茨城県庁・県議会
 6月6日、茨城県議会6月議会(平成29年代2回定例県議会)が開会し、橋本昌知事が県政報告と議案提出理由の説明を行いました。
 この秋に6期目の任期が終了する橋本知事にとっては、今期最後の県議会となります。既に7期目を目指して知事選への立候補を表明した橋本知事に対し、県議会最大会派のいばらき自民党は、経産省の元官僚を推薦候補として擁立しており、今定例会では橋本知事との対決構図を鮮明に打ち出す方針です。9日から3日間行われる一般質問では、知事24年間の総決算として、メディアパークシティ構想(ワープステーション江戸)の破綻問題、県内工業団地の売れ残り問題、県が保有する土地と将来負担額、県住宅供給公社の破産問題、福島第1原発事故後の保健医療分野の対応、医科大の誘致問題、知事の秘書・運転手などの長時間就労問題、知事の退職手当と多選の弊害など、7人がそれぞれ橋本知事に答弁を求めることににしています。24年間の任期中、橋本知事はこうした困難な課題を一つひとつ解決してきたという評価もある中で、知事自身がどのような総括を行うかを注目していきたいと思います。その上で、選挙ありきの批判ではなく、これからの茨城の未来づくりへの前向きな議論が交わされることを強く期待します。
 6月6日の橋本知事の県政報告の主なポイントは以下の通りです。

東京オリンピック・パラリンピック 
 5月18日、日本サッカー協会においてカシマサッカースタジアムを東京オリンピック競技大会におけるサッカー競技会場として追加することが決定されました。一昨年3月から、組織委員会の森喜朗会長や日本サッカー協会の田嶋三会長などに強く働きかけてきた結果であり、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
 東京五輪の会場に、東日本大震災により大きな被害を受けたカシマサッカースタジアムが選ばれたことを県民の皆さまとともに喜びたいと思います。
 今後、7月の国際オリンピック委員会において正式に決定される見込みでありますが、決定しましたら、大会の開催に向け、準備に万全を期してまいりますとともに、この機会を捉え、茨城の魅力を強くアピールしてまいります。
 また、去る4月21日には、常陸大宮市がパラオ共和国と、県内第一号となる事前キャンプに関する基本合意書を締結しました。
 今後とも、東京や空港からの良好なアクセス、充実したスポーツ施設の情報等本県のメリットを積極的にアピールし、市町村とともに、事前キャンプ誘致を推進してまいります。

地方創生の推進
 本県への移住・二地域居住を推進するため、東京圏に立地する企業とタイアップし、従業員の試験的な移住をサポートする取組みを新たに始めることとし、5月22日から協力企業の募集を開始いたしました。「いばらきふるさと県民」登録の推進などとともに、東京圏から本県への新しい人の流れを作り出してまいりたいと考えております。
 また、つくば霞ヶ浦りんりんロードにおけるサイクリング拠点として、JR東日本の土浦駅ビル内にレンタサイクルの貸出や地域の情報発信等を行う「りんりんスクエア土浦」を整備することといたしました。今後とも、沿線市町村等と連携し環境整備などに努めますとともに、サイクリングイベントの開催などにより、交流人口の拡大に取り組んでまいります。
 さらに、去る3月28日に日本郵便株式会社と、本県産品の販売促進や見守り活動などを柱に、地域社会の活性化を図ることなどを目的とした包括連携協定を締結いたしましたが、地方創生の実現に向けて、こうした取組みをより一層推進してまいります。

観光の振興
 本年度のゴールデンウィーク期間中における観光入込客数は、好天に恵まれたほか、国営ひたち海浜公園などの本県観光地がメディアで数多く取り上げられたことなどもあり、昨年度より36万人多い約285万人となりました。
 また、平成28年度における海外から本県への周遊ツアーにつきましては、台湾やベトナムを中心に大きく増加し、この統計を開始した平成26年度の約6倍となる約2000ツアーが催行されたところであります。
 このような中、現在放映中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」を活用し、県内外でPRイベントを開催しますとともに、7月1日からは、JR東日本と連携した観光キャンペーンとして、「ひよっこ」ゆかりの地である県北地域を巡るバスツアー、さらには首都圏のJR主要駅において、観光キャラバンや物産展を実施してまいります。
 また、アジアや北米の旅行博への出展、メディアや旅行会社の招請など戦略的なプロモーションの展開を通じて、国内外から本県への誘客をより一層促進してまいります。

県北地域の振興に向けた取組み
 昨年開催いたしました「茨城県北芸術祭」につきましては、先月の実行委員会総会において、次回の開催を平成31年秋とすることと決定されたところであります。第74回国民体育大会及び第19回全国障害者スポーツ大会と同じ時期に開催することとなりますことから、これらの大会関連で来県されるお客様にも芸術祭を楽しんでいただけるよい機会であり、県北地域の新たな魅力を創造・発信してまいります。
 今年度は、芸術祭の成果を活かすとともに、次回開催につなげていくため、地元6市町と連携し、交流イベントやワークショップの開催など、アートを活用した交流促進事業や地域の体制づくりなどに取り組んでまいります。
 また、ボーイスカウトの全国的な野外活動拠点として、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟が整備を進めております「大和(やまと)の森高萩スカウトフィールド」が、8月にグランドオープンを迎えることになりました。
 これに合わせて、来る8月4日から9日にかけて、全国のスカウトが参加する約3000人規模の「日本ジャンボレット高萩2017」が開催されますほか、県におきましても、地域住民や本県の子ども達との交流イベントを併せて開催いたします。
 また、県北山間地域の地方創生につながる高規格道路のあり方を検討する有識者による懇話会を8月までに設置して、基礎的な検討を進めてまいります。

茨城空港の就航対策の推進と利用促進
 国内線につきましては、去る3月26日から、札幌便が約2年ぶりに一日2往復に増便され、那覇便も昨年に引き続き直行便が運航されております。
 また、国際線につきましては、去る4月26日に、茨城県観光物産協会と済州(チェジュ)特別自治道観光協会との間で友好交流協定が締結されたことを受けまして、7月15日から17日にかけて、ジンエアーによる済州(チェジュ)チャーター便の運航が予定されているところであります。さらに、台湾に本社を置くLCCのタイガーエア台湾が、7月2日から10月25日にかけての4か月間、茨城と台北(タイペイ)を結ぶプログラムチャーター便を計34便運航することが決定いたしました。
 また、旅客サービスの向上を図るため、航空機乗降の際における雨風や夏の日差し対策として、伸縮可能なトンネル状の通路である可動式エプロンルーフの供用を開始いたします。
 今後とも、航空会社と連携して利用促進を図ってまいりますとともに、新たな路線の定着及び充実に努めてまいります。

地域医療の充実
 日製日立総合病院における婦人科診療につきましては、東京医科大学の協力により、去る4月17日から8年ぶりに再開されました。
 これにより、日立市をはじめとする県北地域の産婦人科医療体制が充実し、安心して出産・子育てができる環境づくりが進められることを期待しております。
 また、神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合につきましては、去る4月19日に開催された再編統合協議会におきまして、神栖済生会病院を増築する再編案が正式決定されたところであります。
 県といたしましては、平成30年度中の統合に向けて取組みが着実に進むよう、引き続き支援してまいります。
 これらの取組みに加えて、今年度より貸付額を増額した医師修学資金の活用など、総合的な医師確保対策を推進し、地域医療の充実を図ってまいります。

子ども・子育て施策の推進
 県では、これまで「安心こども基金」などを活用し、平成21年度から8年間で保育所等の定員を約8千人増やしてまいりましたが、女性の就業率の増加など社会情勢の変化により、保育ニーズが高まっておりますことから、引き続き、保育所等の整備を推進してまいりますとともに、保育士等の処遇改善や離職した保育士等の復職支援などにより、保育の担い手となる人材の確保に取り組んでまいります。
 また、「いばらき出会いサポートセンター」による支援に加え、不妊治療に対する県独自の上乗せ補助を本年10月から実施し、経済的負担を軽減することなどにより、結婚から妊娠・出産・子育てまでのライフステージに応じた切れ目ない支援を総合的に推進してまいります。

県立施設の運営状況等
 県立図書館につきましては、去る4月29日に、旧県議会議事堂を改修して開館して以来約16年で1千万人目の利用者を、また、ミュージアムパーク茨城県自然博物館につきましては、5月28日に、開館以来約22年で1千万人目の来場者をそれぞれお迎えすることができました。今後とも、県内外から多くの方々にご来館いただけますよう、魅力ある施設運営に努めてまいります。
 また、神栖警察署につきましては、県内28番目の警察署として去る4月1日に開署いたしました。県といたしましては、この度の開署を大きな契機として、安全・安心なまちづくりを一層推進してまいります。
 さらに、5月18日に、水戸市内の茨城県トラック総合会館の敷地内に、新たな災害物資備蓄の拠点となる県央総合防災センターが完成いたしました。迅速かつ効率的に被災地を支援するための物流拠点として活用してまいります。