平和国家の根幹は不変、新3要件は自国防衛のため

 7月27日、国民を守るための隙間のない安全保障体制を整備するとともに、日本の国際貢献を進めるための「平和安全法制」の関連法案が、参院本会議で審議入りしました。
 質問に立った公明党の荒木清寛参院政策審議会長は、わが国を取り巻く安保環境が厳しさを増していることについて「(政府と)認識を共有する」と述べた上で、その変化に対応するためには平和安全法制によって日米防衛協力体制を強化する必要があると訴えました。
 答弁で安全保障環境の変化について安倍晋三首相は、中国の軍備増強や海洋進出のほか、北朝鮮の弾道ミサイルの関連技術が飛躍的に高まっている点などを挙げ、「地域の安全保障に与える脅威が深刻化している」と指摘。「(平和安全法制は)安保環境が厳しさを増す中、国民の命と幸せな暮らしを守るために必要不可欠なものだ」と強調しました。
 また、荒木氏は、「戦後70年間、わが国は憲法の下で、専守防衛に徹し、他国に脅威を与える軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」とし、「この根幹は一切変えるべきではない」と強く主張しました。これに対して安倍首相は「わが国の平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはない」と答えました。

 一方、荒木氏は、今回の「平和安全法制」は(1)憲法第9条、第13条との適合性(原理)(2)「自衛隊派遣の3原則」などの法制度(原則)(3)政策判断(視点)―の3段階で成り立っていると指摘。その上で、自衛隊を派遣する際の政策判断の基準として(1)日本の主体的判断(2)自衛隊にふさわしい役割(3)平和外交努力と相まっての判断―の三つの視点が重要であり、これを政府の方針とするよう求めた。安倍首相は「法律の要件が満たされれば、必ず自衛隊を派遣するわけではない。(指摘の3点を)重要な視点として慎重に政策判断を行う」と答えました。

 さらに荒木氏は、自衛の措置の新3要件により自衛隊に武力行使が認められる「存立危機事態」について、「新3要件はあくまでも自国防衛のための要件であり、憲法の専守防衛の大原則の枠内だ」と述べ、首相の見解をただしました。安倍首相は、新3要件に許容されるのは、「わが国を防衛するための自衛の措置に限られる。あくまでも憲法の精神に則った専守防衛の枠内だ」と語りました。

 このほか、荒木氏は、公明党が与党協議の中で提起した自衛隊の海外派遣の3原則が法案に具体的にどう盛り込まれているかや、国会承認のあり方などについても質問しました。