コブハクチョウの飛翔
 新しい年が明けました。国の内外にわたって課題・懸案が山積し、身の引き締まる新年の船出です。2017年が希望と安心の日本へ着実な一歩を印す一年となるよう、一生懸命頑張りたいと思います。
 昨年は、英国の欧州連合(EU)離脱の決定、米大統領選、イタリア国民投票など、“大衆の反乱”とも評された出来事が相次ぎました。これらの国では、経済のグローバル化が進み分断と対立が深刻化する中で、置き去りにされ生活に困窮した人々の不満や怒りが渦巻いていました。にもかかわらず、人々の苦しみをわが苦しみと受け止め、同苦して救いの手を差し伸べるべき政治が、機能不全に陥っていたのです。
 「世界は今、重大な岐路に立っている」と言われています。先の見えない不安や不信が複合的に重なり、「第2次世界大戦終結いらい最も大きな不確実性に包まれている」との指摘もあります。ポピュリズム(大衆迎合主義)や悲観主義が勢いを増し、世界を席捲しようとしているかに見えるのは私だけではないと思います。
 世界の動きと比べると、まだ日本は社会の分断や国際的な孤立を招くような事態に至っているとはいえません。とはいえ、急速な少子高齢化による人口減少の中で、わが国でも格差や貧困の問題が国民生活に深刻な影を落としつつあります。
 経済や年金・医療・介護・子育て支援など社会保障に甚大な影響を及ぼす社会・人口構造の大変動に、どう対処していくか。激震が続く世界情勢に、どう向き合っていくか。不安をぬぐい去り、希望と安心を創ることが政治の責務とすれば、日本政治も今、かつてない試練に立たされていると言えます。
 しかし、悲観材料ばかりではありません。2016年は、安定した保守・中道連立政権のもとで、内政・外交ともに前進した一年でした。伊勢志摩サミットの成功、オバマ米大統領の広島訪問、日ロ関係の進展。そして夏の参院選では、公明党として過去最多の議席を獲得し、政権基盤はさらに安定した。年金受給資格を25年から10年に短縮し64万人を救済、給付型奨学金の創設……など、成長と分配の好循環も一歩一歩進んできています。今年は、こうした好循環の流れをさらに拡大していかなければなりません。
 私たち地方議員にとっては、地域の元気を取り戻し、それをもって日本経済を押し上げることに全力を傾けたいと思います。
 新しい年の戦いを開始するに当たって心したいこと。それは、激しい変化の時代には現場主義こそが全てを制するということです。「大衆とともに」を立党精神とする公明党の現場主義。徹して現場に入り、人々の悩みや苦しみに同苦し、住民の声を汲み上げ政策立案する現場力と、地域に根差した議員ネットワークを持つ公明党だからこそ、人々に寄り添い、政治を前に進めることができます。
 今年は大型地方選挙が目白押しです。2017年決戦の大きな節目となるのは東京都議選。62年前の1955、都議選に公明党系無所属議員が誕生しました。まさに都議選は公明党の原点ともいえます。分断と対立ではなく「同苦する」政治へ―。今ほど公明党の真価発揮が求められている時はありません。
(2017/1/1付け公明新聞の記事を再構成しました)