橋本知事からの要望書を受け取る長沢副大臣 8月26日、長沢広明復興副大臣(公明党)が、就任あいさつのため茨城県を訪れました。県庁に橋本昌知事を表敬訪問した後、東日本大震災で大規模な液状化被害に見舞われた神栖市や潮来市などを回り、復旧状況や対策工事の現場などを視察しました。
 県庁で、長沢副大臣は「茨城県では着実に復旧が進んでいるが、液状化対策が課題となる。復興庁としてやるべき仕事をしっかり進めていく」と決意を語りました。橋本知事は、復興財源の確保や指定廃棄物処分に向けた早期対応などを求める要望書を手渡しました。
 井手よしひろ県議も同席し、知事と共に風評被害の払拭や観光振興にも、国が積極的に県を支援するよう求めました。

視察する長沢副大臣 その後、長沢副大臣は大洗町、鹿嶋市、神栖市を視察。津波で1人が死亡した鹿嶋市ではことし3月に完成した「高松地区防災公園」を訪れました。この防災公園は高台がない高松地区に整備されたもので、高さ7メートルの人工の高台が設けられていて、太陽光で発電する外灯や防災トイレなどが整備され500人ほどが一時的に避難できます。長沢副大臣は防災公園に到着すると人工の高台に上り鹿嶋市の錦織孝一市長から震災当時の様子を聞いたり市の職員から防災公園の概要について説明を受けたりしました。錦織孝一市長は「復興が進んでいますが液状化対策工事はまだ、復興途中のものもあり、長沢復興副大臣には今後も引き続き支援をお願いしたい」と要望しました。
 神栖市では、来年3月の完了を目指して復興交付金を活用して液状化対策工事が進められる鰐川・堀割地区の工事現場を視察。この地区では家が傾くなど建物被害は255棟に上りました。工事は、再発防止のために行われており、今年度末には完了する予定。保立一男市長や市担当者から地下水位低下工法による工事状況の説明を受けました。
 潮来市日の出地区では対策工事が完了し、地下水排出作業が4月から行われる十番排水ポンプ場を視察。原浩道同市長から説明を受けました。この地区では地下水を排出する管を地中に埋め、集めた地下水をポンプを使って川に排水。地下水位を下げることにより、水を含まない固い地盤部分を厚くしています。
 視察後、長沢副大臣は「液状化対策をはじめ、復興への取り組みは前進している。今後も地域のニーズに丁寧に応じていきたい」と述べました。