久保田時治氏の講演会の模様 4月20日、茨城県議会議員の有志は超党派で、久保田時治氏を講師に迎え特別講演会を開催しました。久保田氏は、石岡市の非常勤特別職の参与、常陽産業研究所フェロー(3月末から休職中)、茨城新聞客員論説委員などを務めています。1級建築士で都市プランナー、コミュニティーデザイナーなど多彩な活動を行い、茨城観光庁長官、地域振興アジテーターなど茨城県の元気づくり、地域の振興に大いに尽力されてきました。
 講演会で久保田氏は、道州制の導入を控えて関東近県との広域連携の重要性を強調。特に千葉県との連携について「東関東州、俗にチバラキの形成には注目すべきです。そのためには、利根川という交通の障害を超えるための事業を優先させるべきです」と語りました。
 また、「茨城空港は大化けする」との持論を展開しました。「茨城空港は短期的にはセカンダリ空港との有用性は高い。羽田、成田などのプライマリー空港に対して、茨城空港は基幹空港を補い機能を持っている空港です。羽田、成田は乗り入れたい空港会社が数多く就航したがっている。反面、就航できる便数には限りがあるた、機材(飛行機)が大きくなてしまう。小さな機材、ビジネスジェットの需要増大に対応すべきです。セカンダリー空港は非常時、緊急時の補完空港です。3・11(東日本段震災)の時、成田、羽田がクローズされましたが、茨城空港は真っ先に再開されました。燃料が逼迫していた2社の飛行機が緊急着陸しました。すでに茨城空港は首都圏では無くてはならない空港なのです。今後の発展を考えれば、空港の一体経営が課題。本来であれば、羽田、成田、茨城の3空港を一体的に運営するべきです。現在、成田空港は成田空港会社が、法律に基づいて運営されていますが、法律を改正して首都圏の3空港を一体的に運営できれば、二重投資や無駄を省き、効率な経営ができます」と熱く語りました。
久保田時治へ花束贈呈 続いて、茨城の交流人口の拡大戦略に言及。茨城県のブランドイメージが連続全国最下位ということに対して、「イメージがはっきりしている。逆一位に他なりません。この順位は、東京のシンクタンクがつくった物差しでのランキングです。東京の人たちが物珍しいところが高い順位にある。東京の人にとって、非日常の都道府県が高順位になる。茨城は“身近”すぎる。逆に言えば、茨城は“身近な”がキワードとなります」と、発想の転換を訴えました。その上で、恋の聖地ネットワークとして、44市町村すべてのハートマークがある。いばらき花街道計画として、茨城県全体をフラワーパーク化にする。さくら回廊、うめ回廊計画などを提案しました。
 まとめとして久保田氏は、これからの行政の仕事のあり方について、「PDCAサイクルからDPSEサイクルに変えていかなくてはならない」と訴えました。PDCAサイクルとは、プラン(計画)=ドゥ(実行)=チェック(確認)=アクト(改善)という仕事の進め方です。一方、DPSEサイクルとは、最初にドゥ(実行)から始まり、プログラム(定型化)=スタディ(研究)=エクスパンド(拡大・発展)という、まず行動ありきという積極的な攻めの姿勢です。「まずいいと思ったことは、行動からスタートさせる。これを皆さんに訴えたいと思います」と締めくくりました。