ステートメントを発表する安倍首相、オバマ大統領
 12月28日は、第2次大戦で激しい戦火を交えた日本と米国が、「和解の力」を世界に発信する歴史的な日となりました。
 安倍晋三首相とオバマ米大統領は、1941年12月8日、旧日本軍が奇襲攻撃を行ったハワイの真珠湾を訪れ、追悼施設「アリゾナ記念館」で犠牲者を慰霊しました。
 現職首相のアリゾナ記念館訪問、そして日米の首脳がそろって真珠湾で慰霊は、いずれも初めてです。ここに至るまで開戦から75年もの歳月を要したことは考え深く思います。
 犠牲者を悼んだ後に行われた演説で両首脳は、共に和解や寛容の必要性を強調した。
 安倍首相は、「不戦の誓いを貫く」との決意をあらためて表明し、戦後日本の復興と国際社会への復帰にリーダーシップを発揮した米国が示した寛容の精神に言及。両国を結び付けたのは「和解の力」であるとして、日米同盟を「希望の同盟」と位置付けました。
 紛争が絶えない国際社会にあって憎悪の連鎖を断ち切るには、和解や寛容の精神が大きな力となります。これを日米両国が訴え続けることで、世界に希望を送る役割を果たせるに違いありません。
ステートメントを発表する安倍首相、オバマ大統領
  オバマ大統領は、「平和の恩恵は常に、戦争の略奪品に勝る」と述べ、これが「神聖な真珠湾の不朽の真実である」と訴えました。
 平和に対する揺るぎない確信が伝わってくるようだ。今年5月に現職の米大統領として初めて被爆地広島を訪問したのも、オバマ大統領の一貫した姿勢の表れといえます。
 日米両国は強固な同盟関係を築いてきた。それでも日本にとっては広島、長崎への原爆投下が、米国にとっては真珠湾攻撃が、わだかまりとなっていました。
 こうした中で今年、オバマ氏が広島を訪問し、安倍首相が真珠湾を訪れたことは、両国が「和解の力」で不幸な過去を乗り越えてきた事実を、両国国民のみならず国際社会に強く印象付けました。
 振り返れば、分断や対立が世界に暗い影を落とす一年でした。それだけに、日米両国がその絆を強くし、引き続き日米同盟に基づき世界の平和と繁栄に寄与する関係でなくてはなりません。

 ところで、安倍首相やオバマ大統領のスピーチは、自分の言葉ではなくライターが書いたものだとの批判があります。しかし、一国のリーダーのことばは、一度その口から発せられた瞬間に歴史の中に刻印されていきます。世界の民への宣言となります。政治家の言葉は、だれが書いたかではなく、だれが話したかが重要なのです。
 私たちは、この「和解の力」を時間できる日米の強いつながりと世界平和に貢献できる関係を築いていくべきです。
参考:安倍首相のステートメント全文
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51645753.html