恵庭市バイオマス発電018
 2月13日、井手よしひろ県議は、岡山県真庭市の株式会社「真庭バイオマス発電」が建設した「真庭バイオマス発電所」を視察しました。真庭バイオマス発電所は、発電規模は1万キロワットで、年間で約21億円の売電収入を見込まれています。間伐材などの未利用材を主燃料とする木質バイオマスの発電所では国内最大級の規模です。
 真庭バイオマス発電は真庭市や、集成材メーカーの銘建工業、真庭森林組合などが出資して2013年に設立しました間伐材や製材する際に出る切りくずなどの端材を加工した木質チップを燃やして発電し、発電所内で使用する以外の全量を特定規模電気事業者(PPS)に売却しています。年間の発電量は一般家庭の2万2000世帯分に相当し、真庭市の全世帯数(3月現在で約1万7860世帯)を上回る規模です。
 普及が進むきっかけとなったのは、2012年に始まった国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度です。この制度では、1キロワット時当たり、間伐材などの未利用材で32円、端材などの一般木材では24円にそれぞれ税を加えた価格での買い取りを保証(20年間)しています。捨てられていた木材に、値段が付いたことで、間伐してそのまま放置していた木を取り出していけるようになりました。
 真庭市は、2005年の町村合併(勝山町、落合町、湯原町、久世町、美甘村、川上村、八束村、中和村、北房町の9町村)で誕生した岡山県内で最も広い自治体です。その8割を森林が占める中山間地域です。森林資源を生かそうと、1992年に地元の民間経営者らが「21世紀の真庭塾」を結成。その中でバイオマスの街づくりの発想が生まれました。元々、林業や木材産業が盛んで、真庭市は地域から生み出されるバイオマスの実態を把握し、その利活用方法と具体化するための方策として「真庭市バイオマス利活用計画」を策定。2006年4月には、廃材や未利用材など木質バイオマスと、家畜排泄物、食品廃棄物を含めた総合的なバイオマス利活用システムを備えた街を目指す「真庭市バイオマスタウン構想」を発表しました。

恵庭市役所にて 現在、真庭市役所本庁舎には、完全木質バイオマスボイラの冷暖房システムを導入して、CO2 排出削減を実現しています。その削減分で国内クレジット制度を活用し、企業等と連携した環境保全事業を展開しています。さらに、地元産のヒノキをカウンター、柱などふんだんに使用し、エネルギーでは木質ペレット、チップの専用ボイラー2機を備え、屋上には出力80キロワットの太陽光発電パネルも設置。節電による環境保全に努めています。駐車場には、電気自動車の急速充電器を設置され環境意識を高めています。視察した当日も土曜日にのもかかわらず、市民や観光客が無料で使用していました。

木造(CLT・直交集成材)3階建て市営住宅を建設
 また、2015年3月には、CLT(直交集成板)を活用した木造市営住宅が完成し、注目が浴びています。
 CLTは「クロス・ラミネイティド・ティンバー」の略で、複数の木の板を繊維方向が交差するように貼り合わせ、厚くした集成材です。強度が高く、耐熱性に優れているなどの特長があります。現段階では建築基準法上の構造材として認められていないため、使用するには「国土交通大臣認定」が必要です。欧米では一般的に使用されており、普及すれば新たな木材需要の創出につながります。
市営CLT春日住宅 真庭市月田の「市営CLT春日住宅」は、CLTによる全国初の公営住宅です。一方、真庭木材事業協同組合は真庭市勝山に2棟の集合住宅を建築。いずれの住宅も、耐震・耐火性能で厳しい基準が設けられているため木造では着工数が少ない、3階建てで建築されました。
 現状ではCLTの集合住宅は、鉄筋コンクリートよりも建築費用が割高となります。しかし、林業によるまちおこしを進める真庭市は「メリットを明らかにし、普及を促進するための先行投資」として市営住宅の建築に踏み切りました。
 CLTを使った工法では、事前に加工されたパネルを壁や床として組み立てていくため、大幅な工期の短縮が可能となります。春日住宅は主要構造部分が2日で組み上がりました。 遮音性や断熱性の効果を検証するなど、入居者の協力を得て、温度や湿度のほか、冷暖房費などの光熱費などの調査も行われています。
 CLTの普及促進に向けて国は建築基準の整備などを進めています。
 CLTなど新たな発想で林業が活性化すれば、荒廃する山林に適切な手が入り、間伐材を使ったバイオマス発電の拡大にもつながります。
 公明党では、山口那津男代表らが製造企業を訪問して現場の要望を聞く一方、国会質問でも普及促進を主張しています。林業による地域活性化への取り組みをぜひ加速させたいと考えます。