空き家の有効活用を
 経済的な理由から思うように住居を確保できない人たちに、「住まいの安心」を確保することが必要です。
 高齢者や低所得者、障がい者の場合、民間の賃貸住宅への入居を断られることが少なくありません。国土交通省の調査によると、「家賃の支払いに対する不安」が家主(貸し手)に賃貸をためらわせる大きな理由となっています。
 低所得層に対する住宅のセーフティネット(安全網)に公営住宅があります。ただ、応募倍率は全国平均で5.8倍、東京都では22.8倍という狭き門です。また、公営住宅は原則家族向けであり、単身の高齢者などが新規に入居するためには敷居が高くなっています。一方、新たに公営住宅を建設することは、自治体のほとんどが財政難であることを考えれば簡単ではありません。
 単身の高齢者は今後10年間に100万人増える見込みです。不安定な収入に悩む母子家庭や自立した生活をめざす障がい者も多いのが現実です。こうした人たちが住居の確保に難渋する現状は、「ハウジングプア」(住まいの貧困)とも指摘されています。看過することのできない問題です。
 そこで、住宅のセーフティネットをどう強化するか。この点で着目したいのが「空き家」の活用です。
 日本では、人口減少などにより空き家が増え、その数は約820万戸に上ります。防犯面から地域の問題となるケースもあります。このため今国会で審議中の「住宅セーフティネット法」改正案には、増加する空き家を低所得層向けの賃貸住宅として活用する新たな制度が盛り込まれています。
 具体的には、空き家を所有する家主が、住居の確保が困難な高齢者らのための賃貸住宅として空き家を都道府県に登録し、国などが家主に対して最大で月4万円の家賃補助を行います。家賃の支払いに対する家主の不安が軽減され、高齢者らが入居しやすくなります。
 さらに、耐震改修やバリアフリー化を行う費用として、1戸当たり最大200万円を家主に補助します。それで住宅の質の確保も期待できます。
 空き家を活用した低所得層向けの住宅対策については、福祉部門と住宅部門の連携が不可欠として厚生労働省と国交省が一体で取り組むよう訴えるなど、公明党が政府の法案づくりを後押ししてきました。