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日立市長選候補・小川春樹氏にまちづくりの提案
 平成27年は「地方創生元年」といわれています。日立市は人口減少への対応、少子高齢化への対応、まちの活性化など様々な課題に直面しています。こうした時代にあっては、日立市のリーダーである市長の資質が厳しく問われており、激化する自治体間競争にいかに生き残るか、市民の期待は高まるばかりです。
 3月15日付けの読売新聞の一面に「[統一選の焦点]:人口減対策 カネより知恵」との記事が掲載されました。以下引用します。
 300人前後の住民が毎年、県境の川を越え、対岸の街に転居する現象が起きている。千葉県銚子市が2007年度以降の転出者を調べて判明した。全転出者の1割以上の行き先は、利根川対岸の茨城県神栖市だった。
 鹿島臨海工業地帯を抱える人口9万4000人の神栖。固定資産税収入は年120億円規模で、一般会計の4分の1にも達する。豊富な財源を使い、市は<通院医療費の自己負担は中学3年まで1回600円以下><小学校の給食費約半額を補助>などの子育て支援策を打ち出した。
 長男がこの春、小学生になるベビーマッサージ講師の花塚瑞穂さん(32)も昨年12月、銚子から引っ越した。子どもは3人。「これからを考えると給食費の補助は大きい。児童館も多く、子育てしやすい」
 銚子はここ数年、人口が毎年1000人以上減り、7万人を切った。税収が年1億円ペースで減る中、市立病院の赤字で毎年数億円の補てんを余儀なくされるなど、財政は厳しい。市幹部は「サービス合戦では神栖に太刀打ちできない」とため息をつく。

震災前の日立市庁舎 毎年300人前後の住民が、県境の垣根を超え、対岸の街に転居する現象が起きているとの書き始めで、千葉県の銚子市から茨城県の神栖市への人口移動を取り上げています。子どもの医療費の無料化の拡充や給食費の補助等のサービス合戦では、財政力の強い神栖市に銚子市は追いついていけない、そのために人口が流出している。と指摘しています。
 読売新聞の書き方は、やや否定的な感を否めませんが、これが今の地方自治体の現場です。縮小する人口を自治体間で奪い合う構造が生まれています。しかし、この競争を無視することは出来ません。人口は自治体にとって最も基本的な財産であり、宝であるからです。
 神栖市に隣接する鹿嶋市では、この4月から18歳未満の子どもの医療費を助成します。第三子以降には毎月2万円の子だから手当を15歳まで支給します。神栖市より財政的には厳しい鹿嶋市が、思い切った子育て支援を武器に住民の獲得に乗り出しました。
 私たちは、こうした自治体の福祉サービスの充実合戦が日本の全体の子育て環境を充実させると考えています。
 もう日立市は傍観者ではいられません。積極的な人口確保策、高齢者対策、産業活性化策に舵を切るべきだと主張します。
 3月18日、公明党の県議会議員井手よしひろと5人の市議会議員候補は、日立市長選に立候補を表明している小川春樹候補(前日立副市長)に対して、日立市のおかれている現状を踏まえた具体的な提案を文書で行いました。2月にインターネットのホームページに掲載した、井手県議と5人の対話をまとめ直した内容です。
たての清道市議会議員

日立市役所新築問題と人口減少対策
舘野清道 4年前の東日本大震災で、日立市役所は大きな被害を受けました。被災後、耐震診断を行った結果、どの建物も震度6以上の大きな地震の際には危険であるとの結果が出たため、全面的な建て替えを決断しました。市役所は、街のシンボルであり、行政機能、防災機能の拠点でもあります。さらに、市民サービスの中心でもあり、安心・安全の中核施設でもあります。国の震災復興の仕組みに位置づけると、その費用の多くが国から支援が受けられ、市民の負担を最小限に留めることができます。こうした点を考慮して、早期の全面建替に賛成しました。
 しかし、最初に市から示された設計には、多少、違和感を感じました。デザイン性、芸術性を重視する余り、予定した工事費が予算内に収まるのかという疑問もありました。実際、昨年8月に行われた第1回目の入札は、建設会社の見積もりと市の見積りが合わず不調に終わりました。唯一社、入札に参加申請していた大成建設・りんかい日産建設・鈴縫工業・秋山工務店・岡部工務店のJVが、辞退したためです。第1期分の予定価格は、110億2000万円(税込)で、東日本大震災の復興需要や東京オリンピックの建設需要拡大などによって、資材や人件費が増大しており、JVは予定価格内の工事施工を断念しました。
 この入札不調を受け市議会は、特別委員会で工事設計の大幅見直しを市当局に訴えました。当初の床面積27000m2を2000m2削減して、25000m2とする。一部市民から不要ではないかと指摘された地下駐車場を設計から外す。エレベーターや階段の設計を見直す。曲面やガラスを多用したデザインを見直し、工事やメンテナンス性が高く、部材の値段も節約できる直線的なデザインとする。市民広場の大屋根の構造や面積を変更する。建物本体壁面のルーバーや窓の形状などを変更する。など、その見直しは多岐にわたりました。
 見直し後の2回目の入札が、この2月6日に行われ、大手ゼネコンの竹中工務店が予定価格の112億3000万円を9%近く下回る102億5000万円で落札しました(竹中工務店、岡部工務店、鈴縫工業、秋山工務店の4社によるJV)。これを受けて、3月市議会の冒頭には、新庁舎関連の案件が提出され、市議会の全会一致で承認されました。3月25日に起工式を行い、具体的な工事に着手されます。
 今回の第1期工事と第2期工事分の市民広場(大屋根含む)や外構工事を合わせると総予算は130億円に上ります。街頭でお声をかけてくださる方や県政懇談会でのご意見の中でも、市役所にこれだけのお金をかけるなら、人口減少対策や街の活性化にもっとお金を遣うべきだとのご意見をいただきます。
 日立市の人口減少、特に社会減は平成26年、25年と連続して全国ワースト2という不名誉な結果でした。日立市が人口減少、子育て支援、高齢者の福祉、そして何よりも企業誘致などの地域活性化策に真剣に予算を確保し、積極的に取り組んでいると、市民の皆様に評されたならば、このようなご批判はいただかなかったのではないでしょうか。
地方議会は市長と車の両輪のように、市政運営を担っています。その意味では、私共市議会議員の責任も重いと自戒しています。
 市役所建設がスタートする平成27年度を地方創生元年と位置づけ、地域の活性化や人口減少対策などにも、今までになかった発想で全力で取り組む必要があります。
 一方、吉成明市長は、年頭の職員訓示で人口減少に関して次のように発言しています。
 「まちの人口減少が叫ばれて久しいわけでありますが、一番大事なのは、やはりインフラだろうというふうに思っております。鉄道、道路、港湾、空港といったようなものがきちっと、そのまち、その地域に存在するということが、結果としては、そのまちが発展するということであります。(中略)本市でも、国が地方創生を担う新組織を発足させたことから、そういった担当をつくろうと思っておりますが、このままでいきますと人口獲得競争になる。日本の人口が増えているうちはいいんですが、日本全体が増えていないのですから、いわゆる奪い合いになる。片方が増えれば片方が減ると、こういった地方の人口獲得競争をそのまま進めていいのかということを、もう一方では考えていかなければならないだろうというふうに思います」と。
 私は、インフラ整備自体は否定しませんが、人口獲得競争を悪として切り捨ててしまうことには疑問を感じます。人口はそのまちのもっとも重要な「宝」です。人口減少に歯止めをかけることは、日立市にとっても最も大事な役割だと考えています。
 日立市は厳しい地方自治体間の競争にさらされています。隣接する常陸太田市は、「子育て上手・常陸太田」を標榜し、子育て支援を日立市より手厚く行っています。外来治療におけるマル福(医療福祉制度)の対象は、日立市が小学校卒業までですが、常陸太田市は4月から18歳まで拡大する予定です。新婚のカップルが常陸太田で民間のアパートを借りると、月に2万円の家賃補助を3年間受けられます。
 日立市にはこのような支援策は全くありません。昭和30年台から60年台にかけて、日立市の福祉は茨城県で最高レベルでした。現在は、マル福制度だけ見れば、この4月から中学校卒業までの外来診療にもマル福が適用されることになりますが、県内では平均レベルです。福祉が充実していない街に住民は住み続けようとはしないでしょう。福祉の充実、特に子育て世代の支援拡充を、私は日立市の人口減少対策の一丁目一番地に位置づけたいと考えています。

日立の魅力を全国に発信
 その上で、日立のすばらしい産業技術の集積や農業、水産業、観光資源の素晴らしさを全国に発信する仕組みを作りたいと思います。今までのように、大手企業一社に頼っている産業構造は転換しなくてはなりません。素晴らしい技術やノウハウをもつ市内の中小企業を全国、全世界に紹介したいと思います。日立市には産業技術センターのような先進的な取り組みがありますが、製品や技術の素晴らしさを発信する仕組みがありません。そのためには、若者の力、日立市以外の人の力を借りようと提案しています。
 例えば、国の「地域おこし協力隊」の仕組みを使って、全国から地域おこしに興味を持つ優秀な学生を日立に迎えます。この制度は3年間、生活費を支給して、決められたテーマに自由に取り組んでもらい、地域おこしに協力しもらおうとする仕組みです。日立市の素晴らしい中小企業を全国に紹介するホームページ、多言語で発信できるホームページなどを開発してもらいます。日立の中小企業と大都市の学生をインターンシップで結ぶ取り組みも有効だと思います。若者の力、よそ者の力を存分に活用する取り組みに是非挑戦したいともいます。

救急医療体制の課題
 現在、日立市では日製総合病院と日立医療センターの新築工事が進んでいます。地域では、診療所やクリニックの開業が相次ぎ、医療環境の充実が進んでいます。安心・安全のまちづくりの基本には、医療環境整備があります。
 私は、6年前心筋梗塞で倒れ、カテーテル治療で一命を救われました。万が一、救急車の到着が遅れたら、受け入れてくれる病院がなかったらと、今でも背筋が寒くなります。
 そこで、私は救急医療体制の充実、AED配備などの緊急時への備え、様々な病への予防体制の整備などに、誰よりも真剣に取り組んできました。
まず、救急医療体制の整備では、ドクターヘリが離発着できる体制の整備が必要です。日製総合病院の新本館屋上にはヘリポートが整備されます。市内の救急患者をいち早く専門の医師がいる病院に搬送できるよう取り組みます。また、子どもの救急体制が不足しています。産科、婦人科の陣容も十分でありません。井手県議と協力して、県立こども病院に新生児救急用のドクターカーを配備するよう求めていきたいと考えています。県北地域に設備の整った新生児対象の医療機関を作ることは非常に課題が多く現実的ではありません。それならば、県立こども病院の専門医と高度な医療機器を積載した大型救急車(ドクターカー)の整備し、超未熟児の出産などに対応させたいと思います。
 さらに、新たな救急医療体制も提案したいと思います。今、119番に電話して、患者を救急車に収容し、指定の病院まで搬送する時間が、日立市内では約35分かかっています(これをレスポンスタイムと言っています)。このレスポンスタイムで一番時間が掛かっているのが、患者を受け入れてくれる病院を探すことです。これは、現場に到着した救急隊員が、直接救急指定病院に電話をかけて受け入れの可否を問い合わせています。専門医がいない、ベッドが空いていないなど、様々な理由で収容する病院が決まらず、レスポンスタイムが伸びてしまう要因になっています。そこで、私はスマホやタブレット端末を活用した救急指定病院のデータベース構築を提案したいと思います。
 先日、テレビ番組で佐賀県の先進事例が紹介されていました。佐賀県が開発した「99さがネット」では、タブレットの画面にはあらゆる診療科目が表示されています。まず病院側が現在どんな専門医が待機しているかをリアルタイムで入力。救急隊が画面から患者の症状に合った科目を選択すると、その時点で受け入れ可能な病院が表示されます。タブレットには各病院の受け入れ件数と断った件数(応需率)が表示されています。受け入れが多い順に並べられています。このアイディアが医師たちの意識を激変されました。システム導入から1ヶ月で「受け入れ不可」が3割も減ったとの報告もありました。すでに、タブレットやスマホを使った救急搬送システムを8府県が導入し27県が導入を検討しています。日立市でも、茨城県と協力してこうしたシステムの導入促進を検討すべきです。
 また、心筋梗塞などの急性の心臓疾患には「AED」がその威力を発揮します。日立市でも公共施設やコミュニティの施設にはAEDが配備されています。しかし、夜間や休日など、その施設が閉まっているときはAEDを利用することができません。そこで、私はコンビニエンスストアへのAED配備を提案しています。日立市がリースでAEDを一括購入し、協力を頂いたコンビニに配置していただきます。コンビニは、まさに24時間365日営業しています。市内の主な場所には必ずといっていいほど立地しています。このコンビニにAEDを配備することができれば、急性心疾患でなくなる方を大幅に減らすことができると確信します。

うすい五月市議会議員

格差社会への対応
碓井五月 今年になって、『21世紀の資本』を著し、所得格差の拡大に警鐘を鳴らしているパリ経済学校のトマ・ピケティ教授が来日したこともあって、「格差論議」が活発化しています。格差の拡大をめぐっては、アメリカで上位1%の富裕層に、所得の20%が集中していることから、「私たちは99%だ」のスローガンを掲げたウォール街占拠運動が注目を集めました。所得格差は、各国で程度は異なるものの、先進国共通の問題です。昨年来、国際通貨基金(IMF)や経済開発協力機構(OECD)などの国際機関は、「所得格差は大半のOECD諸国で拡大」「所得格差は成長の持続可能性を低下させる」など、格差是正の必要性を主張しています。格差の問題は、一義的には国で議論されるべきですが、生活の現場である市町村でもしっかり対応されなければいけないと思います。
 経済的に困窮している人を支援するための法律が昨年、公明党の推進で相次いで成立し、期待が高まっています。貧困対策を進めるための新たなセーフティーネット(安全網)の構築は"待ったなし"の課題となっていると感じています。親から子への「貧困の連鎖」を防ぐための「子どもの貧困対策推進法」が昨年6月に成立。12月には「生活困窮者自立支援法」も成立しました。
貧困家庭の子どもは十分な教育を受けられず、大人になっても低所得になる確率が高いといわれています。貧困の連鎖や固定化を防ぐための就学援助など支援の充実が急務です。今後、政府が大綱をつくり、都道府県が大綱を基に対策計画の策定に努めることになっています。市町村レベルでも、具体的な行動を起こすべきです。
 こうした状況の中で、公明党は子どもの貧困対策や女性の貧困対策に、誰よりも真剣に携わってきました。昨年12月議会では、親の所得が低く子どもたちに十分な教育を与えることができない家庭のために、NPOなどが運営する教育支援(学習支援)の取り組みについて議会で提案をしました。また、一人親家庭などを支援するために、市営アパートの入居基準や、保育所や幼稚園などの費用の軽減などを訴えました。
 子どもや女性の貧困対策の一端として、小児マル福制度や子どもさんがたくさんいる家庭の支援を充実させるべきだと考えています。例えば、古河市や常陸太田市、鹿嶋市などで行おうとしている18歳までの医療費助成制度(常陸太田市、鹿嶋市は3月議会に予算が上程されます)も、所得の低い層に限定して日立市でも実施すべきだと考えています。同じように鹿嶋市が導入を検討している「子宝手当」は、第3子以降の子どもさんに対して、月額2万円を15歳まで支給しようとするものですが、これも所得が低い家庭の子どもの生活・教育支援として非常に有効であり、日立市でも十分に検討に値すると考えています。

高齢者の生活支援
 私は、多くのお年寄りからの相談を受ける機会があります。住民相談の総数はこの12年間で2500件余りに達しました。
 その中でも、特に気になったのが、判断能力が弱ったお年寄りの財産管理の問題でした。こうした問題に対応するために生まれた制度が「成年後見制度」です。しかし、成年後見の利用実績は非常に低調に推移してきました。その理由は、成年後見制度の認知度の低さ、家庭裁判所に申し立てるという敷居の高さ、手続きの煩雑さや費用の問題、後見人の成り手不足などが上げられます。成年後見制度を普及・定着させていくことは、高齢者を狙う悪質商法の抑止や、高齢化の進展とともに増大する認知症高齢者にとっても必要不可欠なことです。
 そこで、私は日立市での成年後見制度の普及と具体的なサービスを提供するためのNPO法人「市民後見人の会ひたち」の設立に参画しました。今後は、地域包括ケアシステム構築の動きにも呼応して、弱い立場のお年寄りをしっかりと守っていけるよう、市民後見人の活動を充実させていきたいと思います。
 また、昨年6月議会では、「ひとり暮らし・高齢者世帯への支援」について訴えました。日立市の高齢化率は、27%を超え、その中でもひとり暮らしの方は3000人近くいらっしゃいます。厚生労働省の調べで、買い物に困っているという世帯は50%となっています。買い物、ゴミ捨て、電球交換、家の片づけや模様替えなど、若者世代であれば何でもないことが、お年寄り家庭にとっては大きな問題となっています。一部のコミュニティやボランティ団体がすでに、こうした生活支援のサービスを始めています。しかし、残念ながら日立市においては、具体的な検討は今だ、行われていません。
 この4月から介護保険の枠組みは大きく変わります。今回の見直しの中では、要支援者など軽度の訪問介護やデイサービスなどを介護保険から切り離して、市町村の事業に変更しました。これからは市区町村が中心となって、それぞれの地域の実情に応じて、NPOなど住民等が中心となった多様なサービスを展開できるようになりました。こうした市町村が行う「地域支援事業」では、必要なお年寄りには今までどおり専門的なサービスも受けられますし、ボランティアなど多様な担い手による、地域サロン、外出支援、買い物、調理などの家事支援など多様なサービスを提供することが可能となります。既存の介護事業者では提供できなかった、きめ細かなサービスを受けられることになります。市町村ごとの知恵と工夫が、地域の介護サービスを充実させるために、非常に重要になります。
 私は、山側の団地や買い物をするお店が遠い地域の方から、「スーパーなどが近くになく買い物が大変」とのご相談を受けました。この相談を受け、私は買い物支援を真剣に考えるべきだと市に提言。「移動スーパー」試行事業がスタートしました。現在、2つの業者が、日立市との連携により「移動スーパー」を運行し、市内40カ所で買い物支援を実施しています。「今までは、遠くまで歩き、重い荷物を持たなければならない買い物に、とても苦労していたので助かります」と言う声をいただいています。品数は充分とはいかない面もあるようですが、注文を受けて次に届けるなど様々な工夫をして、「移動スーパー」の充実を図っていきたいと思います。今後、ますます高齢化が進む中で、「移動スーパー」は、地域住民の交流の場ともなっていくものと期待しています。

日立市にスモールタウンを実現(公共コンビニ、BRTの活用、空き家条例)
 国では人口減少社会、少子高齢化社会への対応として、歩いて行ける距離の中に公共施設や医療・介護の施設、買い物ができる場所などがあり、地域でのコミニュケーションがしっかりと確保された小さなまちづくり"スモールタウン"構想を標榜しています。日立市にはJRの駅が5つあります。山側には大規模な住宅団地が立地するなど、こうした"スモールタウン"を構築するには、絶好の環境があると私は考えています。その上で、山側の団地には公共交通機関の確保や買い物をする場所の確保などの課題もあり、地域ごとの住みよいまちづくりの戦略が必要であると考えます。
 私は地域の活性化の視点として、特に山側団地をにぎやかにするためには、5つの視点があると考えています。
 その1つは、先ほども「移動スーパー」事業で報告したように、買い物の場の確保です。
 視点の2つ目は、住民票や印鑑証明などの受け取り、銀行や郵便局のような金融サービスの拠点が、地域の中心になくてはいけないということです。そして3つ目は、地域のコミュニケーションを確保できる"つどいの場"が必要だと思っています。こうした機能を集約した「公共コンビニ」を実現したいと思っています。団地の中でも、生鮮食料品も含めて買い物ができるお店があり、そこでは預貯金をおろしたり年金を受け取ったりできる、住民票や印鑑証明の手続きもできる、お店の一角には自由にお茶やコーヒーを飲んで会話を楽しめるスペースがある、そんな地域の拠点づくりを提案したと思います。こうした「公共コンビニ」の整備には、民間の力を存分に活かさなくてはいけません。建物や設備などは、やはり行政が用意しなくてはいけないと思いますが、実際の店舗運営やサービスの提供は民間の事業者にお願いをして、継続性、発展性のある経営につなげていきたいと思います。
 視点の4つ目は、各地域を結ぶ公共交通網の整備です。今、日立市では「ひたちBRT」の工事が進んでいます。平成30年には道の駅・日立おさかなセンターとJR常陸多賀駅がバス専用路線BRTで結ばれることになります。山側の団地からは、このBRTのバス停をアクセスポイントとして、どこでも乗り降り自由のコミュニティーバスを運行させます。これによって地域の"足"を確保したいと思います。
 5番目は、すこし視点が変わりますが、空き家や空き地の対策です。地域を回ってみると、誰も住んでいない空き家がとても目立ちます。美観を損ねているだけではなく、火災や防犯上も大きな問題です。国は、空き家対策などのために固定資産税の仕組みなども、大きく変えることを検討しています。日立市にあっても、条例などで痛みの酷い空き家の撤去などを、所有者に促すことができる「空き家条例」などを真剣に検討すべきです。

そえた絹代市議会議員

人口減少への対応、日立版ネウボラ「子育て世代包括支援センター」の整備
添田絹代 日立の人口減少が叫ばれ、人口の流出に歯止めがきかない現状が続いています。人口減少の理由を、働く場が少ないからとか、日立の企業の元気がないからと決めつけてしまっては、人口減少の本当の原因を見誤ってしまうのではないかと考えます。もし、日立市に魅力があれば、日立から出て行く人はいないはずです。むしろ周辺の市町村から、どんどん日立に新しい人たちが移り住んでくると思います。日立の魅力を高める近道は、子育て支援と教育環境の充実であると私は確信しています。
 「2040年までに、全国896の自治体が消滅してしまう可能性がある」との「日本創成会議」のレポートは、私たちに大きな衝撃を与えました。その消滅可能都市の一つに日立市も上がってしまっています。この日本創成会議の座長であり、総務大臣や岩手県知事も務めた経験のある東京大学公共政策大学院の増田醋薺勸教授は、「(地方創生の)最低限の条件として、地方には学びと雇用の場が必要だ。加えて行政による結婚、出産、子育てに切れ目のない支援も重要になる。今、人口減少が大きな課題になっているが、安心して子どもを産み育てられる環境が整えば、若者が生まれ育った地域で暮らしていく意義も生まれ、郷土の担い手にもなるだろう」と、明確に語っています(公明新聞2015年1月28日付けインタビュー)。
 子育て支援の環境整備では、保育所の整備や、放課後児童クラブの充実に全力で取り組んできました。今年4月からは、日立市の新たな子育て支援の戦略がスタートしますが、私は「子育て世代包括支援センター」を、できるだけ早く立ち上げるべきと考えています。現在、妊娠・出産から子育て期にわたるまでの支援は、医療機関、保健センター、児童相談所、保健所といったような様々な機関が「縦割り」で行っていて、充分な連携はとれていません。このため、ワンストップ拠点を「子育て世代包括支援センター」として整備することが、国の地方創生(地方創生先行型交付金)の中で位置づけられました。「子育て世代包括支援センター」では、保健師等の専門職等が妊産婦等に対して総合的相談を行うとともに必要なサービスをコーディネートし、切れ目のない支援を実施します。また、相談等を通じた評価の結果支援が必要と判断された妊産婦等に対しては、支援プランの策定等をおこないます。
 北欧のフィンランドでは、「ネウボラ」という切れ目ない支援をワンストップで行うための地域拠点を整備し、妊娠や出産等に係る相談支援や他の支援機関との連携を行い、子育て環境を整えています。この日立版「ウネボラ」が「子育て世代包括支援センター」です。
 子育ての金銭的な支援も充実させるべきです。マル福制度は、最低でも中学校卒業まで、外来も入院も拡充します。できれば、18歳まで所得の低い家庭や子どもさんが多くいる家庭、シングルマザー(ファザー)にはマル福を適用できるようにしてはいかがでしょうか。
 常陸太田市が導入している乳児を持つ家庭への「おむつ手当」(毎月2万円を0歳児を持つ家庭に支給)や、鹿嶋市が導入する予定の「子宝手当」(第3子以上の子どもに、月2万円を15歳になるまで支給)も参考にして、日立独自の支援策を検討してもらいたいと思います。

学校トイレの洋式化、エアコン設置、小中一貫教育の推進
 日立市議会公明党は、小中学校の教育環境の充実に全力をあげてきました。東日本大震災を教訓として、小中学校の校舎や体育館の耐震化を、全国で進めてきたのは公明党です。日立市でも耐震化率が9割を超えました。
 その上で、私は学校のトイレの洋式化を進めてきました。トイレの環境は子ども達にとってとても大切です。家庭ではほとんどの子ども達が洋式のトイレを使っています。学校の和式トイレになじめない子ども達もいます。さらに学校施設、特に体育館などが地域の防災拠点として使われることも想定されます。その意味では、お年寄りや障害を持った方の利用も前提として、体育館などのトイレの洋式化を進めていきたいと思います。
 さらに普通教室のエアコンの設置を進めていきます。温暖化の影響で、夏が大変暑くなっています。子ども達の学習環境を整備するために、扇風機の設置は完了しましたが、エアコンの整備を急いで行きます。
 また小中一貫教育の整備も、具体的に進めていかなければならない課題です。すでにつくば市や那珂市では、すべての小学校と中学校を一貫校として整備する計画を進めています。
 これらに比べて日立市の取り組みは、大変遅れていると言わざるをえません。子ども達の個性や能力を伸ばすために、できるだけ早く、小中一貫教育の流れを作っていくべきです。

元気なお年寄りの支援、介護予防の充実
 高齢者の介護の問題は確かに深刻です。しかし、65歳以上のお年寄りで、介護が必要になる方は全体の約2割です。と言うことは、8割が元気な高齢者ということになります。「ピンピン・コロリ」という言葉がありますが、元気に生活され、介護が必要にならない状態で一生を全うする。このような生き方が望まれていることも事実です。
 多くのお年寄りに元気に生活していただくために、私は3つの提案をしたいと思っています。
 1つは介護予防の充実です。茨城には介護予防、リハビリの権威である大田仁史先生がいらっしゃいます。太田先生が考案した「シルバーリハビリ体操」は、お年寄りが体力維持し、たとえ介護が必要になっても残された機能を維持できる大変優れた体操です。この取組は60歳以上の体操指導士が、高齢者の集いなどに出向いて体操を指導するというものです。お年寄りがお年寄りと共に健康増進を図る取組です。全国的にも高く評価されています。日立市でも、"日立市シルバーリハビリ体操指導士会"の皆さまが活発に活動されています。こうした方々の活動をしっかり応援し、このシルバーリハビリ体操をもっと普及させていきたいと思います。
 第2に、元気なお年寄りが集まれる"場"を創出したいと思います。先日、大変寒い日でしたが、相田地区の皆様にご挨拶をしようと回ってみると、多くのお年寄りが「はまぎく荘」に集まって、楽しいひとときを過ごされていることを知りました。はまぎく荘は、日立市が運営する老人福祉センターです。ひろく高齢者のために各種の相談(健康相談・生活指導)や教養の向上、レクリエーション等のための施設です。このように歩いて行ける距離に、お年寄りが自由に集まり、おしゃべりをしたり、お茶やコーヒーを飲んだり、カラオケを楽しんだりできる「集いの場」を作ることが大切だと思います。
 日立市でも地域での交流の場として「ふれあいサロン」が、平成15年からスタートしています。現在、119箇所で毎週1回から月に1回程度、地域の身近な気軽に集まることができる場所で、ボランティア等との仲間づくりをとおして、生きがい支援及び健康の増進の活動が行われています。
このような「ふれあいサロン」を一歩進めて、常設型の「集いの場」を整備していきたいと思います。
 また、テレビで東京都北区の取組が紹介されていました。北区では介護保険のサービスを受けていないお年寄り向けに、400円でランチが食べられる「高齢者ふれあい食事会」を開催しています。一般の食堂・レストランや喫茶店で、400円のメニューが提供されています。当然400円では、お店で赤字が出てしまいますので、その分は行政が負担をしています。「高齢者ふれあい食事会」は、お年寄りが一同に会して楽しく食事をすることによって、食生活の改善及び健康の増進、地域社会との交流や孤独感の解消、閉じこもり予防を目的に行っています。高齢者の対策にもなり、商店街の活性化にも繋がります。こうした事業も日立市で検討するべきだと思います。
 さらに、「いばらきシニアカード」の充実も必要です。昨年12月から、茨城県では「いばらきシニアカード」がスタートしました。これは県議会公明党の提案で実現したものです。お年寄りがこのカードを見せることによって、様々なお買い物や飲食店でのサービスに割引や特典が受けられます。まだまだ利用できる店舗が少ないように思います。このシニアカードが利用できる店舗やサービスをもっと増やしていきたいと思います。
 3番目は、元気なお年寄りがやり甲斐をもって活動できるボランティアの仕組みを作ります。コミュニティやNPOが主体となって、地域毎に買い物や電球の交換、再資源の搬出など軽作業を請け負う仕組みを作ります。そして、お年寄りがサービスを提供すると、一定の報酬を現金や地域通貨、様々なサービスを受けられるクーポン券などと交換できるようにします。高齢者の支援と元気なお年寄りの生きがいの場の創出が、同時に実現します。
 こうしたお年寄りが、一生元気で楽しく住み続けられる日立市を目指していきくべきと提案します。

三代かつや市議会議員

人口減少対策:経済的な子育て支援の拡充を
三代勝也 日立市の人口減少の状況を少し詳しく見てみると、20〜24歳の女性の流出と20〜30代の子育て世代の転出が際立っていることがわかります。ということは、若い女性に魅力のある街づくりをするということと、子育てや教育の環境を整えるということなどが、人口減少の対策になると考えています。
 まず、若い女性に魅力のある日立を作ると言う事は、実は簡単なことではありません。日立はもともと工業都市ですので、小売業やサービス業はあまり発達していません。若い女性にとって働く場所が限られるという地域の欠点があります。だからといって、手をこまねいていてはいけないと思います。この南部地域に、民間のベンチャー企業が若い女子大生などを対象に、地域交流型のシェアハウスを作る計画を進めています。大学で学ぶ若い女性に、地域での行事に参加してもらったり、地域での起業や就職を積極的に支援する取り組みが、すでに始まっています。こうした動きに、日立市も積極的に応援すべきです。また市営アパートや空き家等を若い人たちに格安で提供するなど、今までやったことのないような積極的な政策も検討すべきです。
 子育て世代の支援については、まず第一に、子どもさんの医療費無料化制度(マル福制度)を大幅に充実させることが必要です。4月から、外来も中学校卒業まで医療費の助成を行うことが決まりました。これでやっと他の市町村に並ぶことが出来ました。
 しかし、隣の常陸太田市では、この4月から18歳までの医療費助成を行うと聞いています。これでは、ますます子育て世代のみなさんは日立から出て行ってしまいます。ちなみに古河市では20歳まで、常総市や鹿嶋市でも18歳までの延長を検討しています。
 さらに常陸太田市では、"おむつ手当"と言うことで、乳児(ゼロ歳児)に月2万円の手当を支給しています。日立と同じように重工業が産業の基盤となっている鹿嶋市でも、第3子から 「子宝手当」として月2万円を中学校卒業まで出すとしています。こうした子育てへの金銭的な支援も、財源がないとの一言で済まさず、市役所をあげて検討しなくてはなりません。

新産業の振興:廃炉技術を世界に展開、LNG基地の拡充と水素タウン構想
 人口減少を食い止めるためには、どうしても地域の産業の活性化が必要です。日立製作所の城下町として、長く電機・機械産業が栄えてきた日立市ですが、今までの発想にとらわれず、新たな産業を育てることが大切だと思います。
 先日、福島県のいわき市や相馬市を視察しました。福島県の浜通りでは、東日本大震災の福島第一原発事故を受けて、国が新しい取り組み"イノベーションコースト構想"を推進しています。これは、浜通りに液化天然ガスの大規模なエネルギー基地を建設し、原子炉の廃炉に係わる新たな産業を育成しようというものです。すでに相馬港では、天然ガスのエネルギー基地の起工式が行われています。原子炉の廃炉に関する取り組みも具体的にスタートしています。いわき市役所の担当者は「イノベーションコースト構想は、福島の浜通りだけでは推進することはとてもできません。廃炉の技術やその人材は、茨城県の日立・東海地区に頼らなくてはなりません」と語っていました。
 日本で最初に原子の火がともった東海村。そして原子力発電の大事なノウハウや人材を有するこの日立。私たちは、党を挙げて原発ゼロを目指しています。今すぐに日本中の全ての原発を止めろと言う極端な意見ではありません。しかし、古い原発から、効率の悪い原発から、周辺に多くの住民が住んでいたり、地震の懸念がある原発などから優先して廃炉にすべきだと主張しています。
 その意味では、廃炉の技術はこれからの大きなビジネスチャンスともなると思います。日立・東海地区に集約した廃炉の技術や人材を、地域の活性化のために、福島の復興、日本の新たな成長戦略の中に位置づけるために、日立市もいわき市などとの連携が重要になります。
 また、現在日立港の第5号埠頭で進められている東京ガスのLNG基地が平成27年度中に完成します。日立LNG基地のガスタンクは、地上式のものとしては世界最大級の大きさです。基地が完成すれば、北関東及び首都圏の新たなLNGの供給拠点となるだけでなく、日立港区がエネルギー関連港湾として発展する可能性や、新たなエネルギー関連産業の立地につながることが期待されています。さらに、東京ガスではもう1基現在と同規模のガスタンクの建設を計画しています。
 せっかく1000億円を超える投資を民間の企業が行ってくれたわけですから、日立市としてももっと有効にこのエネルギー基地を活用すきだと考えています。
 日立港からの供給されるLNGガスを利用して真岡市には60万キロワット級のLNG発電所が計画をされています。日立港周辺部にも、大規模なLNGの火力発電所の誘致ができないでしょうか。 また、国は燃料電池を中心とする「水素タウン構想」を進めています。LNGから水素を生成することは比較的簡単ですので、日立市を「水素タウン」と位置づけ、様々な先進的なプロジェクトを誘致すべきです。幸い、水素ガスステーションの技術は、日立市にゆかりの深い「JX日鉱日石エネルギー」が、日本企業の中でも最先端の技術を持っています。こうした企業の力ももっと活用すべきだと提案しています。
 現在整備が進んでいる「ひたちBRT」に、私は燃料電池バスをぜひとも走らせたいと思っています。日製とJXの技術力をもってすれば実現は可能だと確信にしています。

日立版地域包括ケアシステムの構築
 人口減少とともに、日立の課題の一つが高齢化対策です。私は山側の金沢団地に住んでいますが、すでに金沢団地の高齢化率は50%を超えています。国は団塊の世代の皆様が後期高齢期(75歳以上)に達する2025年までに、新たな「地域包括ケアシステム」を構築することを目指しています。
 私は、寝たきりだった父の介護を5年間続けた経験があります。その時の苦労があるから、介護の問題の重要さや難しさがよく分かります。国が進めている地域包括ケアシステムとは、介護だけではなく医療や生活支援(介護予防)、住宅の問題など、高齢者に関わる全ての問題を地域で解決していこうという取り組みです。
 その中でも最も重要な存在が「地域包括支援センター」です。例えば、認知症のお年寄りを地域でどのようにサポートしていくかを考えたとき、施設やヘルパーさんなどの介護支援だけではうまくいきません。医療的な治療も不可欠。これはお医者さんの役割です。その方が一人暮らしだったとすれば、年金や生活保護といった行政面での支援も必要になり、市役所や民生委員の皆様に支援をして頂けなければなりません。徘徊したり、暴力を振るうようになれば、警察などのお世話にならなくてはならないかもしれません。地域全体での見守りも必要ですから、自治体やコミュニティの皆さんにも関わっていただく必要があります。こうしたお年寄りをめぐるすべての相談や支援の窓口・拠点が「地域包括支援センター」なのです。高齢者が、何か困ったことがあったら相談できるワンストップ窓口が「地域包括支援センター」です。
 すでに日立市では、6箇所が指定されています。その大部分が別養護老人ホームなどに位置づけられています。医療や行政のサポートの充実を図るためにも、日立市は予算や人材などさらに充実させなくてはいけません。地域コミュニティとの連携も、日立市がしっかりと指導していくきです。
 幸い南部地域は、しっかりとした介護事業者が多く、また訪問医療を行っているお医者さんもいます。生活支援を行っているNPOなども活発に活動しており、私は日立市における地域包括ケアシステムのモデルケースを、この南部地域に構築したいと考えています。

下山田みきこ公明党日立支部副支部長

子育て支援の充実
下山田幹子 私はこれまで21年間、PTA活動や日立市青少年相談員、青少年育成推進会議の一員として、青少年の健全育成のための活動をしてまいりました。その中で経験し、感じてきたことを原点として、子どもから高齢者まで安全・安心に暮らせる「ひとに優しい地域づくり」 、若い人たちが一生住み続けたい「活力あるまちづくり」を目指して、働いてまいりたいと考えています。
 今、子どもたちの環境は、核家族の上に働く母親も多く、親子のふれあう時間がとても少ない状況です。ひとり親家庭も少なくありません。そのような中で、心豊かな子どもに育てるためには地域の支援が、どうしても必要です。
 学校・家庭・さらに地域ぐるみの心の豊かな青少年の育成のために、これからどのような制度、環境づくりが必要なのか、皆様のご意見をいただきながら、真剣に取り組んでまいります。
 子育て中のお母さん方からの要望の一つには、子ども医療費の無料化です。日立市においても、今年4月から中学3年生までの入院・外来医療費が無料となり、大きく前進すると伺っています。
 しかし、常陸太田市、古河市、鹿嶋市、常総市などが、高校を卒業するまで(18歳まで)の医療費助成を始めると聞いて、本当に驚いています。
 つい最近も、あるご婦人と話をしていましたら、その娘さんが結婚を契機に新しいアパートを探していると、「常陸太田では3年間の期限付きですが、民間のアパートを借りると毎月2万円の家賃補助が受けられる」と言う事を友人から聞いてきて、会社がすこし遠くなっても常陸太田のアパートに入ってしまったと言う事をうかがいました。とてもショックでした。
 私は、日立市の福祉のレベルは、茨城県内でトップクラスだと今まで思っていましたが、このような話を聞くととても恥ずかしくなってしまいました。
 また、放課後児童クラブの時間延長も、しっかり提案をしていきたいと思います。現在、日立市内で授業が終わった後の子どもさんを預かってくれる放課後児童クラブは、夕方6時まで開設されています。しかし、働いているお母さん方が6時までに迎えにいくのは厳しい場合もあります。また夏休みなどは朝8時から預かってくれます。しかしこれも、朝8時では仕事に間に合わず、子どもを始まるまで校庭で待たせておかなくてはなりません。終わる時間も、始まる時間も、できれば利用する保護者の目線から考えて、30分から1時間程度延長することが必要です。平成27年度から、放課後児童クラブの運営は、日立市の直営から、保護者と指導者の運営協議会に移行されます。そうすると、クラブごとに格差が生じる心配もあります。市がしっかりと各クラブを支援する体制も大事です。

高齢者支援の拠点「地域包括支援センター」の充実、認知症への対応
 日立市は、茨城県の平均に比べても高齢化が進んでいます。2010年に4人に1人が65歳以上の高齢者だった日立ですが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢期に達する2025年には、3人に1人が高齢者という状況になります。特に日立市の特徴は山側の団地が一挙に高齢化するということです。青葉台団地、堂平団地、中丸団地、金沢団地、塙山団地など軒並み高齢化率が5割を超える地域が出現します。
 高齢者が地域で安心して暮らせるよう、お年寄りを見守る一番最前線の人材の確保など、「地域包括ケアシステム」の構築に全力で取り組んでまいります。「地域包括ケアシステム」とは、地域のお年寄りに対して介護サービスだけではなく、寝たきりにならないための保健サービス(健康づくり)、医療サービス及び訪問医療、家事支援・外出支援などの福祉サービスを、関係者が連携、協力して、地域住民のニーズに応じて一体的、体系的に提供する仕組みのことです。「地域包括ケアシステム」の原点は、広島県御調町(現在は尾道市)にある国保病院(公立みつぎ総合病院)にあるといわれています。昭和50年代初め、例えば外科手術後にリハビリを受けて退院した患者が、在宅復帰後に寝たきり状態になることを防ぐために「出前医療」を始めたのがきっかけとなり、昭和59年国保病院に健康管理センターを設置され、御調町の保健と福祉に関する行政部門を病院長の元で一元的に管理運営をするようになりました。その後、さらに介護施設、福祉施設等を順次病院に併設して、「地域包括ケアシステム」の原型が出来上がりました。
 「地域包括ケアシステム」で一番重要なのは、その中核である「地域包括支援センター」です。介護のサービスや、医療、生活支援、住宅などこの「地域包括支援センター」に専門家を配置し、お年寄りの様々な要望にも応えられる体制を作ることが必要です。そのためには単に介護や医療関係者だけではなく、コミュニティの参加がどうしても必要になります。様々な課題を持ったお年寄り一人ひとりに光を当てて、介護事業者、訪問医療に携わる方々、コミュニティの関係者や民生委員の方々など、地域の皆さんが集まってどのようなサービスが提供できるのかを話し合う「地域ケア会議」の開催が重要です。そして、その中心は地域包括支援センターとしっかり連携が取れた、コミュニティであると考えています。
 また、今すぐにも取り組まなければならない課題が、認知症の対策です。認知症のお年寄りは年々増加し、2025年には470万人に達する見通しです。これを踏まえ、保健師や介護福祉士などの専門職が家庭訪問して自立生活をサポートする「認知症初期集中支援チーム」を、早期に日立市でも立ち上げなくてはなりません。このチームは、認知症対策で最も重要な初期の支援を包括的・集中的に実施します。認知症を重症化させないためには、出来るだけ早期の対応が必要になるのです。
 この4月から介護報酬が9年ぶりに引き下げられます。介護報酬とは、介護保険の制度の中で介護事業者に支払われるサービスの対価(報酬)のことです。報酬が引き下げられれば、介護サービスの低下につながると、一部の政党は悪宣伝をすでにはじめています。
 平成27年度の国の予算案では、介護報酬を2.27%引き下げるとしていますが、介護報酬を引き下げれば、介護保険料と、介護保険を利用する際の自己負担額が抑えられるメリットもある事を忘れてはいけません。今回のマイナス改定により、65歳以上の介護保険料は値上げ幅を230円圧縮でき、全国平均で月額5550円程度になる見込みです。ちなみに日立市の介護保険料は、現在精査中ですが、月額平均4300円が5000円弱程度になります。
 一方、介護報酬が減れば、ヘルパーさんなどの介護職に支払う給料も減らされるのではと心配する声があります。この点については今回、介護職員の処遇改善に取り組む事業者への加算を拡充されています。介護職員の給与は月額1万2000円程度引き上げることができるようになっているのです。
 日立市には介護職員の確保、待遇改善、資質の向上に全力を挙げてもらいたいと思います。

若者の力を活用し"日立のまちおこし"を
 先ほども述べましたが、私は長く青少年の健全育成に関わってきました。青年の純粋で熱い心と、その行動力には目を見張るものがあります。日立の活性化に、私はもっと若者の力を借りるべきだと思っています。
 先日、「茨城版の地域おこし協力隊(エポック)」の皆さんと話し合いのひと時を持つことができました。昨年10月に茨城県が、全国の若者に呼びかけて、この県北地域の魅力を発信するために作ったのが、エポックです。東京大学と新潟大学の大学院を卒業した2人の優秀な青年が、県北地域の元気な企業と大都市の大学生とも結びつけるインターンシップの取り組みに全力をあげています。
 茨城には、日立には、素晴らしい魅力のある中小企業がたくさんありますが、全国的にみるとこれがあまり知られていません。エポックの2人は、全く新しい方法で、この魅力ある中小企業と全国の若者を結びつけるために活動しています。この2月から具体的に6つの地元企業に、県外の若い方々が1カ月程度インターンシップに来られると伺いました。地道な活動ですが、今までにない発想や取り組みは、日立市のこの閉塞した状況を破る力になると期待しています。
 さらに私は、日立市も国の地域おこし協力隊の仕組みを使って、全国の若者の知恵を日立のまちづくりに生かす取り組みが出来ないかと考えています。例えば夏休みに「日立まちづくりサミット」(仮称)を開催します。全国から100人ぐらいの若い学生さんを募集し、1週間ぐらい日立市に泊まり込んでもらいます。そして、地元の若者も巻き込んで、様々な日立の活性化の提案を検討し、話し合ってもらう。1週間、日立で缶詰めになって様々なアドバイスを頂くわけですから、宿泊料や様々なイベントの費用は、日立市が提供します。若い方々にその柔軟な発想で日立の町おこしの意見をいただく、そして、日立に来てくれることで、日立の若者と交流することで、その魅力を十分に知っていただきたいと思います。このサミットをきっかけに日立で就職を考えたり、起業する人が出れば、こんなすばらしいことはないと思います。