国民健康保健の運営主体を市町村から都道府県に移行
イメージ 3月3日、政府は持続可能な社会保障制度の確立を図るために、医療保険制度改革関連法案を提出しました。農家や自営業、無職の人が加入する国民健康保険の運営を、市町村から都道府県に移して赤字を少しでも改善することなどを柱とした医療保険制度の改革が、いよいよ本格的に動き出します。
 国民健康保険は高齢の加入者が多いため、医療費が増え続ける一方で、保険料を支払う若い世代では、所得が低い人や無職の人が増え、集まる保険料が減っています。このため、多くの国民健康保険組合が赤字となっていて、組合を運営する市町村はその赤字分を税金で補填しなければならず、大きな課題となっています。
 今回の改革では、財政を安定させるために、2018年度に国民健康保険組合の運営を市町村から都道府県に移すとともに、税金で年間合計3400億円を補助することにしています。
 国民健康保険の改革以外では、75歳以上の高齢者の医療保険を支えるために現役世代が出している「支援金」の分野で、大企業の健康保険組合(いわゆる社会保険:社保)の負担分を増やします。このため、大企業の社員の保険料も上がる見込みです。
 一方、患者側にも負担を求めます。入院の際の食事代を今の1食260円から、段階的に引き上げて、2018年度には、1食460円とします。ただし、住民税非課税世帯の人などは、公明党などの主張を受け入れ据え置きます。
 また、大病院を救急や高度な医療に専念させるため、2016年度からは、紹介状なしで大病院を受診する場合は、5000円から1万円の自己負担を求めることにしています。
 さらに、国内未承認薬などを迅速に、保険外併用療養として使用したいという患者の思いに応えるため、患者の申し出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組み(申出療養制度)を、16年度から実施します。安全性や有効性の審査期間は、前例のない場合は原則6週間、過去に例がある場合は原則2週間とします。従来、前者の場合は6カ月程度、後者で約1カ月を要していたので、迅速な審査で患者に医療を提供できることになります。
 このほか、体重管理などに自主的に取り組む人には、健保組合が「ヘルスケアポイント」を付与するなど、健康づくりの促進も図ります。
 政府は、現在開会中の通常国会で関連法の改正をめざします。
 世界に誇るべき日本の医療保険制度(国民皆保険)を持続可能なものとし、全国民に質の高い、効率的な医療を提供していくことが何よりも重要です。しかし近年、少子高齢化の急速な進行などによって、医療のあり方そのものに変化が求められています。
 運営主体が都道府県に移ることによって、財政の安定化や国保保険料の格差が是正されます。市町村国保は国民皆保険の基盤として重要な役割を果たしていますが、医療を必要とされがちな高齢者の加入が多く、年間3000億円を超える赤字が続くなど、構造的な問題を抱えています。
 現在の市町村ごとの運営では、財政面で不安定になる危険性が高いため、公費拡充で財政基盤の強化を行った上で、2018年度から国保の財政運営を都道府県に移し、国保制度を安定させることにしています。
 今回の国保改革では3400億円の財源を追加投入し、財政基盤の強化を図ります。これにより、赤字解消や保険料の伸び幅の抑制が期待できます。
 負担の公平化や医療費適正化の推進などが法案に盛り込まれていますが、これらは国民皆保険を今後も堅持し、持続可能な制度としていくためにも、今、必要な改革であると考えます。今後も公明党は、国民が納得し、信頼、安心できる医療保険制度の構築を進めていきます。