代表質問する井手県議 3月3日、茨城県議会代表質問が行われ、井手よしひろ県議は県議会公明党を代表して登壇。70分にわたり橋本知事に県政の重要課題を7つの視点から質問しました。
 井手県議が取り上げたのは、々駭△了続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた県の取り組みについて、茨城県北芸術祭の総括と今後の展開について、B腟模災害への対応について、づ豎ぢ萋麋電所の再稼働と運転期間延長について、ジでの殺処分ゼロへの取り組みについて、Εリンピックサッカー競技の誘致について、Гん対策の推進についての7項目です。
 このブログでは、「東海第二発電所の再稼働と運転期間延長について」の質問を掲載します。井手県議は、東海第2原発の再稼働、運転再稼働は認められないという立場で、様々な問題点を指摘しました。その上で、原子力安全協定の範囲を周辺市町村にまで拡大すること、東海第2原発の安全強化策や避難計画がまとまるまで再稼働には同意しないこと、県民の声を聞くために「県政世論調査」の調査対象に原発の今後の在り方を加えることの3点を強く訴えました。



 次に、「東海第2発電所の再稼働と運転期間の延長問題」を取り上げます。
 昨年12月私どもは知事に政策要望を行い、「東海第2発電所は、UPZ圏内の人口が約96万人にのぼること、運転開始後38年が経過しようとしていることなどを総合的に判断し、再稼働させずに廃炉とするよう、国並びに事業者に積極的に働きかけること」と、強く訴えました。
 東海第2発電所は、運転開始から38年が経過しています。原発を動かし続けられるのは原則40年です。東海第2発電所は1978年11月に営業運転を開始しました。この運転延長に関する東海第二発電所の申請期限は、今年11月とされています。この時までに機器の劣化などを調べる特別点検も済ませておく必要があります。
 再稼働に関する原子力規制委員会の審査が完了し、その後、運転延長の認可が出されるのが、通例です。今年から来年に掛けては、茨城県の原子力行政にとって大きな分水嶺となります。
東海第2原発
 日本原電は2014年5月、安全強化策が新基準をクリアするかの審査を国の原子力規制委員会に申し込みました。これまでに最大の津波想定などを協議し、施設の耐震設計のもとになる基準地震動が妥当と認められました。
 今後の規制委員会での議論の最大のポイントは、総延長18.5キロにものぼる電源ケーブルの防火対策といわれています。規制委員会の審査の結論がいつ出されるかは、まだ見込みがつきません。
 その他の安全対策工事の完了時期も不明です。津波対策でかさ上げする防潮堤工事は総延長2キロを超えます。フィルター付ベントの工事なども完成のめどが立っていません。昨年6月までに終える予定だった安全対策工事の完了時期は、大幅にずれ込んでいます。

 「原子力安全協定の拡大」「地元自治体の同意」といった課題もあります。
 東海第2発電所が立地する東海村や、隣接する市町村は、東海村と同等に再稼働や運転延長の事前協議の当事者として認めるよう、日本原電に求めています。
 いったん深刻な事故が発生すると、その被害は東海村一村に止まらないことは明らかです。福島第1原発事故で、国が定めた警戒区域や計画的避難区域を、東海第2発電所に当てはめてみると、日立市、常陸太田市、那珂市、ひたちなか市、水戸市、大洗町、常陸大宮市、大子町、城里町などが、その範囲に含まれてしまいます。周辺自治体が、東海村と同等の事前了解の権限を求めることは当然と考えます。

福島第1原発事故の放射線汚染地図を東海原発に重ね合わせた
 重大事故に対応する避難体制の整備も遅れているのも問題です。
 東海第2発電所の避難計画策定の対象は、原発から半径30キロ圏の14市町村に広がり、人口は約96万人に上ります。
 県計画では40万人を30キロ圏外の県内30市町村で受け入れます。残り56万人を隣接5県に避難させるとしています。避難経路や自家用車で避難することは決まりましたが、福島を除く4県は受け入れ先の市町村が、未だに決まっていません。
 要配慮者への支援やスクリーニング検査の態勢など課題は山積です。地震や津波などとの複合災害を想定した計画作りも具体化していません。
 東海第2発電所周辺の住民が、万が一の事故が起こった場合、安全に避難が出来ないようでは、原発を再稼働させることは絶対に認められません。

 茨城のブランド力を高めるためには、原子力発電所が稼動している地域というイメージを「卒業」する必要があります。茨城県は、日本で最初に原子の灯がともった県です。原子力の先進地として、「世紀を開く原子の火」と誇りを込めて県民の歌を歌ってきました。
 しかし、自然エネルギーへのシフトが指向されている現在、原子力を卒業した地域というイメージづくりが最も重要です。
 また、東海第2発電所の廃炉を一刻も早く決断して、日本原電自体のあり方も方向付けする必要があると思います。日本の原子力産業の中枢である東海村を、世界の廃炉技術のメッカにする政策の転換が必要だと確信します。

 さらに、東海第2発電所の再稼働や運転延長を判断する際は、広く県民の声を聴くことがどうしても必要です。
 茨城大学の「地域社会と原子力」調査チームは、地域住民へのアンケート調査を行っています。原発事故が起こった2011年度、調査対象である東海村、日立市、那珂市、ひたちなか市の住民に行った質問では、なるべく早く運転再開が4.5%、防潮堤対策を徹底するまで再稼働すべきでないが40.1%、白紙で再稼働を議論が13.5%、再稼働させずに廃炉が31.7%でした。直近の2016年度調査では、なるべく早く運転再開がが6.1%、防潮堤対策を徹底するまで再稼働すべきでないが30.7%、白紙で再稼働を議論が10.8%、再稼働させずに廃炉が42.9%となり、廃炉を支持する人の割合が10%以上伸びています。

 今年秋には知事選が行われます。原発再稼働問題、運転延長問題は大きな争点となってくると思われます。3月1日にいち早く立候補を表明した、いばらき自民党が推薦する予定候補者は、記者の質問に対して「再稼働については時期尚早。住民の皆さまの直接の意思表明という機会も与えてもいいのではないか、その上で判断するというのも一つの方法はないかと思っています。住民投票ということです」と答えていました。県民、住民の意見を第一として、政策判断をする姿勢は評価できるとの主旨の発言が、ネットでは流れていました。
 住民投票の是非はここでは触れませんが、今後、広く県民の声を聞き、後世に恥じない結論を出すことは重要なことです。その意味では、毎年県が行っている県民世論調査の設問として、この問題を取り上げる必要があると主張します。

 こうした論点を踏まえ、知事に3点質問します。
  • 原子力安全協定の範囲拡大について、茨城県としても周辺市町村と協議を行い、一体的に範囲を拡大するよう日本原電と交渉すべきと考えますが、いかがでしょうか?
  • 東海第2発電所の再稼働に関しては、安全施設の整備や避難体制の整備が完了するまで、同意すべきではないと考えますが、いかがでしょうか?
  • 県民の東海第2発電所の考えかたを統計的に明らかにするため、県政世論調査の項目に、東海第2発電所の今後の対応について問う、設問を加えるべきと考えますが、いかがでしょうか?