「自宅の修理、当分できず」、国による支援制度の執行急げ
 茨城、栃木、宮城3県で計8人の死者を出すなど、各地に大きな爪痕を残した関東・東北豪雨。電気、水道、ガスといったライフラインの復旧作業はほぼ完了し、今後は具体的な生活再建に向けた支援に移ります。鬼怒川の堤防決壊などで多数の家屋が浸水被害に遭った茨城県常総市を中心に、公明新聞が被災地のいまを追いました。今回は、常総市内で避難生活を続ける住民にスポットを当てました。

生活再建の課題
水没した民家 茨城・常総市決壊した鬼怒川の堤防から約3キロ離れた常総市三妻地区。「知り合いの人たちに助けられて、自宅の片付けが落ち着いてきました」と、戸建ての自宅を構える山信子さんは、夫の晃さんと語ります。
 娘夫妻と孫の計7人で住んでいた自宅は、今回の豪雨により、1階部分が2メートル近く浸水しました。「畳を2階に上げる暇もなかった」と当時を振り返ります。「住宅ローンが、まだ数年残っている。どうやって再建すればいいのか……」と肩を落とします。近所に住む横倉文雄さん、よし子さん夫妻の自宅も同様、浸水した1階の床板は外され、感染症予防や乾燥を促すため、市から無償配布された石灰や消毒薬がまかれています。「素人目には乾いているように見えるけど、一度水に漬かると改築を始めるには少なくとも3カ月は掛かる」と語っています。
 山さん、横倉さんとも現在、民間建設会社(大東建託)が被災者を対象に独自に行っている支援(既に受付を終了)により、家賃・光熱費など諸経費が3カ月間無償の賃貸住宅で避難生活を送っています。しかし、「先行きは不安」と口々に語っています。
 関東・東北豪雨による茨城県内の住宅被害状況は、4日午後4時時点で全壊家屋は50件(全て常総市)、床上1メートルまで浸水するなどした「大規模半壊」は1035件、家屋の損害割合が2割以上の「半壊」は2808件に上っています。甚大な被害を受けた常総市は全半壊合わせて3737件。常総市内の被害調査は戸建て住宅のみで、今後、集合住宅の調査も進めば、被害件数はさらに増える見込みです。
 多くの被災者にとって、最大の課題である住まいの再建です。特に、常総市では「被災者生活再建支援法」に盛り込まれた住宅の被害状況に応じた支援金の支給や、「災害救助法」による住宅の応急修理制度の基となるり災証明書の早期発行を求める声が圧倒的です。常総市では、り災同証明書の発行を10月1日から始めているものの、申請者全員に行き渡るまで、まだまだ時間を要します。
災害廃棄物処理や感染症対策も
 泥水をかぶった災害廃棄物の集積所では、分別作業が急ピッチで行われています。今、住まいの確保と併せて、被災地で課題になっているのが、浸水した家財など膨大な災害廃棄物(がれき)の処理です。当初は被災者が個々に市内の集積場に運搬したため、一般廃棄物と産業廃棄物の分別がなされないまま、集積所に山積み状態となりました。常総市では、こうした廃棄物の早期撤去を加速化させています。このほか、被災家屋で片付けなどのボランティア活動をしていた男性が、傷口から菌が入る「破傷風」と診断されたこともあり、感染症の拡大も懸念されています。

常総市・JA常総ひかり山口代表視察
公明、避難所整備など全力
 こうした中、公明党は、常総市で鬼怒川の堤防が決壊した9月10日から被災地域の現地調査を開始。被災者に寄り添った活動を続けています。10日午後には、長沢広明参院議員と岡本三成衆院議員が井手よしひろ県議、遠藤正信常総市議らとともに常総市に急行し、避難者を激励しました。中島亨一市議は、市内の水海道小学校での体育館の避難所開設・運営に携わるなど、被災住民に寄り添ってきました。
 その後も、山口那津男代表や石井啓一政務調査会長らが茨城県入り、被災者から要望を聞いています。
 また、公明党議員のネットワークを最大限に発揮し、ポンプ車による排水作業の早期実施をはじめ、周辺市の公明党議員と連携し、被災者の一時避難受け入れ先の情報共有、避難所内で過ごす住民のプライバシー保護のための間仕切り用段ボールの早期設置などを提案し、実現。国レベルでは、政府に対し早期復旧・復興に向けた申し入れを行ってきました。
 こうした公明党の働きかけにより、国の被災者生活再建支援法が適用された常総市や境町以外の市町村でも、県独自の制度で同等の支援が受けられるようになりました。さらに、水没して使えなくなった自動車を買い替える場合の自動車取得税が、免除されることになりました。
(このブログは、2015年10月6日付け公明新聞の記事をもとに掲載しました)