共産党もご都合主義:自衛隊は違憲、政権を取ったら災害時や外国から攻撃を受けた時は働いてもらう
山口那津男公明党代表 7月4日、公明党の山口那津男代表は、民進党などが“改憲勢力による3分の2の議席獲得阻止”などと訴えていることに対して、公明党は現憲法の精神を守る党と次のように反論しました。
 民進党や共産党は参院選で、与党に3分の2(の議席)を取らせてはいけないと盛んに叫んでいます。3分の2とは、憲法改正を国会で発議する時、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要。しかし、憲法改正の議論は深まっていないというのが、あらゆるメディアの世論調査の結果です。当然です。国会で議論が深まっていないのだから、国民の皆さんは何が争点かも分からない。
 3分の2を取らせないというのも、おかしい。野党なら過半数を取らせないと言うべきではないか。ただ、今の状況で3分の2という数字に意味はない。なぜなら、民進党も憲法を改正していいという考え方で、既に憲法改正を議論してもいいという政党が3分の2を占めているからです。民進党が3分の2を取らせないと言うのは、実に自己矛盾です。
 憲法改正の議論を進めるのに与党も野党もなく、国会で真剣に議論した上で、国民によく理解してもらいながら進める必要がある。だから、自民党の谷垣禎一幹事長も、憲法改正は野党第1党の民進党の理解、協力がなければできないと述べている。民進党にはその責任があるし、どういう憲法改正をめざすのかをはっきりさせるべきです。ところが、党内の意見がバラバラでまとめることができない。これでは議論を進めることはできない。
160705poster 共産党は、自衛隊は憲法違反と言い続けている。「では政権を取ったらどうするのか」と聞けば、すぐに廃止はせずに災害時や外国から攻撃を受けた時には命懸けで働いてもらうと、矛盾した筋の通らないことを言っている。自衛隊を動かすなら憲法を改正して合憲にしなければならない。もし憲法を改正しないというなら、自衛隊法は無効なのに超法規的に働けとなり、それこそ共産党が何度も言う「立憲主義」に反することになります。
 公明党は、今の憲法は大変素晴らしい、特に国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の三つの原理は、これからも大切にしなければいけないと考えています。しかし、制定から70年がたち、国民の合意が得られれば新しい価値を加えることは議論していいとの立場です。

内閣には”憲法順守義務”があり、首相といえど憲法改正を発議できない
 また、山口代表は6月20日行われた日本記者クラブでの会見では、憲法改正は「首相といえども憲法順守義務が課せられているので、政府側から改正の内容の発議、意見を出すことはできない」と指摘しています。
 安倍首相は、前日のインターネット番組で、秋の臨時国会から憲法審査会で具体的な条文の議論に入りたいとの意向を示していました。山口代表は「憲法審査会では十分な議論が成熟していない」との認識を示し、「国民の理解を得ながら合意をつくっていく努力をしていくのが当面の正しい在り方だ」と語っています。
 また、山口代表は「自民党と公明党は与党を形成しているが、行政権を運営するための枠組みで、憲法改正を進める合意をつくる役割ではない」とも明言しています。憲法改正の議論には、野党第1党の民進党を含めた、幅広い合意形成が必要との認識を明確にしたものです。