自殺統計
 日本の自殺者数は、平成10年以降、14年連続で3万人を超える状態が続いていましたが、平成24年に15年ぶりに3万人を下回り、26年は2万5427人までに減少しました。
 そのなかでも、若年層の自殺者数の減少幅は他の年齢層に比べて小さく、若年層に対しては、これまで以上に自殺対策の強化を図っていくことが求められています。特に、若年層の死亡原因のトップが自殺であることは注目しなくてはいけません。
自殺統計 20歳未満の自殺の原因は「学校問題」、20代と30代は「健康問題」が最も多く挙げられています。そして、20代は「勤務問題」、30代では「経済・生活問題」がそれに次ぐ多さとなっています。
 また、平成24年1月に内閣府が実施した意識調査によると、「自殺したいと思ったことがある」と答えた人の割合は、20代で最も高くなっています。
 先進7か国の若年層の死亡原因を比べてみても、日本は自殺による割合が20.1%と韓国についでの高さになっています。
 こうした状況を打開するため、平成24年に自殺総合対策大綱の全体的な見直しが初めて行われ、24年8月に「自殺総合対策大綱〜誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して〜」が閣議決定されました。
参考:自殺総合対策大綱〜誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して〜
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/taikou/index_20120828.html
 見直し後の大綱では、「具体的施策として、若年層向けの対策や、自殺未遂者向けの対策を充実すること」「地域レベルの実践的な取組を中心とする自殺対策への転換を図る必要性」「国、地方公共団体、関係団体及び民間団体等の取組相互の連携・協力を推進すること」などを強調し、平成28年までに自殺死亡率を17年と比べて20%以上減少させる目標を掲げています。
 地方自治体では、こうした国の方針を受けて、様々な取り組みを行っています。
 以下、その主なものをご紹介します。

○若者向け自殺予防対策ホームページの開設・リーフレットの作成(長崎県)
長崎県では、若年層の利用率が高いインターネットを活用した若者向け自殺予防対策ホームページ「みんなの情報交差点カチッ!」を開設。また、県内の相談窓口が記載されたリーフレットを作成している。
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/jisatsuyobotaisaku/jisatsuyobou/jisatsu-wakamonomuke/

○「すぎなみネットでトラブル解決支援システム」アプリの配信(東京都・杉並区)
「すぎなみネットでトラブル解決支援システム」無料アプリは、インターネット上を含むいじめやトラブル被害などから児童・生徒を守るために、24時間365日、気軽に利用することができるネット上の相談窓口としての機能を備えている。
https://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=30&n2=530&n3=50

○青少年ネット被害防止対策事業《ネットパトロール》の実施(千葉県)
千葉県では、平成23年度から、青少年ネット被害防止対策事業(ネットパトロール)を実施しています。平成26年度は、ツイッターなどのSNSへのネットパトロールを強化した結果、平成25年度より1414人多い、4689人(25年度比43%増)の問題のある書き込みを発見。これらの書き込みの中で問題のあるものについては、学校等を通じて指導・削除等を行っている。
https://www.pref.chiba.lg.jp/kkbunka/kenzenikusei/netpatrol.html

○大学や民間団体と連携し「地域づくり型」の対策を展開(秋田県)
秋田県では民間団体と秋田大学、行政が連携し、総合的な対策を推進。住民が地域や周囲の人と、どのようにつながっているかが、自殺やうつ病と相関関係にあることに着目し、市町村レベルで相談事業や住民交流のサロン活動など「地域づくり型」の対策を活発に行っている。「秋田モデル」と呼ばれるこの対策は、着実な自殺予防につながり、秋田県の昨年の自殺者は、記録が残る1979年以降最少となった。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/mukiau/shirou2.html

○若年世代のこころの居場所相談室(東京都・荒川区)
荒川区が「NPO法人bond Project」に委託し、平成26年5月から荒川区日暮里駅前に相談室を設置。スタッフは女性のみで構成しているため、相談者の9割を女性が占める。区役所へ相談することに抵抗がある若者、特に女性が「bond Project 」を心の依り所としている。ツイッターやフェイスブックも活用。
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kenko/shogaisha/kenkoujouhou/bondproject.html
荒川区では、月1回に「bond Project」と連絡協議会を開催しているほか、定期的に報告書をHPに掲載している。
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kenko/shogaisha/kenkoujouhou/bondhoukokusyo.html

○全小・中学教員にゲートキーパー研修(埼玉県・さいたま市)
『公明が推進 全小・中学教員にゲートキーパー研修』
さいたま市は子どもの自殺予防に向け、全国に先駆けて2013年度から、全中学校教員にゲートキーパー研修を実施し、来年度からは全小学校教員への研修もスタートする。全ての教員が「命の門番」として、初期の対応ができるスキルを身に付けることが目的で、これまで約1300人が研修を修了している。全小・中学校教員を対象にしたゲートキーパー研修は全国的にも珍しく、「おそらく他ではない取り組み」(内閣府・自殺対策推進室)だという。 【2015年3月16日付公明新聞(抜粋)】
http://www.city.saitama.jp/002/001/003/p006253.html

○若者向け専用電話相談を開設(大阪府)
前年度の自殺者減少数が全国1位の大阪では、最も成果があったとされる電話相談を若者向けに開設した(本年9月)。全国の接続完了率の平均が20%の中、大阪府では50%を超え、電話相談体制を充実させている実績がある。
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=21498