イメージ 5月24日、自閉症やアスペルガー症候群などの人を支える「改正・発達障害者支援法」が成立しました。発達障害者支援法の改正は10年ぶりで、発達障がい者が「切れ目ない支援」を受けられるよう、国と自治体に教育現場でのきめ細かい対応や職場定着の配慮などを求めています。
 2005年に発達障害者支援法が成立してから、この10年間で 障害者権利条約の署名や障害者基本法の改正など、障がいを理由とした差別禁止が明示され、発達障がいをめぐる環境も大きく変わり、発達障がい者への支援も見直す必要がありました。法改正の中で、日常生活を送る上で妨げとなる「社会的障壁」の除去が定義されたことは大変重要です。また、障害者基本法の理念にのっとり、切れ目のない支援や共生社会の実現が法律の目的に明記されました。
 改正法案は発達障がいがあり、慣行や制度といった「社会的障壁」によって日常生活が制限される人を支援対象と定めています。新設した「基本理念」で、支援は社会的障壁を取り除く方向で行われなければならないと謳っています。
 教育現場では、障がいの特性に応じて小中高校が指導目標や配慮事項を示した個別の「指導計画」の作成を進めるよう、国や自治体に対応を義務付けます。
教育・就労などライフステージごとに切れ目なく後押し
 発達障がいは「子どもの問題」と見なされがちですが、社会に出てからも継続した支えが欠かせません。この観点から、公明党は乳幼児期から高齢期まで、ライフステージごとの「切れ目のない支援」に力を入れてきました。教育現場では、個別の教育支援計画や指導計画の作成を推進するとともに、福祉機関と情報を共有できるようになります。
 就労支援においても、国が主体となって就労定着支援を行うことを法律に明記しました。また、発達障害者支援地域協議会を都道府県と政令市に設置し、住民が幅広く相談できるよう支援体制の強化を図ります。
 一方、発達障がい者が刑事事件の取り調べや裁判で不利にならないよう、専門家との連携や配慮を求めました。
 公明党は2004年に福島豊衆院議員(当時)が中心となり、党厚生労働部会にワーキングチームを立ち上げ、支援法の原案を作成。発達障がいへの支援にいち早く光を当ててきました。今回の改正でも、超党派の議連で7回にわたり、11団体からヒアリングし検討を重ねてきました。
 今後も、現場の声に寄り添い、共生社会の実現へ取り組んでいきます。