1票の格差は2.9倍に拡大(最大は牛久市、最小は潮来市)
県議会の定数格差 昨年(平成27年)10月に行われた国勢調査の速報値が公表され、この4月から茨城県議会の選挙区割りと定数の見直しが本格化します。
 国勢調査の速報値に基づく県議会36選挙区の「1票の格差」は最大で2.90倍となり、前回2010年国勢調査に基づく最大格差2.68倍より、0.22ポイント拡大しました。
 議員一人当たりの人口がもっとも少なかったのは潮来市で、2万9105人。もっとも多い牛久が8万4454人だったので、その格差は2.90倍となりました。牛久市、龍ヶ崎市、鹿嶋市、守谷市、稲敷郡北部(美浦村・阿見町)が2倍を超えました。
 また、各選挙区の人口を、議員1人当たりの人口(県人口291万7857人を議員定数63で割った人数=4万6315人)で割った「配当基数」では、つくば市(定数4)、牛久市(1)、龍ケ崎市(1)の計3選挙区で、定数を1人増やす必要があります。一方で、日立市(5)と鉾田市(2)では、定数を1減する必要があります。
 茨城県議会では、昨年度から議会改革推進会議(座長:田山東湖県議)を発足されいています。昨年度、議会改革や政務活動費の見直しを行い、今年度は12月の議会をめどに選挙区割りと定数の問題を検討する計画です。
 県議会の議員定数を巡っては昨年3月に県市長会、県市議会議長会、県町村会、県町村議会議長会の県内自治4団体が1票の格差是正、選挙区割りの見直しを含む定数削減を求める要望書を、県議会議長宛てに提出しています。
日立市とつくば市などの逆転区解消に、市レベルの合区も必要
 井手よしひろ県議ら公明党は、定数を削減することを前提に、各選挙区のバランス(定数格差)を取ることに主眼を置いた改革を目指すことを提唱しています。公職選挙法が改正され、市レベルの合区もできるようになりました。定数1の選挙区をできるだけ少なくすることも、一つのポイントだと考えています。人口と定数が逆転している日立市(5)とつくば市(4)、常総市・笠間市・石岡市・常陸太田市・鉾田市(2)と牛久市・龍ヶ崎市・鹿嶋市(1)については、必ず是正することが必要です。
 議会改革推進会議は、今月から各会派推薦の学識経験者からの意見聴取、各種団体、女性、若者の代表者らを招いて意見聴取などを行います。その後、同規模福島県などの県外調査なども踏まえた上で、各会派が見直し案を提出することになっています。9月議会には座長案が提示され、改選まで2年となる12月議会で条例案を審議する見込みです。

選挙区ごとの定数について