平成23年3月議会 3・11東日本大震災から4年目の節目の日を前に、私たち地方議会の大規模災害への対応のあり方について、考えをまとめておきたいと思います。
 地震や豪雨などの災害が発生した時の地方議会や議員の対応、行動を定めた指針やマニュアルを整備する動きが、全国で広がっています。
 地方自治体には、防災計画の策定や住民の救助、復旧などの対応が法的に義務付けられていますが、地方議会には災害の対応に関する法令の定めはありません。
 東日本大震災では自治体の機能が麻痺し、議員が行政からの災害情報をスムーズに受け取れないケースもありました。また、議員は行政に対して、個々に地域の被災情報や要望を伝えざるを得ず、全体観に欠けた要請・要望は、かえって行政側を混乱させた事例もみられました。
 こうした教訓から、各地の議会で策定が進んでいる指針やマニュアルには、自治体から議員に対する情報の伝達・提供の一元化、議員が地域や避難所を調査することなどを定めたものも多くなっています。
 例えば、埼玉県越谷市が定めた対応要領では必要に応じて、議長を本部長とする市議会災害対策支援本部を設けられるようにしています。議員が地域で集めた被災情報は支援本部が整理して市側に提供します。実際、2013年9月に越谷市を襲った竜巻被害では、要領に沿った行動で議員と方側の情報のやり取りが円滑に行えました。
 滋賀県大津市議会では、優先業務などを定めた業務継続計画(B C P)を策定しました。この全国初の議会BCPでは、災害発生の初動期から1ヶ月後までの期間に、市議会議員が取るべき行動を明確にしており、議会機能の早期回復をめざしています。現在、市議会などの役割を明確にした「災害等対策基本条例」も議会で審議することにしています。
 都道府県議会レベルの災害対応は若干遅れている傾向があります。市町村議会と異なり、対応する地域が広く、都道府県議会単位で臨機応変に集合離散することが困難であることがその主な要因です。
 その中でも茨城県議会では、井手よしひろ県議らの提案によって、議会基本条例に議会の役割として災害対応を位置づけました。議会基本額は第4条に「議会は次に掲げる役割を担うものとする」として、具体的に6項目を列記しました。その6項目に「県民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、県民及び地域の現況を的確に把握し、知事等に速やかに必要な要請を行うこと」と規定しました。
 地方政治は行政執行を担う首長と地方議会の両者が、それぞれ選挙に選ばれるニ元代表制で成り立っています。議会は平時であれば、車の両輪のように行政に対して提案やチェックをする役割が求められます。しかし、大規模災害時は、首長に災害対応の一元的な権限と責任が集約されます。議会は、行政と協力して救援・復旧に全力を挙げなくてはなりません。
 特に議員は、現場にはりつき、行政が把握できない住民の多様な声を聞くことができます。災害時に議会と議員が果たすべき役割は何か。そのためには議会と議員には何が求められるが、大震災から4年を迎える今、議論を深める必要があります。
(写真は平成23年3月22日開催された茨城県議会本会議。東日本大震災による被災のため本会議場が使えなくなり、防災服のままで会議が開かれました。平成24年度の予算が採決されました)