水戸電力のイメージキャラ
 4月1日からの電力小売り自由化に向けて、様々な電力会社が特徴あるサービスを発表しています。
 その中でも、注目したいのが“水戸電力”です。茨城県の県庁所在地。水戸市に本社を置く電力小売業者が、水戸電力です。太陽光発電施設などを手掛けるスマートテック(水戸市)が、 水戸市を本拠地とするJ2リーグ所属クラブの地元クラブ・水戸ホーリーホックとの共同出資により立ちあげた会社です。日立市出身で水戸ホーリーホックへも所属していた元サッカー日本代表の鈴木隆行氏を、地域貢献アドバイザーとし起用しました。
 スマートテックは、2005年の創業以来、太陽光発電やオール電化事業を中心に事業を展開してきました。また2016年の電力小売完全自由化を見据え、経済産業省より新電力の認定を取得し、太陽光発電を中心とするグリーン電力によるエネルギーの地産地消の構築を目指して、新電力事業に参入しました。
水戸電力
 水戸電力は、太陽光発電など、地元で発電した電力を買い取るとともに、バイオマス発電所などの建設を通じ、一般企業などに安価な電力を供給します。4月からは東京電力より割安の料金で、茨城県を中心に東電管内の住民への電力供給も行います。
 水戸電力は、事業収益の一部を関連するエネルギー・インフラ産業への投資に供することを通じ、水戸市をはじめ近隣市町村の雇用創出・企業誘致を促進することを目指します。当初の株主は、スマートテックと水戸ホーリーホックとなりますが、今後、共同出資者を募るかたちで事業を拡大したい方針です。初年度は、電力販売により10億円の売上高を目指します。

HEMSの設置、ホーリーホックのサポーター向け料金も
水戸電力の価格 水戸電力の契約者には、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を簡単に実現できる「ミライゲート」を無償で配布します。電気の“見える化”を進め、省エネの支援を進めていきます。ミライゲートはスマートテックが提供しているコミュニケーションHEMSで、販売店と設置したスマートハウスの入居者が簡単にコミュニケーションできる機能を搭載していることが特徴です。お知らせ機能を使って、地域の情報を配信したり、住まいに関する要望や相談のやりとりも可能です。
 その他、ECHONET Liteや赤外線を使った学習型リモコンを利用して、家中の電気設備や家電を一括でコントロールすることが可能です。さらにWi−Sunを使った電力メーター情報発信サービスに対応もしています。
 出資した水戸ホーリーホックのサポーター向け料金プランも、近くに発表する予定だとしています。

 3月11日、井手よしひろ県議は、水戸電力の本社を訪れ担当部長から、太陽光やバイオマス、ごみ発電など再生可能エネルギーによる地域の密着のエネルギー供給体制を目指す考えを伺いました。木質のバイオマス発電や自治体のごみ発電の受け皿として、電力の買取の分野でも営業を強化していきたいとのことでした。
 また、現在の再生可能エネルギーの固定買い取り制度により、20年間の契約が切れたのちの施設の長寿命化や継続的な運営など、新たなビジネスチャンスにも挑戦する考えを示しました。
 井手県議の自宅事務所の電気料金をシミューレーションしたところ、年間で4000〜5000円安くなることが分かりました。原発施設周辺の補助金やHI機器使用の割引も継続して利用できるということでした。
 水戸電力の挑戦は、派手さはありませんが、今後の新電力の在り方の試金石になるような気がします。これからも注目していきたいと思います。

参考:水戸電力のHP:http://www.mito-epco.co.jp/