日本国憲法制定に唯一反対した政党=共産党
帝国憲法改正案 日本共産党は、今回の平和安全法制の関連法案について“戦争法案”であるとレッテルを貼り、「日本の若者が“殺し、殺される”」危機に瀕していると世論を煽っています。そして、「共産党は憲法を守り、憲法違反は許しません」と強調しています。
 果たしてこうした共産党の主張は、信用に値するのでしょうか?その答えは「No!」です。

 そもそも共産党は1946年の日本国憲法の制憲議会において、唯一、現行憲法の制定に反対した政党です。その反対理由は、天皇条項とともに、第9条を真っ向から批判して、当時の野坂参三議長は「われわれの考えでは、戦争には正しい戦争と不正の戦争との二種類がある」(取意)と述べました。そして、第9条に対し、「一個の空文にすぎない」とコキおろし、「民族独立のためにこの憲法に反対しなければならない」と表明しています。

 共産党の今日に至るまでの路線・政策の根幹となっているのは「61年綱領」(1961年制定)です。この61年綱領では、現行の資本主義の枠内での「民主主義革命」の実現、それを“連続的に急速にひきつづき発展させ”て「社会主義革命」を実現させるという「二段階連続革命」論を掲げています。それに基づき、安全保障政策としてまとまった方針を発表したのが、「日米軍事同盟の打破、沖縄の祖国復帰の実現=独立・平和・中立の日本をめざして=日本共産党の安全保障政策」(「赤旗」1968年1月8日付)と題する政策です。この68年の安全保障政策では、「現在の憲法のもとで、国が軍隊をもつことは正しくない」としながらも、「将来、日本が独立、民主、平和、中立の道をすすみ、さらに社会主義日本へ前進する過程で、日本人民の意志に基づいて、真に民主的な、独立国家日本にふさわしい憲法を制定するために前進してゆくことは、歴史の発展からいってもとうぜんのことである。そして、そのとき日本人民は、必要な自衛措置をとる問題についても、国民の総意に基づいて、新しい内外情勢に即した憲法上の扱いをきめることとなろう」と述べています。
 そして、アメリカとの軍事同盟がなくなり、自衛隊も解散させた後の、日本防衛の問題について、「(共産党は)これまで、自国を外国の侵略から守る固有の権利を持っていることを否認したことは一度もない」「他のすべての主権国家と同じように、かちとった政治的独立を守るために、必要適切な自衛の措置をとる完全な権利をもっている」と強調しています。
 また、1973年12月の第12回党大会で決定した「民主連合政府綱領についての日本共産党の提案」でも、こう明記していました。「日本共産党は、将来、日本が独立、中立、民主の道を進み、さらに社会主義日本をめざして前進していく過程で新しい憲法が必要となったさい、国民の総意にもとづいて、最小限の自衛措置をとり、憲法上のあつかいもきめることを主張している」と。
 不破哲三元委員長の実兄の上田耕一郎外交政策委員長(当時)も、「民主連合政府のときはいまの平和憲法はいじくらない、……やがて社会主義へ進むときには国民の総意にもとづいてニッポン国は憲法を改正することになる。……そしていまの自衛隊は、それまでの段階ですでにクビ、つまり解散させられている。中立自衛のための軍隊をあらためて持つことになる」(「週刊サンケイ」臨時増刊73年3月6日号)と語り、自衛隊解散後に「軍隊をあらためて持つ」と明言しているのです。
 不破委員長(当時)も、劇作家の井上ひさし氏との対談集「新日本共産党宣言」の中で、「(自衛隊解散時に)日本の主権をおかすような相手があらわれてきた場合には、主権侵犯を許さず、あらゆる手段をつくして自衛の措置をとるのは、日本の国民がもっている固有の権利です。……異常な事態が、万が一にもすすみはじめたとしたら、そのときには、異常な事態に対応する特別の措置として、緊急に軍事力を持つなどの対応策をとることが必要な場合も出てきます。憲法は『戦力』の保持を禁止しているが、異常な事態に対応する場合には、自衛のための軍事力を持つことも許される」とし、「自衛の措置」=自国防衛戦争を当然視し、そのための「自衛のための軍事力を持つ」と明言しています。
 不破氏は、かつてこうも語っています。「もちろん、憲法の非武装政策や中立政策は恒久的な固定的なものではない。……国内で帝国主義の政治的・経済的基礎が一掃され日本帝国主義の復活の危険が消滅した時期に、自衛のための軍備の問題が日程にのぼってくることが当然予想されるが、この問題はおそらく社会主義憲法への全面的変革のなかで合法的に解決することができよう。その意味で『憲法の平和条項の完全実施」という政策はあきらかに過渡的性格を帯びている」(「現代の理論」1959年)と。つまり、憲法の「平和条項(憲法9条)の完全実施」は“過渡的”なものであり、「非武装・中立」は“恒久的・固定的”なものではない、社会主義憲法下で「自衛のための軍備」=自衛軍創設という問題が起きてくる、と端的に述べているのです。

共産党のいう「自衛軍」は共産党を守る『私兵』
 さらに不気味な伏線も張られています。「61年綱領」で、現行憲法下の自衛隊は違憲であり、解散させるが、将来、自分たちが国家権力を握ったあかつきには、社会主義日本の憲法を制定し、「必要適切な自衛の措置」すなわち「自衛軍を創設する」と明言した上で、その自衛軍は、「かちとった政治的独立を守るために」につくられると言っていることです。
 これは正に、共産党政権擁護のための「私兵」としての軍隊の存在を指しています。現に共産党の宮本顕治元委員長は「人民の統一戦線政府を樹立した場合、反革命内乱者を反徒とよべることは、統一戦線政府にとって政治的にも、法律的にも有利だ」(「日本革命の展望」)と力説しています。他の共産主義国家と同じように、共産党政権を守るためには、自国の国民にも銃を向けるのが、共産党が想定する“自衛軍”の姿なのです。共産党の革命政権下で発足する“自衛軍”は、反共産党勢力を一掃するための強力な弾圧の手段として使用される恐れがあるのです。

 共産党はいま「憲法9条を守れ!」と盛大に叫んでおり、国民の前で“護憲の党”のフリをしているにすぎません。しかし、元来の「中立・自衛」政策は、当面・護憲であっても、先行き・現憲法廃止(9条も廃止)し社会主義憲法を制定して自衛軍発足を意味するものであり、目下の国民向けの大宣伝とまるで正反対の矛盾する欺臓的態度だと断じます。