井手よしひろ県議 公明党は9月25日、2017年4月に消費税率を10%に引き上げる際の負担緩和策として、財務省が示していた還付案に反対すると表明しました。併せて、公明党が一貫して訴えている、生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率の方が効果的だと主張しました。
 安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表は、9月25日の党首会談で、消費税率が10%に引き上げられる17年度の導入をめざすことを確認しました。15年度税制改正大綱に沿って与党間の議論を進めることになります。
 自民、公明の与党両党は、14年末に行われた衆院選の連立重点政策に「軽減税率については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入します」と明記し、選挙戦に勝利しました。財務省案は国民の求める軽減税率とは程遠く、とうてい受け入れられ内容ではありませんでした。
 財務省案は、全商品に一律10%を課した上で、後から酒類を除く飲食料品を対象に消費税率2%分を還付する方式です。しかし、これでは消費者が購入時に税負担の重たさを感じる、いわゆる痛税感が緩和されません。他にも、(1)消費者が事務手続きを行う(2)マイナンバー制度が円滑に実施できるか見通せない(3)個人番号カードを持ち歩く不便さと紛失の恐れがある(4)買い物時にカードを持っていないと記録されない(5)カードの読み取り端末の費用は誰が負担するのか――など欠陥が多い提案でした。
軽減税率の対象は、酒類をのぞく飲食料品と新聞や書籍も検討が必要
 軽減税率にも、克服しなければならない課題があります。最も危惧されているのが、小規模事業者の事務負担の増加です。しかし、消費税と同じ付加価値税が長年定着している欧州諸国などでは大きな混乱は見られません。読売新聞社の調査では、「商工自営、自由業」の67%は軽減税率を導入すべきと答えており、導入の妨げにはならないと考えています。
 もう一点は、軽減税率の対象も慎重に検討する必要があります。
 井手県議は、軽減税率の対象は、国民が受け入れやすく、事業者も混乱が少なく、痛税感を和らげる効果がいちばん高い、「酒類を除く飲食料品」とするのが望ましいと考えています。
 また、新聞や書籍は、必要な情報を国民に提供するという、民主主義の基礎を支える制度的インフラとして考えるべきで、税率を軽減する対象に含めるべきです。
 事務処理に関しては、簡易版インボイス(税額票)を提案します。請求書に軽減税率を適用する対象品目などを明記する方式で「請求書保存方式」と呼ばれています。
 今後、自民党と公明党の実務者の間で、軽減税率の対象や事務処理の方法など、国民の気持ちをしっかりと受け止められる、具体的な議論を速やかに進めてまいります。
(写真は日立市内で講演する井手よしひろ県議)