12月17日、日立の女性団体・日立女性フォーラム主催の講演会「日立のさくら100年を学ぼう」が開催されました。講師には、映画「天心」や「サクラ花・桜花最後の特攻」などを手掛けた松村克弥監督を迎えました。松村監督は、新田次郎原作の「ある町の高い煙突」を基にしたドキュメント映画の制作を現在企画しており、今後、資料収集や協賛金を募り、2018年春ごろから日立市内を中心に撮影をスタートし、同年秋ごろの完成を目指したいとしています。
 日立市の発展の基礎となった日立鉱山。銅を採掘し、精製して製品化する過程で、亜硫酸ガスが発生し、周辺の住民や環境に深刻な影響を与えました。その塩害対策として建設されたのが東洋一の高さを誇る“日立の大煙突”。この大煙突建設に携わり、煙害に強い桜の植樹を進めるなど、環境改善に尽力した日本鉱業の所長・角弥太郎が、1917年、まちの美観も考えてソメイヨシノの苗木を市内の社宅や学校、鉱山電車沿線などに植樹したのが1917年でした。日立のさくら100年は、このソメイヨシノ植樹から来年で100年となります。松村監督はこの節目に、「ある町の高い煙突」の映画化を企画しました。
松村克弥監督講演会
 映画化に当たり松村監督は、地域住民の煙害対策代表を務めた関右馬允(せき・うまのじょう)をはじめ、日立鉱山の創業者である久原房之助、日立製作所創業者の小平浪平、角の妹・千穂などに光を当てたいと語りました。1993年に倒壊するまで高さ155.7メートルを誇っていた大煙突や製錬所だった大雄院などは壮大なCG(コンピューターグラフィックス)で復元したい考えです。
 また、松村監督は「映画化は構想段階だが、地域住民と企業が共存共栄を目指して煙害問題の克服と自然環境の回復に挑んだ英知と人間愛を表現したい」と力説。「久原房之介が36歳、小平浪平が32歳、関右馬允にあっては20代半ばだった。近代日本を開いた青年群像として、映画『フラガール』のような人間ドラマに仕上げたい」などと語りました。
 さらに、松村監督の講演内容に合わせ、花樹の会の山川敏夫さんが日立鉱山の生い立ちと日立の桜について、長年の研究の成果を語りました。

松村克弥監督講演会
 講演会には40名以上の市民が集まり、熱心に松村監督や山川さんの話に聞き入っていました。質疑応答では、「ぜひ、資金の募金活動やボランティアでエキストラに協力したい」「共楽館も日立の大切な産業遺産。ロケに使ってほしい」などと、映画化を熱望する声が多く寄せられました。