少子化対策や若者の定住促進策の一環として、国や自治体が新婚世帯への経済的な支援に乗り出しています。所得の少ない新婚世帯を援助する「結婚新生活支援事業費」が、各地でスタートしています。

低所得世帯に自治体が支給
資料 結婚する男女の減少傾向が続いています。厚生労働省によれば、2015年の婚姻件数は63万5096組となり、戦後最少を更新しました。
 その背景には、結婚観の多様化なども指摘されています。一方、経済的な問題も大きいのが事実です。国立社会保障・人口問題研究所が、結婚意思のある未婚者を対象に「結婚の障害」となる理由を調べたところ、「結婚資金(挙式や新生活の準備のための費用)」との回答が男性で43.5%、女性で41.5%に上り、最多を占めました。「結婚のための住居」との回答も男性で19.3%、女性で15.3%に上ります【グラフ参照】。
 結婚を望みながらも経済的な理由から踏み出せない人が増えれば、子どもの出生数の低下にもつながり、少子化がさらに加速する恐れがあります。経済的負担を軽くする支援が求められているのです。
 そこで、結婚しやすい環境づくりとして、国が2015年度補正予算に初めて盛り込んだのが「結婚新生活支援事業費補助金」(予算額10.9億円)です。
 この補助金は、年間所得300万円未満(夫婦合計)の新婚世帯を対象に、結婚に伴う住居費や引っ越し費用を自治体が最大18万円支給する仕組みです。国が必要経費の4分の3を自治体に交付し、残りの4分の1を自治体が負担します。
 内閣府によれば、現在、この補助金の事業化に名乗りを上げている自治体は全国97市町村に上っています。
 このうち、和歌山市では、6月から「ハッピーウエディング事業」の名称で、この補助金事業を行っています。既に2件の申請があり、申請者から「こういう補助金は助かる」と喜びの声が上がっているといいます。
 7月から申請受付を開始した埼玉県鴻巣市でも、問い合わせが相次いでおり、市民の関心は高くなっています。鴻巣市在住で独身男性は「交際している女性がいますが、お互い給与は多くなく、結婚をためらっています。補助金があることは励みになります」と話しているといいます。
家賃助成、子育て支援券 地域で独自の取り組みも
イメージ 自治体の中には、新婚世帯への独自の支援策に取り組んでいるところもあります。
 茨城県内では、常陸太田市が新婚世帯に月最大2万円(最長3年間)の家賃助成を行っています。常陸太田市市少子化・人口減少対策課によれば、申請者の約7割が、こうした家賃助成制度をきっかけに市内への移住を決めたとされ、定住対策に成果を上げています。
 栃木県大田原市では、今年4月から、2年以上の居住を確約した新婚世帯を対象に、結婚祝金として地域の店舗で使える「子育て支援券」(1万円分)を交付しています。4〜6月までに既に約50件の申請があり、大田原市政策推進課は「新婚世帯への支援に加え、地域の消費喚起にもつなげていきたい」と話していた。

新婚生活を日立市で!〜10月1日より、住宅取得・賃借、引っ越し費用を補助します〜
 日立市では、結婚に伴う新生活を経済的に支援するため、住宅取得・賃借、引っ越し費用を補助する制度が10月1日からスタートしました。
 結婚に伴い、住宅を購入した際に要した費用、住宅物件を賃借した際に要した費用(賃料、敷金、礼金など)、引っ越し業者や運送業者へ支払った費用などのうち、1世帯当たり18万円を限度に補助金を支給します。(1世帯1回のみ)
 結婚が確認できる書類、夫婦それぞれの所得が確認できる書類、物件の売買・賃貸借契約書、支払いが確認できる領収書などを用意して、日立市子ども福祉課に相談の上、申請してください。申請書の様式は、10月14日(金曜日)以降に市のホームページからダウンロードできます。