10月18日、来年秋に開催予定の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」のプレ企画として、芸術祭の会場である高萩市・穂積家住宅にて、アートトークが開催されました。
 総合ディレクターの南條史生氏が県北芸術祭への意気込みや、芸術祭の概要を語ります。
 茨城県では、2016年9月17日から11月20日の65日間、茨城県北地域の海と山を舞台に、新たな芸術祭「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」を開催します。
南條史生総合ディレクター 総合ディレクターに森美術館館長の南條史生氏を迎えました。
 開催地となるのは、日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町の6市町。茨城県の北部地域は、海と山が織り成す豊かな自然に恵まれる一方で、江戸時代の末期に開かれた炭鉱、その後に発展した日立銅鉱山を始めとする工業・産業で日本経済の成長を支えてきた深い歴史を持っています。
 また、かつて北茨城市の五浦海岸は、文人・岡倉天心や、美術家・横山大観らが活動の拠点としていた地であり、1991年にはアーティスト・クリストによる傘を1340本並べた「アンブレラ・プロジェクト」が常陸太田市を中心に行われ、世界の注目を集めた近代美術のフィールドでもあります。さらに、県内には様々な研究機関が所在し、1985年にはつくば科学万博も開催されるなど、科学技術の礎を築いた地とも言えます。
 そんな多様性を持つ茨城県北で行われる「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」は、“自然と対話するアート”、“科学技術を利用した先進的なアート”にフォーカスし、アートと科学技術の実験を通して、豊か自然に新たな創造の息吹を吹き込む革新的な芸術祭となることが期待されます。
 開催地となる全6市町は、山間部のグリーン、海浜部のブルーの本芸術祭のキーカラーにより大きく2つに分けられます。南條氏は、「『今日は山側に行って、明日は海側に行ってみよう』などという楽しみ方をしてもらいたい」という思いが込められています。
 参加アーティストは、チームラボ、ザドック・ベン=ディヴィッド、ソンミン・アン、オロン・カッツ、ティファニー・チュン、テア・マキパー、ハンス・ペーター・クーン、森山茜、落合陽一、米谷健+ジュリアを始め、プロジェクトを含む約80作品が出展の予定です。
 チームラボは、茨城県天心記念五浦美術館を会場に、“日本画”をテーマにした新たな作品を発表する。“現代の魔法使い”と呼ばれる落合陽一は、物理、計算機科学、アートを融合させた作品を、フィンランドのアーティスト、テア・マキパーは社会環境のリサーチに基づく屋外プロジェクトを予定。また、芸術祭のテーマソングは、やくしまるえつこが担当し、バイオテクノロジーを駆使した楽曲が制作される予定です。
 また、住民、来訪者、アーティストなど様々な人々を巻き込み新しい芸術表現を生み出すことを試みる参加型プログラム「アートハッカソン」が、国内で初めて行われます。
 筑波大学を始めとする県内諸大学や地域に根付く伝統工芸、産業との連携プロジェクト、外国人アーティストの滞在プログラム「アーカス」の協働など、地域に根差した創作活動を経て新しいアートの可能性に挑戦します。