常総市水害被害
 6月1日から茨城県が制度化した、大規模災害時の「半壊世帯」への支援策が、8月3日付けの公明新聞で紹介されましたので、転載させていただきます。

応急修理費の補助は所得制限を撤廃
 住宅が被災し、罹災証明で「半壊」と認定されても、国の支援制度が利用できない――。こうした世帯の生活再建支援を手厚くしようと、茨城県は、昨年9月の関東・東北豪雨による水害で「半壊」となった世帯の救済のために設けた県独自の特例措置を、7月から恒常化させた。河川氾濫などの水害のほか、今後発生する恐れのある地震などを含めた自然災害に備える取り組み。特例措置の恒常化を訴えてきた県議会公明党(井手義弘幹事長)は7月25日、県庁で県職員から話を聞いた。

被災者支援を手厚く/豪雨禍後の特例を恒常化
 南北に連なる帯状の積乱雲が発生し続け、記録的な雨をもたらした関東・東北豪雨。県内では、鬼怒川の堤防が決壊した常総市を中心に大規模水害に見舞われ、被災した住宅は9400棟を超えた。このうち床上浸水1メートル未満の「半壊」世帯は約3700棟に上り、床上浸水した住居被害のうち最も多かった。しかし、その多くが国の支援制度の対象外だった。
 国の被災者生活再建支援制度では、「全壊」世帯に最大300万円、「大規模半壊」世帯に最大250万円が支給されるが、家屋を解体した場合を除いて「半壊」世帯は、支援金が受けられない。また、災害救助法に基づく応急修理制度もあるが、「半壊」世帯の場合、前年の世帯収入に条件が設けられており、被災世帯が対象から外れるケースも珍しくなかった。
 このため県は特例措置を設け、「半壊」世帯に一律25万円を支給するほか、世帯収入にかかわらずに住宅の応急修理費用として最大56万7000円補助してきた。そして今回、県は、この特例措置の恒常化に踏み切った。財源は市町村と折半する。
 県職員は、恒常化について「被災時に生活を立て直す気力を持つきっかけになれば」と説明。その上で、県の財政事情から、補助が被災者の生活再建に必要な金額の一部にとどまっていることに触れ、「国にも『半壊』世帯への支援を手厚くする法改正を求めていく」と話していた。
県議会公明党が現場の実態踏まえ強力に推進
 県議会公明党は、関東・東北豪雨による大規模水害の発災直後から、被害の実態調査や被災者の生活再建支援に奔走してきた。中でも、浸水によって家電や家具などが甚大な被害を受けた「半壊」世帯の救済措置が、被害の実態に見合っていない状況を重く受け止め、昨年10月に橋本昌知事に対し、独自の救済策を制度化するよう要望。これを反映する形で、同11月に県が特例措置を設けていた。
 その後も、今年の3月定例会で、井手幹事長が特例措置の恒常化を訴え、続く6月定例会でも高崎進議員が重ねて強く主張。橋本知事から「恒常的に制度化する」との答弁を引き出していた。
 支援内容を確認した井手幹事長は「災害への着実な備えは喫緊の課題。今後も県民の命と生活を守る施策を推し進めていく」と力を込めていた。

公明新聞2016年8月3日付け
公明新聞2016年8月3日付の紙面