日立LNG基地に入港したタンカー
 東京ガスが2016年3月の運転開始を目指して、日立市の茨城港日立港区第5ふ頭で建設を進めているLNG(液化天然ガス)の基地に、LNG運搬船の第一線が入港し、12月1日に歓迎式典が開催されました。
 このLNGの基地は、世界最大規模の貯蔵タンクなどを備え、来年3月の稼働を目指しています。日立エネルギー基地は将来の需要増予測を踏まえた製造・供給インフラの柱と想定されており、LNG船やLPG船の受入設備となる大型桟橋、容量23万キロリットルの世界最大級のLNGタンクや熱量調整用のLPGタンク、ガス製造設備などを備えています。この基地は、稼働すれば一般家庭34万世帯が1年間に使用する量の天然ガスを貯蔵できます。
 今回入港したLNGタンカーは、「エネルギーコンフィデンス」号。マレーシアから7万トンのLNGを運んできました。全長およそ300メートル、幅およそ50メートル、総排水量は12万1413トンです。のタンカーが初めて入港しました。このタンカーは、8日間ほど停泊し、LNGを基地内のタンクに移す作業が行われます。(詳しくは
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20090414-01.html
 LNG(天然ガス)は、石油や石炭に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、東日本大震災の後は、原子力発電の運転停止に伴って火力発電用の需要が増加しています。
 このLNG基地建設は、日立港区の利用拡大ばかりではなく、新たな産業の立地による雇用の拡大など、地域経済の活性化を図るために、茨城県と日立市が誘致し、東京ガスが進めている事業です。このLNG基地は、さまざまな災害を想定して、安全性の高い施設として整備しています。
東京ガスLNG船入港
 日立エネルギー基地は、海外から輸入したLNGを貯蔵し、都市ガスを製造する施設で、東京ガスにとっては東京湾以外で建設する初めての基地となります。このLNG基地は、北関東地域へ都市ガスの供給拡大を図ることを目的に、平成24年11月から本格的に工事が始まり、およそ10ヘクタールの敷地に、海外からLNGを運搬してくる船舶を受け入れるための大型桟橋や、大型の貯蔵タンク、LNGを気体にして都市ガスを製造する気化施設などが整備されます。
 また、ここで作られたガスは建設中のパイプライン(日立エネルギー基地から西伸し、既存ラインと接続する全長約84kmのパイプライン「茨城〜栃木幹線」:茨城県日立市〜栃木県真岡市:2016年3月完成予定)を通り、茨城県をはじめとした北関東のガス需要の増加やエネルギーセキュリティー向上に対応します。(写真は東京ガスより提供を受けました)

エネルギーセキュリティの向上
温暖化対策・脱原発のツールに
地域振興日立市の活性化


東京ガスのパイプライン 日立エネルギーセンターの稼働は、地元日立市にとって3つのメリットを提供します。
 第1に「エネルギーセキュリティの向上」という視点です。日立エネルギー基地は東京ガスにとって4番目のLNG製造拠点施設となります。前3か所がすべて東京湾内に立地していることから考えると、地震や津波、火山災害などの大規模自然災害のリスクを分散するための大切な拠点となります。日立〜真岡間のパイプラインが完成することによって、首都圏のガス供給網はループ化が完成し、万が一の危機的状況を回避しやすくなります。今後、日立と鹿島を結ぶパイプラインも計画されていますので、重層的にセキュリティが構築されることになります。

 2つ目は、新たなエネルギーシフトの起爆剤となるということです。LNGは二酸化炭素の排出量が少なく、地球にやさしい燃料です。今後、シェールガスの開発などが進むと主要なエネルギー源として存在感が高まります。LNGガスの安定的な救急拡大によって、原子力発電からの移行にも寄与できます。井手よしひろ県議らは茨城県議会公明党は東海第2発電所の再稼働には反対していますが、この新たなエネルギー基地から供給されるLNGを燃料としたガス火力発電施設の整備に全力を挙げるべきと考えています。すでに、神戸製鋼が真岡市にあるアルミ製造工場の隣接地に出力120万キロワットのガス火力発電所の整備を計画し、来年1月には天然ガス火力発電所の運営会社「コベルコパワー真岡」を設立すると発表しています。ここで発電された電力は、すべて東京ガスに販売され、東京ガスが電力事業者として一般需要者に販売することになります。

 第3の視点は、地域の活性化の拠点施設ということです。東京ガスでは、LNGタンクをさらにもう一基増設する計画を持っています。直接的な税収や雇用の増加による効果も期待できます。さらに、LNGを原料として得られる『水素』は、今後の日本のエネルギー問題を解決する無限の可能性を持っています。水素を原料として発電を行う『燃料電池』は、燃料電池自動車“MIRAI”が発売されるなど、いよいよ実用化の段階に入って起案した。日立市はこの水素を製造できるエネルギー基地を手に入れることになります。さらに、新交通システム「BRT」(バス・ラピッド・トランジット:バス専用線による交通システム)がすでに一部区間運転を開始しており、今後、市の南北を貫く幹線整備が計画されています。このBRTに燃料電池車両を導入すれば、5億円ともいわれる水素ステーションの建設にも大きなインセンティブとなります。日立市は東京ガスのノウハウを活かし、日立製作所やJX日鉱の企業とも連携し“水素タウン”を目指すべきです。
 このLNG基地は、日立市が新たな可能性に挑戦するための大きなツールとなると期待しています。