県議会臨時会
 11月16日、茨城県議会臨時会が開催され、井手よしひろ県議が公明党を代表して橋本知事に質問しました。こうした質問を受けて臨時会では、●国の制度では支援の対象とならない半壊した住宅にも1世帯あたり25万円が支給する。●応急修理も所得にかかわりなく最大で56万円余りの補助を行う。●中小企業の事業継続のために50万円の補助を行う。補正予算(追加予算)が全会一致で認められました。
 このブログでは、被災者支援の充実についての質問と答弁を掲載します。正式な議事録が確定していませんので、ご活用にはご注意ください。

【井手よしひろ県議質問:被災者支援の充実について】
 公明党の井手よしひろです。会派を代表して、橋本知事に質問いたします。
 今回の豪雨では鬼怒川などの洪水により、3人の方がなくなり、7156軒の床上・床下の浸水などの被害が発生しました。今なお、200人以上の方が避難所で不自由な生活を余儀なくされています。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、被災された皆さまの一日も早い生活再建をご祈念いたします。
質問する井手よしひろ県議 始めに、被災者支援の充実について伺います。
 私ども県議会公明党は、9月10日の災害発生から1ヶ月間で延べ40回以上の現地調査を行い、9月11日と10月27日の2度にわたって橋本知事に具体的な要望書を提出いたしました。また、山口代表、太田前国交大臣、石井国交大臣などが被災地を視察するなど、党のネットワークの総力を上げて被災地の支援に当たってきました。
 こうした被災者の声を活かした提言・要望に対しまして、今回の補正予算には、国の支援が不十分な「半壊」世帯や中小企業の再建支援への独自策などが盛り込まれました。知事の積極的な決断に敬意を表したいと思います。
 被災世帯の財政的支援では、私どもは、京都府の手厚い支援策を例示しながら、知事に独自支援策の創設を求めてまいりました。京都府では、国の「被災者生活再建支援法」の支援金に、全壊150万円、大規模半壊に100万円を上乗せしています。更に、半壊家屋へ独自に150万円、床上浸水等に50万円を助成しています。
 洪水被害の場合、半壊も大規模半壊も住宅再建に掛かる費用に大差はありません。洪水被害においては床上以上の浸水被害があった場合には、大規模半壊と同程度の支援を行う必要があります。その意味では、半壊世帯に25万円との支援額は、少なすぎるという声もあります。
 しかし、今回の洪水被害の規模が余りに大規模であることも事実です。
 昨年の京都府の住宅再建支援の予算総額は6億1800万円でしたが、今回の災害は被災件数が多く、生活再建関連予算総額は同程度の約6億円となっています。

 一方、今回の補正予算には、国の災害救助法の「住宅の応急修理」についても、所得制限のある“半壊世帯”について、特例措置として、この所得制限を撤廃する予算が盛り込まれました。
 そもそも、この災害救助法は「現物支給」の原則があり、法律自体が時代に合わなくなっていると言わざるを得ません。
 住宅の応急修理にあっても自治体が指定した業者に、市町村が工事代金を支払う仕組みです。被災後の混乱時にはその事務量が市町村の大きな負担となっています。現に、東日本大震災では、茨城県内の災害救助法が適用となった37市町村中、応急修理制度を実際に発動したのは、わずか5自治体に止まりました。
 今回の補正予算で半壊家屋の所得制限が撤廃されますが、国の制度で対象にならないものとして、自費で修理を完了してしまった被災世帯も多くあると伺っています。
 私ども県議会公明党は、応急修理制度は「直接払い」制度を見直して、工事明細や領収証による「被災者への現金払い」制度に変更すべきだと提案します。

 さらに、被災した中小企業への支援に関しては、これまでほかの業種と比べて余りにも薄い実態がありました。今回、被災中小企業の事業再開を支援するための独自の補助金50万円が認められました。
 私どもは、こうした制度を今回限りの特例とするのではなく、恒常化することを強く求めるものです。

 そこで、知事には、「被災者生活再建支援法」ならびに「災害救助法」の見直しを、強く国に求めていただきたいと思います。特に、「被災者生活再建支援制度」は議員提案として成立した経緯がありますので、知事にあっては各政党への働きかけも行っていただきたいと思います。国の被災者支援策の充実に対しどのような姿勢で臨むのかお伺いいたします。
 また、半壊世帯の支援や中小企業者への支援を、できれば条例化することによって恒常化させるべきだと考えますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。

【橋本昌知事答弁】
答弁する橋本県知事 井手よしひろ議員の御質問にお答えいたします。ただ今は議員が現地に何度も赴いて体験した結果を基に、貴重な御提言をいただきました。
 初めに、被災者支援の充実についてお尋ねをいただきました。

 まず、国の被災者支援策の充実に対する姿勢についてでございます。
 今回の豪雨災害においては、半壊の被害であっても、床や壁、家財道具等に浸水被害を受けているため、被災者の負担が大きいことが特徴となっております。
 そのため、県では、被災者生活再建支援制度の支給対象を半壊被害世帯まで拡大するよう直接、あるいは関東知事会を通じて国に要望しておりますが、今後も、あらゆる機会をとらえて更に国への要望を行ってまいります。
 また、水害における家屋の被害認定につきましては、外力による被害があることに加え、床上1メートル未満の浸水では「半壊」、床上1メートル以上の浸水では「大規模半壊」と判定されることになりますが、例えば、床上浸水90センチと1.1メートルとでは被害の実態に大差はないと考えております。
 このため、今後は、被害実態に即した支援ができるよう、被害認定の基準についても検討するよう国に要望してまいりたいと考えております。

 また、災害救助法に基づく応急修理について現金払い制度とすべきとの御提案もございました。国の考え方では、応急修理は「現物給付」であり、被災者への現金支払いは認められないとしておりますが、県では、今般の災害において、個人が応急修理を行う場合、修理代金の精算前であれば、支援の対象とすることができるよう国に認めていただきましたので、当面は、この運用により、できるだけ多くの方々を応急修理の対象としたところでございます。
 議員御指摘のとおり、現物給付しか認めない現行制度は、被災後の混乱時の市町村にとって、工事の発注業務が大きな負担となることや、自費で修理を完了してしまった被災世帯が支援の対象とならないことなど課題がございますので、今後は、現金給付を含めた、より柔軟な支援を国に対して要望してまいります。
 さらに、被災者生活再建支援法につきまては、全国知事会の災害相互基金の創設に関する決議後に、公明党、自由民主党、民主党等6党共同提案で国会に法案が提出され、成立した経緯がありますことから、全国知事会から制度拡充について各党へ働きかけていただくことも検討してまいりますので、議員を始めとする県議会の皆様からも各政党への働きかけをよろしくお願いいたします。

 次に、半壊世帯の支援及び中小企業者の支援の恒常化についてでございます。
半壊世帯の支援の恒常化につきましては、市町村の費用負担や支援の対象とする災害の範囲など、調整すべき課題がございますが、今後は、市町村4団体等と十分に協議するとともに、議員の皆様の御意見も踏まえながら、条例化に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、中小企業者の支援についてであります。今回の災害で、県内の中小企業は機械・設備や原材料等が水没するなど、甚大な被害を受けたところであり、また、地域経済にも大きな影響を及ぼしているものと考えております。
 今回提案しおります県単独の「被災中小企業事業継続支援事業費補助金」につきましては、こうした中小企業における被害の甚大性や、地域経済に与える影響等に鑑み、これまでにない手厚い措置を講じることにより、被災中小企業の速やかな事業の再開と継続を支援しょうとするものであります。
 この制度の恒常化につきましては、今回の支援措置の効果、商工業者の意見等々を踏まえるとともに、市町村の負担を伴いますので、市町村4団体等とも協議し、そのあり方を検討してまいりたいと存じます。