10月13日、井手よしひろ県議は、さいたま市で開かれている「さいたまトリエンナーレ」を視察しました。
 さいたまトリエンナーレは、今年から始まった国際芸術祭。与野本町駅から大宮駅周辺、武蔵浦和駅周辺から中浦和周辺、岩槻駅周辺の3エリアを中心に、ユニークなアートスポットが点在しています。

 犀(さい)の角がもう少し長かったら?
 井手県議は、旧民俗文化センターで実行委員会から芸術祭の概要を伺い、同センターの作品群を鑑しました。《 犀(さい)の角がもう少し長かったら?》 とのユニークな作品展示を行うのは川埜龍三氏。当然、「犀」と埼玉の「埼」が掛詞になっています。埴輪群と発掘現場を再現するユーモラスな作品です。

アダム・マジャール氏の映像インスタレーション
 アダム・マジャール氏の映像インスタレーションも興味深く鑑賞しました。独自に開発した撮影機材と技術を使って、大宮駅のホームや構内の人々を撮影した作品です。スーパースローモーションの効果で、個々の人間の姿や動作が劇的に強調され深い印象をもたらしています。まさに“さいたま市に生活する市民” の姿が浮かび上がってくる作品です。
さいたまビジネスマン
 その後、武蔵浦和駅周辺〜中浦和周辺を中心に作品を鑑賞。新幹線の高架下(西南さくら公園)には、アイガルス・ビクシェ氏が創り上げた、異彩をを放つ全長9.5メートルもの巨大な座像(正確には寝像?)《 さいたまビジネスマン》が展示されています。非常に目立つ作品ですが、さまざまな辛口の意見も寄せられているようです。これも、作家のさいたま市の市民へのエールです。

STATION TO STATION
ウィスット・ポンニミット
 隣接する“花と緑の散歩道”には、ダニエル・グェティン氏が《STATION TO STATION》と題された作品を展示。散歩や通勤に使う歩道が楽しく彩られています。また、ウィスット・ポンニミットさんが描くさいたまトリエンナーレのメインキャラ的存在の“マムアン”ちゃんの看板が並び、日常性にスパイスを与えています。

種は船プロジェクトinさいたま
 さいたま市民の憩いの場所・別所沼公園には、日比野克彦氏の《種は船プロジェクトinさいたま》と名付けられた色鮮やかな船が2艘浮かんでいます。日比野氏が得意とする住民との共同作業での作品作りが、この街でも活きています。少人数のワークショップの濃厚な関係性の中で、創られてきた作品が想像できます。なぜ、もっと大勢が参加できるようなプロジェクトにしないのかとの声もあるようですが、アーティストファーストの原則を貫いた実行委員会の対応に拍手を送りたいと思います。

入口
 そして、撮影禁止のために写真をご紹介できないのですが、絶対に見逃してはならない作品を結びに紹介します(作品の入り口のみ撮影しました)。
 「旧民俗文化センター」の野外展示《Elemental Detection》です。「目」の3人組が制作したインスタレーションは必見です。内容は、実際に見てもらいたいとの作家の思いで、実行員会のパンフレットやマスコミの紹介記事にも登場しないということです。都市化するさいたま市の中で神秘的に広がる謎の湖。その湖に何が起こるか、ぜひご体験ください。期待を裏切らない作品です。