田んぼ 5月19日農林水産省は、耕作放棄地などを借り受け、意欲ある農業者約する農地中間管理機構(農地集積バンク)が本格始動した2014年度の実績を公表しました。
それによると、機構を通じて貸し付けなどが行われた農地面積は約3.1万ヘクタールにとどまり、借り手側の需要面積である23万ヘクタールと大きな開きがあった。
 農業の生産性を高めるために農地の集約や大規模化を求める声は根強くあります。しかし、農地を人に貸し出すことに不安や抵抗感を抱く農家は多いため、借り手側の旺盛な需要に応えられないのです。農水省は機構による農地所有者への働き掛けが乏しかったことや、制度の周知不足なども課題に挙げていまさ。機構は、初年度で明らかになった課題を早急に解消する授業があります。
 機構の利用を農地所有者に促すには、優良な事例の発信が求めらます。成功した事例を紹介し、機構の利用が貸し手と借り手の双方に大きな利点があることが理解してもらえれば、農家の決断を促す契機となります。
 農水省によると機構の利用が多い地域は、住民が協力して作業を行う集落営農が盛んで、地元の話し合いが活発な地域と重なっています。機構の利用が少ない地域には、機構の職員が積極的に農家への説明に出向き、制度の利点を伝えることも重要です。丁寧な話し合いを重ね、農家との信頼関係ができれば、農地貸し出しの不安解消にもつながります。
 機構の事業と、市町村が作成する「人・農地プラン」事業との連携も必要です。同プランは、地域の農業を、誰が担い、どう進めるかを地域で話し合って、まとめるものです。機構のめざす方向と共通する部分も多く、同プランとの連携強化は、機構と行政、農業者らの関係を深めるのに役立つはずです。
 一方、茨城県での「農地中間管理機構」の県内での貸し付け実績も、年度目標の約4分の1にとどまっています。そのため、県などは本年度から農協OBを活用するなど、より地域に根差した周知活動を進め、事業の活性化を図る方針です。
 茨城県では昨年4月、県農林振興公社が指定を受け、1500ヘクタールを貸し出す集積目標を掲げました。農林振興公社は、昨年度末までに借り入れ希望の募集を3回行い、1551件の個人・法人から約1万910ヘクタール分の応募がありました。しかし、土地の確保が追いつかないことなどから、貸し借りが成立したのは348ヘクタール分で、目標の約23%にとどまりました。
 貸し出す土地が集まらない理由として、長年放置された耕作放棄地を貸し出しに適さない土地として除外したほか、事業開始初年度で、規模を縮小する農家などへの浸透が十分に図られなかったことが挙げられています。さらに、農地の貸し出しに対する不安や、貸し出す場合でも顔の見える相手に直接貸したいといった農家の思いが背景にあるといわれています。
 農林振興公社は「農地への愛着から他地域から参入しようとする人に手放さないケースも多い。また農地の貸借には、貸し手と借り手の信頼関係構築が不可欠であるため、スムーズにいかない事もあった」と総括しています。
 このため、本年度は5月中旬に農地借り入れの募集を始め、通年で受け付けるほか、県内5カ所の農林事務所に、地域の農業事情に詳しい農協OBを駐在員として起用。制度の周知を図り、農地集約の円滑化を目指しています。集積目標は前年の2倍の3000ヘクタールを掲げています。