全国さくらシンポジウム
 4月6日、7日の両日、「日立さくらまつり」に合わせて「2017全国さくらシンポジウム 」が、日立市内で開催されました。全国さくらシンポウムは、公益財団法人日本花の会が主催し、1982年より全国の桜研究家や学識経験者、桜愛好家、さらに桜の名所を持つ自治体の関係者の方々に呼びかけて開催されてきました。1986年から市町村との共催となり、開催地に関連するテーマで、桜の花の魅力で地域を活性化するためのイベントとなりました。
 6日行われた記念講演では、お天気キャスターの井田寛子さんが「近年の気象とさくらの開花」と題して講演しました。
ある町の高い煙突 今回の全国さくらシンポジウムの最大のプレゼントは、「ある町の高い煙突」の文庫本です。既に絶版となっていますが、日立市が特注し、2017年3月25日付けで第12刷が増刷されました。
 直木賞作家・新田次郎が著した「ある町の高い煙突」。新田次郎は、気象庁に勤務していた時の友人・山口秀男氏(日立市天気相談所の初代所長、公明党山口那津男代表の実父)との縁で、昭和42年9月に初めて日立を訪れました。その折、鉱工業都市として発展してきた「日立市」の象徴であった「大煙突」の建設にまつわる話を聞き、深い感銘を受けました。日立鉱山から採掘した銅を精錬する際に発生する硫酸ガスの煙害によって、山々の緑が消え、農産物を枯らした問題に、企業と地域住民がともに苦しみ、対話し、試行錯誤する中で、当時世界一高い「大煙突」が建設された歴史が、活き活きと描かれています。
 「大煙突」が建設されてから、煙害は急速に減少し、企業は枯れた山々や自然をよみがえらせるために、数十万本の大島桜を植林しました。さらに、1917年ごろから、染井吉野を接ぎ木し、日立を桜の都に変えていきました。今年は、その染井吉野が植え始められ100年という節目の年に当たります。
 「ある町の高い煙突」は、市民と企業が協力してまちづくりを進めてきた日立市の原点を描いた作品です。さらに、さくらのまちの歴史に繋がる原点を描いたものともいえます。

 今、映画監督松村克弥氏の手により、「ある町の高い煙突」の映画化の計画が進んでいます。4月13日には制作発表会が行われる予定です。