茨城県議会臨時会
 11月16日、茨城県議会臨時会が開催されました。井手よしひろ県議が公明党を代表して、橋本知事に質問しました。こうした質疑を経て臨時会では、●国の制度では支援の対象とならない半壊した住宅にも1世帯あたり25万円が支給する。●応急修理も所得にかかわりなく最大で56万円余りの補助を行う。●中小企業の事業継続のために50万円の補助を行う。など、補正予算(追加予算)が全会一致で認められました。また、井手県議が提案した被災者支援システムを構築するため、つくば市の防災科学技術研究所などと包括的な防災協定を結ぶ方針が明らかになりました。
 このブログでは、被災者支援システムの導入についての質問と答弁を掲載します。正式な議事録ではありませんので、ご活用にはご注意ください。

 【井手よしひろ県議質問:被災者支援システムの導入について】
 「被災者支援システムの導入」について、提案・質問します。
 今回の豪雨被害の市町村の対応については、様々な課題が明確になっています。
 例えば、被災者支援の入り口ともいえる「り災証明書の発行業務」です。常総市では、その発行手続きに大きな遅れが発生しました。り災家屋の一次調査は、9月28日までに終わっていたにもかかわらず、り災証明書が被災した方の手元に行き渡ったのは10月下旬となっていました。
 避難所に避難した方のデータベースも稼動できませんでした。当然、医療的、福祉的に支援が必要な要支援者のデータもまとめられませんでした。
 全国から集まって下さった支援ボランティアと被災した方とのニーズをマッチングさせるシステムも、事前には準備されていませんでした。
質問する井手よしひろ県議  こうした現状の中で、被災者支援のために情報システムを構築したのは、国の研究所や民間の情報ボランティアでした。つくばの防災科学技術研究所を中心として、り災証明書のシステム、要支援者の支援システム、ボランティアのニーズマッチングシステム、避難所の必要物資のデータベースなどが稼働しました。必要なソフトウェア、パソコンなどのハードウェア、地図情報などの著作権問題など、この危機的な状況を防災科研などの支援を受けて、乗り越えることができたと言っても過言ではありません。
 私は、市町村の被災者支援システムを平時から準備する必要を痛感します。また、この10月からはマイナンバー制度がスタートしました。このマイナンバーを活用すれば、被災者を支援するシステムの精度が格段に向上します。
 常総市の事例でも明らかなように被災者支援システムの構築のノウハウは、すでに防災科研などで実用化されています。あとは、運用にあたって、防災科研などと県ならびに市町村がしっかりと連携することが重要です。

 そこで、今回の豪雨被害を受けて、市町村の被災者支援システムを平時から充実させ、発災時には速やかに的確な支援体制を構築する必要があると考えますが、知事のご所見を伺いたいと存じます。と同時に、マイナンバー制度を災害被災者支援に活用すべきと考えますが、知事のお考えをお示し下さい。
 以上で、会派を代表としての質疑を終わります。橋本知事の明確なご答弁を期待いたします。

【橋本昌知事答弁】
茨城新聞(2015/11/17付け) 次に、被災者支援システムの導入についてお答えいたします。
 今回の豪雨災害では、つくば市に所在する防災科学技術研究所が、情報ボランティアの方々の協力を得て、常総市において、様々な支援を行ってくれたところであります。
 常総市から聞いたところによりますと、具体的な支援内容としましては、り災証明書発行システムや要支援者の支援システム、ボランティアのニーズマッチングシステムの構築の他に、道路通行可否情報や上下水道の復旧情報等を表示した地図を作成し、市のホームページで公開できるようにしたこと、避難所における情報提供支援として、タブレット端末を携帯した情報ボランティアが、市役所などが発表した被災者向け情報を、被災者の求めに応じて提供したことなどがあげられます。
 特に、被災者支援の基礎となるり災証明書の発行支援に関しては、被災家屋調査実施計画の策定や羅災証明書の発行、管理を行うための手順の策定などの支援を行っていただいたと聞いております。
 防災科学技術研究所においては、こうした被災者を支援するシステムを構築しており、それを活用して発災時には速やかに市町村を支援する体制をとっております。
 議員ご指摘のように、災害に備えて市町村が被災者支援システムを導入しておくことは大変に有効でありますが、小規模の市町村にとっては、システムの維持管理や更新のための費用が大きな負担となることも考えられます。
 このため、被災者支援システムを導入できない市町村であっても、発災時に防災科学技術研究所からの支援を受けことができるよう、県と防災科学技術研究所との間で包括連携協定を締結し、平常時から県主催で市町村職員を対象とした支援システムの利用訓練を行うなど、災害時の的確な被災者支援体制を構築できるよう努めてまいります。

 なお、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の使用等に関する法律」いわゆるマイナンバー法では、災害対策基本法による被災者台帳の作成にマイナンバーを利用することが出来ることとされております。
 今後、内閣府ではマイナンバーを被災者支援に利用する具体的な手順をとりまとめることとしておりますので、これを踏まえ、県におきましても、マイナンバーを被災者支援のために活用してまいりたいと考えております。

 県といたしましては、防災科学技術研究所のような地元の研究機関と連携することや被災者台帳の作成にマイナンバーを利用することにより、災害発生時に迅速に被災者を支援できる体制を整えてまいります。