茨城県北芸術祭トップ画面
 昨秋、開催された「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」 は、77万6千人という目標を大きく超える来場客を迎えました。5月に行われた県知事と開催6市町の首長などで構成する実行委員会は総会を開き、次回開催を2年後の2019年(平成31年)とすることを正式に決定しました。茨城の県北地域の活性化のために、県北芸術祭が今後大きな役割を担うことが期待されます。
 このほど、県北芸祭術祭2016の総括報告書が取りまとめられましたので、その概要を紹介します。
参考:茨城県北芸術祭2016総括報告書(PDF版)

経済波及効果とパブリシティ効果の合計は77億円余り
 県北芸術祭2016開催による効果は、直接的経済効果が23億3800万円。第1次間接効果6億9000万円、2次間接効果5億6001万円となり、合計35億3300万円と推計されています。(常陽産業研究所による推計)
 また、平成27年9月30日の開催概要発表より、平成29年1月20日までの間、新開、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの各種メディアで紹介された回数は、3042回に上り、そのPR効果は合計で42億2477万円と推計されました。
 経済波及効果とパブリシティ効果を合算すると77億547万円となりました。
茨城県北芸術祭・常陸太田市鯨が丘商店街
 ネット系メディアでのアクセス状況をみてみると、公式ホームページ(kenpoku-art.jp)は、平成28年4月から11月までの8か月間で約51万件のアクセスがありました。
 11月17日から18日にかけては、サイトへのアクセスが集中して、サーバーがダウンするという椿事が発生しました。県北芸術祭の盛り上がりを象徴となる出来事となりました。
 公式twitterのフォロワー数は1689人、インプレッション数は70万2462件でした。
 公式facebookページへのいいねの数は、4719件となりました。
 SNSでは#kenpokuとのハッシュタグで多くの 記事が投稿され、茨城県のイメージアップに貢献しました。

 サポーターの活動については、総計で1491人のサポーターに登録いただきました。実際に活動に携わったったボランティア数は792人で、延べ人数は2947人となりました。一人あたり3回〜4回、活動にあたっていただいたことになります。ボランティア活動に参加した人の82.3%が、参加して良かったとアンケートに回答しています。

県北芸術祭の収支状況
県北芸術祭の総事業費は6億4341億円
 実行委員会の収支状況は26年度から28年度の通算で収入7億27万円、支出6億4341万円、繰越額5685万円となりました。
 収入の主なものは、茨城県の負担金4億7080万円、グリーンふるさと振興機構の解散剰余金3000万円、国際交流基金アジアセンターからの助成金2292万円、入場料収入7991万円などとなっています。企業、団体、個人からの協賛金、寄附金が75件7488万円ありました。
 支出面では、作品の企画制作費が4億7289万円、広報関係費6590万円、運営管理費が5995万円などが主な項目でした。

県北芸術祭の今後の展望
 今回の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」には、延べ77万6千人もの大変多くの方々の来場があり、盛況のうちに閉幕を迎えることができました。
 今回の芸術祭がきっかけとなって、初めて県北地域を訪れたという方も多く、県北地域の魅力を知ってもらう良い機会になったということも含め、地域全体のイメージアップにつなげることができた。また、地元の方々との交流も活発に行われたことで地域の活力の維持・向上につながりまし。
 会期中、会場で実施したアンケートにおいても、「規模が想像以上に大きく、たくさんのアートと自然を満喫することができた」、「たくさん素敵な場所があると知り、また訪れたいと思っている」といった感想が数多く寄せられました。また、閉幕後に地元事業者やサポーターを対象に実施したアンケート結果を見てみると、期間中の売上げが増加したという意見のほか、「普段、観光客が来ない場所に人が来た」、「県北の活性化になった」、「お客様やサポーター同士の交流が新鮮だった」など、芸術祭の開催は多くの方々から好意的に受け止められており、芸術祭は地域の活性化に一定の役割を果たすことができました。
 さらに、テレビや新聞等で数多く取り上げられ、大きなパブリシティ効果が出ており、こうしたことを踏まえると、今回の芸術祭は、アートという新たな切り口で県北地域の振興を図る取り組みとして成功裏に終えると総括できます。
 この成果を一過性のものに終わらせることなく、さらなる地域振興につなげていくためには、芸術祭を継続的に開催していくことが重要です。また、このためには、今回の芸術祭を通して培われたさまざまなネットワークや、地元における気運の高まりを絶やすことなく、しっかりと次につないでいくことも大変重要です。
 このため、今後も引き続き、現代アートの普及啓発、気運の醸成・維持、人材育成、効果的な情報発信など、次回開催を見据えた取り組みを進めるとともに、地元市町における主体的な取り組みも始まろうとしており、これらとも連携を図りながら、県北地域の新たな振興策として、地域一体となった取り組みとしていくことが肝要です。