170308image2  学校トイレの洋式化は、目立たない地味な課題ですが、子どもたちの健康管理や防災対策上重要な問題です。「トイレに行きたいけれど、学校の便器は和式だから嫌だ。我慢しよう」との、子どもたちの心の声が聞こえてきます。民間・企業の調査によると、学校で大便をしない小学生は3割以上に上ります。和式トイレが多い学校ほど、その傾向がす高くなっています。
 自宅で洋式トイレで育った世代が学校の和式トイレに戸惑い、抵抗を覚えることは容易に理解できます。自宅に帰るまで耐えるつらさも想像に難くありません。学業への影響が建康面での心配もつきません。
 とはいえ現状は厳しいものがあります。公立小中学校のトイレの洋式化率は、全国平均で43.3%にとどまり、過半数が和式化です。最も洋式化が進んでいるのは、神奈川県です。洋式化率は58.4%であり、まだまだ進んでいないという実感です。
 自治体が公立小中学校のトイレを改修する場合、費用の3分の1を国が補助する制度があります。しかし、多くの自治体は学校施設の耐震改修を優先しているためトイレの洋式化は、結果的に後回しになってしまっています。
 この点、東京都の取り組み組に注目したいと思います。公立小中学校のトイレの洋式化率を、現在の55%から2020年度までに80%へ引き上げる目標を明示し、2017年度予算案には、学校や公共施設のトイレ洋式化に38億円を計上しました。前年度予算の5倍近い金額です。 都議会公明党の提案が実現したものです。
学校トイレの様式化を 直ちにトイレの改作に予算をふりわけられる自治体は限られるかもしれませんが、小中学校の統廃合や小中一貫教育の導入などが検討される中、具体的な改修目標を定めた計画を策定することは重要です。
 学校のトイレは子どもたちだけの問題ではありません。学校は地域コミュニティーの拠点であり、大規模災害時には避難所ともなります。老若男女を問わず多くの住民が利用します。
 その意味では教室のトイレだけではなく、体育館や講堂などのトイレの洋式化も急ぐ必要があります。東日本大震災や熊本地震では避難者の多くが和式トイレに悩まれたことを忘れてはなりません。

茨城県の学校トイレの洋式率は49.2%、全国7位
 一方、茨城県の現状をみてみると、小中学校の洋式化率は49.2%であり、全国順位は第7位となっています。また、県立高校(中高一貫校、特別支援学校を含む)の洋式化率は、28.5%と非常に低い実態があります。
 井手よしひろ県議ら県議会公明党は、小中学校における改修計画を明確にすること、高校においては特別支援学校を最優先にトイレの洋式化を進めることを提案しています。