢者対策について、三代さんはどんなビジョンを持っていますか?

三代市議東松島おのくんの家視察 私は、寝たきりだった父の介護を5年間続けた経験があります。その時の苦労があるから、介護の問題の重要さや難しさがよく分かります。国が進めている地域包括ケアシステムとは、介護だけではなく医療や生活支援(介護予防)、住宅の問題など、高齢者に関わる全ての問題を地域で解決していこうという取り組みです。
 その中でも最も重要な存在が「地域包括支援センター」です。例えば、認知症のお年寄りを地域でどのようにサポートしていくかを考えたとき、施設やヘルパーさんなどの介護支援だけではうまくいきません。医療的な治療も不可欠。これはお医者さんの役割です。その方が一人暮らしだったとすれば、年金や生活保護といった行政面での支援も必要になり、市役所や民生委員の皆様に支援をして頂けなければなりません。徘徊をしたり、暴力を振るうようになれば、警察などのお世話にならなくてはならないかもしれません。地域全体での見守りも必要ですから、自治体やコミュニティの皆さんにも関わっていただく必要があります。こうしたお年寄りをめぐるすべての相談や支援の窓口・拠点が「地域包括支援センター」なのです。高齢者が、何か困ったことがあったら相談できるワンストップ窓口が「地域包括支援センター」です。
 すでに日立市では、6箇所が指定されています。その大部分が別養護老人ホームなどに位置づけられています。医療や行政のサポートの充実を図るためにも、日立市は予算や人材などさらに充実させなくてはいけません。地域コミュニティとの連携も、日立市がしっかりとリードしていくきです。
 幸い南部地域は、しっかりとした介護事業者が多く、また訪問医療を行っているお医者さんもいます。生活支援を行っているNPOなども活発に活動しており、私は日立市における地域包括ケアシステムのモデルケースを、この南部地域に構築したいと考えています。

井手県議 最後に、4月の選挙にかける意気込みを聞かせてください。

三代市議 市議会議員として1期4年間、全力で走らせていただきました。2期目にあたって決意していることは、一つにしっかりと地域の皆様の声を行政や、国・県につないでいく“パイプ役”として、これまで以上に汗をかかせていただきたいということです。地方議員が地域と言う現場から離れてしまえば、その存在価値はなくなってしまいます。地方議員が地域の皆様から、ご意見やご要望等を聞けなくなってしまえば、これは単なる行政の代弁者に過ぎなくなってしまいます。何よりも、お一人お一人の声を大事にする議員として頑張りたいと思います。
 さらにもう一つ申しあげれば、私自身がしっかりとした日立市の未来ビジョンを持って、市民の皆様にそれをご理解をいただきながら、日立のまちづくりを進めていきたいということです。今、国は“地方創生”を掲げて、国を挙げて地域の活性化に取り組もうとしています。国が行なおうとしている“地方創生”は、国から「あれをやれ、これをやれ」と指示が来るものではありません。地方から具体的にこのことをやりたいから、国や県は財政的な支援をする。専門的な人材も配置する。法律や税の制度も変えていく。といった今までとは全く違う下からの改革、ボトムアップの地域活性化策だとを考えています。その意味では、私ども地方政治に関わるものが、もっともっと勉強をし、精進をして、国や県を動かすために、しっかりとした日立の活性化ビジョンを作っていきたいと思っています。
 私は、この日立を「みんなが住みたくなる日立」へ、本当に住みやすいと実感できる街に、全力で変えていきたいと考えています。皆さまのご指導の程、よろしくお願いいたします。

三代かつや市議のプロフィール
  • 日立市議会議員1期
  • 日立市議会教育福祉委員会委員
  • 公明党日立支部副支部長
  • 昭和35年12月17日生まれ
  • 昭和48年3月 市立久慈小学校卒
  • 昭和51年3月 市立久慈中学校卒
  • 昭和54年3月 県立日立商業高等学校卒