関東近県の私立高校授業料補助制度
東京都、都議会公明党の提案で年収760万円以下の授業料実質無料化
 小池百合子東京都知事の誕生、7月の都議会議員選挙を控えて、東京都の私立高校の授業料実質無償化が大きな話題となっています。
 「私立高校に通う子どもがいる家庭の経済的負担を軽く!」との都議会公明党の主張を受けて、東京都は2017年度から、年収約760万円未満の世帯を対象に、私立高校の授業料を実質無償化しました。都独自で実施している返済不要の特別奨学金を拡充する形で行われます。2017年度予算には、所要額として80億円が計上されました。
 2010年度からスタートした高等学校等就学支援金制度により、公立高校も私立高校も授業料が補助されています。この制度は「高校の授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的」としています。
 就学支援金により公立高校は、年収950万円以下では年11万8800円の授業料分が補助され、結果的に無償化されています。
 私立高校の場合は、支援金として世帯年収に応じ11万8800〜29万7000円が支給されているものの、東京都内平均で年44万2260円に上る授業料の全てを賄うことはできませんでした。そこで、年収約760万円未満の世帯を対象に都の特別奨学金を増額。国の就学支援金と合わせて最大44万2000円を受け取れるようにすることで、授業料を実質無償化を実現しました。対象者は、都内に住む私立高校生の3割に当たる約5万1000人。都外の私立高に通う生徒も対象となります。東京都私学財団のHP(http://www.shigaku-tokyo.or.jp/pa_jugyoryo.html

 こうした取組は東京都だけの取組ではありません。関東近県では県が独自の支援制度を設けて、私立高校の授業料負担を軽減しています。
 
茨城県では年収350万円未満で授業料無償化
 茨城県では私立高等学校の生徒等が経済的理由によって教育機会を失うことがないよう、各私立学校が行う授業料減免事業について補助を行い、保護者の教育費負担の軽減を図っています。生徒の授業料の減免を高等学校等就学支援金に上乗せして行った私立学校に対し、減免額の9割を上限に補助を行います。つまり世帯の所得によって額は異なりますが、茨城県が私立学校に授業料を払うという制度です。
 その結果、年収350万円程度未満の家庭は、実質的に授業料が無料になります。年収590万円未満程度の世帯は国の就学支援金+茨城県の授業料減免制度で年額18万円補助。年収910万円未満程度の世帯は国の就学支援金の11万8000円のみ補助、県の授業料減免制度はありません。
 井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党は、私立高校の授業料を重点施策として取り組んでまいります。茨城県のHP(http://www.pref.ibaraki.jp/somu/somu/shigaku/private-school/tsuichion/index.html

埼玉県は全国トップクラスの補助金充実。年収609万円未満で自己負担ほぼゼロ
 埼玉県では私立高校に通う生徒の授業料を補助するために国の就学支援金制度に加えて、独自の授業料軽減補助制度を設けています。実は、その充実度は東京都の制度上回っており、授業料軽減補助は全国トップクラスです。対象者は、生徒・保護者ともに県内に居住しており、県内の私立高等学校等に通っている方のうち、一定の所得以下の方が対象となります。
 年収が約609万円未満の世帯については、国の就学支援金と合わせて、県内私立高等学校(全日制)の平均授業料37万7942円(年額)の全額を補助します。生活保護世帯及び家計が急変(生徒の保護者が失職した場合など)した世帯については授業料全額を補助しています。埼玉県のHP(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0204/fubofutan2.html

神奈川県は年収250万円未満で実質無償化
 神奈川県では、私立高校に通う生徒の授業料を補助するため国の高等学校等就学支援金と併用して、独自の私立高等学校等生徒学費補助金という制度を設けています。私立高等学校等生徒学費補助金対象者は、神奈川県に設置されている私立高校に通う生徒で、生徒・保護者ともに神奈川県内に住所を有する者です。
 補助金の額は、生活保護世帯年間13万5000円、250万円未満程度は年間13万5000円でともに、ほぼ授業料が無償化されます。350万円未満程度は年間17万440円で、自己負担は13万円弱となります。平均授業料が高いために、比較的負担は重くなっています。神奈川県のHP(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f328/p4426.html

千葉県は年収350万円未満無償、640万円未満は3分の1自己負担
 千葉県は、経済的な理由から授業料等の納付が困難な状況にある県内私立高等学校等に通う生徒の保護者の負担を軽減し、生徒の修学促進を図るために「私立高等学校等授業料減免制度」を創設しています。私立高等学校等授業料減免制度の対象者は、千葉県内に住み千葉県内の私立学校に通うものです。
 減免額は、生活保護を受給している者、町村民税の所得割の額5万1300円未満である者(年収350万円程度)が、実質的に全額無償。市町村民税の所得割の額が17万5500円以下である者(年収760万円程度)が、授業料の3分の2から就学支援金を除いた差額を免除しています(授業料の3分の1が自己負担)。千葉県の授業料減免制度(https://www.pref.chiba.lg.jp/gakuji/shiritsutou/gakuhi-josei/genmen/documents/28gennmennpannhu.pdf

栃木県は年収350万程度未満で授業料無償
 栃木県は、年収350万円未満の者の授業料を全額補助しています。年収350万円以上の年収の者は、国の就学支援金のみです。栃木県のHP(http://www.pref.tochigi.lg.jp/b05/shigaku-syugakusien.html

群馬県は独自減免策なし
 群馬県は、経済的理由から就学が困難な生徒等の授業料の減免事業を行う学校法人に補助を行うことにより、教育費の父母負担の軽減や私立学校教育の振興を図る制度があります。高等学校等就学支援金の対象生徒で、年度途中に倒産、失業等により著しく家計が悪化した場合などの減免制度です。通常の生徒への県独自の助成制度はありません。