サクラ花制作記者会見
 5月30日、井手よしひろ県議と八島功男県議は、阿見町内で行われた映画「サクラ花(ばな)〜桜花最後の特攻〜」の制作記者会見に出席しました。
 「サクラ花」は、太平洋戦争末期、鹿嶋市と神栖市にまたがる神之池(ごうのいけ)海軍航空隊(神雷部隊)で操縦訓練が行われていた人間爆弾「桜花」(おうか)を題材にした映画です。6月にクランクインし、9月の公開を目指して制作が本格化します。メガホンを取るのは、五浦での岡倉天心の活躍を描いた映画「天心」で、茨城県には造詣が深い松村克弥監督です。
松村監督と出演者 終戦直前、鹿児島県の鹿屋基地から沖縄の最前線に向けて、人間爆弾「桜花」を搭載して飛び立った一式陸攻の搭乗員8人の悲劇が描かれます。
 主演は緒形直人と大和田健介さん。橋本一郎、奥野瑛太、佐久間悠、城之内正明、三瓶、三山ひろしさんらが搭乗員役を務めます。茨城出身の渡辺裕之、磯山さやからも特別出演。映画化に感動した海老名香代子さんが主題歌「桜舞う日は」の作詞を行い、娘の泰葉さんが作曲と歌を担当しました。林家三平さんも出演します。ナレーターは役所広司が務めます。この日の記者会見には、松村監督を始めとして、緒形さん、大和田さん、橋本さん、奥野さん、佐久間さん、城之内さん、三山さんが出席しました。
桜花を搭載した一式陸攻 「桜花」は全長約6メートル、両翼を含めた全幅約5メートルの小型機ロケットです。先端に1トン前後の爆弾を積み、中央部に座席、後部に推進用のロケットを搭載しています。一式陸上攻撃機に搭載して出撃して敵艦などの上空で放たれ、滑空して敵艦に体当たりします。着陸を想定せず、車輪は付いていませんでした。
 神之池基地での訓練後、神雷部隊は1945年始めには出撃に備えて鹿屋基地に移りました。「桜花」搭乗員を含め部隊全体で800人以上が戦死したといわれています。
 この物語は、終戦間近な昭和20年6月22日、最後の特攻に沖縄戦線に向かう機中の人間模様を通して、戦争の悲惨さ、残酷さ、そして平和、命の尊さなどを訴える内容です。記者会見会場には、巨大な一式陸攻のセットの製作が始まっていました。
 会見で松村監督は、自身が関わったドキュメンタリー番組で人間爆弾「桜花」の存在を知ったと語り、「この物語を通して、茨城の忘れられた戦争の歴史を留めおき、家族や平和への思いを凝縮させたい」と制作に至った心情を語りました。
 戦後70周年の節目の年にあたって、その完成が期待される作品です。

サクラ花ポスター