井手よしひろ県議
 5月4日、井手よしひろ県議は古河市、境町など県西地区3か所で、憲法施行70年の節目の意義を込めた街頭演説会を行いました。その概要をご紹介します。なお、この街頭演説での内容は井手県議の個人的な考えであり、公明党および公明党茨城県本部の公式見解ではありません。

 昨日5月3日は憲法記念日でした。昭和22年に5月3日施行された日本国憲法は、戦後民主主義の進展に大きく寄与してきました。公明党は、この憲法を高く評価し、この憲法を守るために努力している政党です。特に「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の憲法3原理は普遍であり、今後も大事に守っていかねばなりません。
 ただ、70年前と現在では、憲法をめぐる環境は全く異なってきています。制定当時に想定されなかった課題や不備があるならば、憲法の基本は維持しながら付け加える「加憲」という考え方で論議を進めべきと公明党は考えています。憲法の基本を変えず、新たな項目を加えるということから「加憲」と呼んでいます。
 昨日、自民党の安倍晋三総裁は、今の憲法9条は1項、2項をきちんと維持した上で、自衛隊の位置付けを決めたらどうかとの提案しました。2020年までに改憲というスケジュール感には違和感はありますが、安倍総裁のこの提案は、公明党の加憲の考え方に通じるものがあるのではないかと思います。
井手よしひろ県議
 北朝鮮が核実験や弾道ミサイルを発射するなど、日本を取り巻く安全保障の環境は、大変厳しくなっています。そうしたことに備えて、北朝鮮を自制させ、無謀なことはしないような仕組みを整えたのが平和安全法制です。
 今の憲法下で平和主義を貫きながら、自衛のための最大限の措置を取るものです。平和安全法制によって、日本と米国が連携して、中国とも相談しながら、北朝鮮の暴挙をいさめる取り組みが行えるようになってきたのです。
 一方で、共産党は2009年に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した時に、北朝鮮を非難する国会決議に反対しました。また、2015年には志位和夫委員長がテレビ番組で、「北朝鮮にリアルな危険はない」と発言しています。しかし、発言から2カ月も経たないうちに核実験を行い、今年も弾道ミサイルを発射しているのです。共産党が世界の情勢をきちんと見極めて対応する姿勢がないという無責任な姿だと非難せざるを得ません。
 憲法9条の1項、2項を堅持した上で、憲法に規定のない自衛隊の存在と役割を明記すことは現実的な選択です。自衛隊が憲法違反だと言っている国民は極めて少数です。東日本大震災でも、一昨年の関東東北豪雨でも、自衛隊の献身的な活動によって多くの国民が救われました。自衛隊に対する評価は大変高いわけで、加憲の検討に値すると思います。

 憲法改正のポイントの一つに、緊急事態条項が上がっています。
 大規模災害や他国からの侵略などの緊急事態時に迅速な対応が必要との観点から、首相に権限を集中させ、また、国民の権利・自由を制約する場合の根拠を設けた方がいいという声があります。しかし、日本の危機管理法制は法律以下のレベルで相当綿密につくられており、あえて憲法に規定する必要はないと考えます。
 こうした緊急事態時に、国会議員の任期を延長することについては、危機の時にこそ議会制民主主義が機能していくことが大切あり、多くのハードルはありますが、しっかり国会で議論してもらいたいと思います。

 今年に入り、憲法改正の論点として浮上してきたのが「高等教育の無償化」です。昨日の安倍総裁の提言の中でも触れられていました。
 憲法26条は、義務教育を受けさせる義務とその無償を定めています。しかし、義務教育の範囲を小中学校9年間とする規定はありません。教育の格差が問題化し、子ども貧困も深刻になってきた現在、旧民主党や維新の会が幼児教育から高等教育までの無償化を主張しています。
 私も教育の無償化は重要な施策だと主張します。しかし、財源の問題など、教育の無償化を憲法に盛り込むためのハードルは高いのも現実です。そもそも憲法に無償化を盛り込む必要性があるかどうかも含めた議論が必要です。

 憲法改正は最終的には国民投票に付されます。国会での議論は、その発議をすることに止まります。そのため、改正論議の審議は国民の理解を得ることが最大の課題です。慎重に丁寧に進めていかねばなりません。安倍総裁の言う2020年までに結論をという提案は、あまりにも拙速な議論であると思います。