日立市の財政見込みと主要事業の見直しについて
日立市では、平成13年度までの財政状況の検討を行い、基本計画に盛られた主要事業についての見直し計画を公表しました。財政見込みでは、立地企業の景気低迷や労働力人口の減少により、市民税や固定資産税の伸び悩みが主な要因で、基本計画の収入を平成13年度までに105億円程度下方修正する内容となっています。その為に、主要事業51事業の内29事業は計画通り継続し、残り22事業は、ABCの3ランク付けを行い、その執行を見直すことが述べられています。
今後こうした見直し計画は、市議会で慎重に検討され、具体的な年度毎の予算となっていきます。
このページでは、井手県議が市幹部よりヒアリングした内容を掲載いたします。
1.日立市を取り巻く状況
逼迫した財政構造に対応するため、国においては、公共事業費の97年度比7%減や地方公共団体向け補助金の削減など、また、県においても、国庫補助事業の10%、県単独事業の15%を削減するなどの再建策を進めているところであり、これらは、日立市においても、直接的な影響を受けることとなる。
さらに、日立市を取り巻く経済情勢は好転の兆しが見えず、それを反映した歳入の減少等により、財政状況は、ますます厳しい局面に至っているところであり、これらのことを、相当厳しく認識したうえで、事業展開を図っ ていかなければならない。
日立市は、昨年度、新しい基本構想・基本計画を策定し、基本構想の将来都市像の実現に向けた諸施策について、基本計画の主な事業として位置付けたところである。その際には、策定時点における財政見通しを踏まえて、実現性のある基本計画づくりという視点から、主な事業の絞り込みを行ってきた。
しかしながら、上記のような厳しい状況の推移は、基本計画に掲載した主な事業の推進に大きな影響を与えているところであり、基本計画策定時点における財政見通しの下方修正や特定財源の減少等に対応した事業の見直しをせざるを得ない状況となっている。
2.基本的な考え方
基本計画に掲載した主な事業を殆めとして、平成10〜13年度に実施を予定している171事業を対象として、次のような考え方で見直しを行ったものである。
国・県の行財政改革の推進に対応して、国庫補助事業については10%、県補助手業については15%を目標に、事業費の削減を行うとともに、市単独事業については、事業の必要性、緊急性、費用対効果などを見極め、できるだけ事業費の削減を行いながら、諸施策の展開を図っていくものとする。
平成10〜13年度に実施を予定した主な事業のうち、原則として、単年度50,000千円以上の一般財源の充当が予定される主要事業の中から、見直し対象事業を選択し、事業の実施時期、事業規模等に関する見直しを行う。
厳しい財政状況の中では、主要事業の見直しを行わざるを得ないところであるが、一方で、でき得る限り、基本計画に掲げた主な事業を、計画期間内において実施するための努力を行う必要がある。 そのために、行政改革のより一層の推進、特に、その中でも、公共工事におけるコスト縮減について、積極的に取組むこととする。
3.見直し対象とする主要事業について
優先度については、あくまでも、現時点における財政見通しに基づく判断で位置づけたが、今後、財政状況の推移を見極めながら、財政構造の健全化を目指す中で、事業の推進に向けてさらに検討を加えることとする。
A:財政状況を勘案しつつ、事業内容の見直しを行いながら、最優先の事業着手を努力する事業
B:財政状況が相当程度好転した場合に、事業内容等の見直しを行いつつ、優先的に事業着手する事業
C:現基本計画期間中における事業着手の再検討若しくは大幅な事業内容等の見直しを行う事業
4.実施予定の主要事業
現基本計画期間中に推進を図っていく単年度50,000千円以上の一般財源の充当が予定される主要事業は、次のとおりである。
なお、これら事業についても、今後の財政見通しの中で、実施時期、事業内容の検討を加えながら、事業を展開していくものとする。
1.財政的見地から事業の見直しをしなければならない背景は、次のとおりである。
歳入における減少が第一である。
特に、市税、譲交付金といった経常一般財源を、計画より下方修正しなければならない状況である。別紙1
注)経常一般財源:経常的に入ってくる財源で使途が制限されないもの
バブル崩壊後、市税等の収入減を、減収補填債、減税補填債等の市債発行で財源補填をしてきたことや、景気対策という形で市債事業を実施したことによる市債残高と、これら市債の元金及び利子に係る返済金、すなわち公債費が急増している。
経常一般財源の下方修正と、市債残高とこれに伴う公債費の急増は、国、県も同様の傾向にある。このため、経常的な行財政改革の推進だけでなく、今後予定されている事業の見直し、特に市債事業の抑制を図る必要がある。
また、市債残高、公債費の増嵩は、人件費、公債費及び扶助費、すなわち義務的支出の増加となって経常収支比率を押し上げる。
さらに、事業費充当一般財源を減少させていき、新規投資や公共施設の維持補修を困難にしていくことになる。
注)経常収支比率:義務的支出を含めて経常的に充てられる経常一般財源/経常一般財源
事業手当一般財源:事業に充てることのできる自由財源
市債残高と公債費の増嵩を抑えるには、次の方法がある。
ア)今後の市債事業を抑制する。
イ)年度末に生じる余裕財源で、既に借りている市債の繰上償還をする。
現状では、イ)の方法は困難な見通しであるので、ア)の方法以外にはない。
以上の理由から、今後の事業の見直し、先送りをするとすれば、市単独事業>県補助事業>国庫補助事業の順にならざるを得ない。
この理由は、特に国庫補助事業は、補助金陳情等で既に国につないでおり、市独自に先送り、取りやめが困難であるためである。
ただし、この優先順位も、国、県の補助金が確保できなくなった場合は別である。
また、市単独事業の中でも、特に市債を財源とするものは、緊急性、代替性、市民生活への直接的な影響などを考慮して、簡単にいえば我慢できる事業については、事業の見直しや先送りを実施し、歳入の減少や市債残高、公債費増嵩への圧力に対して、適切な対応を図らなければならない状況である。
注)市単独事業:市税等の一般財源で実施する事業
2.事業費充当一般財源の状況(別紙2)
3.まとめ
(1)市税など一般財源減少からの制約
(2)市債残高及び公債費の増加(別紙3)
(3)経常収支比率の上昇
(4)事業費充当一般財源の減少
日立市では、平成13年度までの財政状況の検討を行い、基本計画に盛られた主要事業についての見直し計画を公表しました。財政見込みでは、立地企業の景気低迷や労働力人口の減少により、市民税や固定資産税の伸び悩みが主な要因で、基本計画の収入を平成13年度までに105億円程度下方修正する内容となっています。その為に、主要事業51事業の内29事業は計画通り継続し、残り22事業は、ABCの3ランク付けを行い、その執行を見直すことが述べられています。
今後こうした見直し計画は、市議会で慎重に検討され、具体的な年度毎の予算となっていきます。
このページでは、井手県議が市幹部よりヒアリングした内容を掲載いたします。
日立市の主要事業の見直しについて
1.日立市を取り巻く状況
逼迫した財政構造に対応するため、国においては、公共事業費の97年度比7%減や地方公共団体向け補助金の削減など、また、県においても、国庫補助事業の10%、県単独事業の15%を削減するなどの再建策を進めているところであり、これらは、日立市においても、直接的な影響を受けることとなる。
さらに、日立市を取り巻く経済情勢は好転の兆しが見えず、それを反映した歳入の減少等により、財政状況は、ますます厳しい局面に至っているところであり、これらのことを、相当厳しく認識したうえで、事業展開を図っ ていかなければならない。
日立市は、昨年度、新しい基本構想・基本計画を策定し、基本構想の将来都市像の実現に向けた諸施策について、基本計画の主な事業として位置付けたところである。その際には、策定時点における財政見通しを踏まえて、実現性のある基本計画づくりという視点から、主な事業の絞り込みを行ってきた。
しかしながら、上記のような厳しい状況の推移は、基本計画に掲載した主な事業の推進に大きな影響を与えているところであり、基本計画策定時点における財政見通しの下方修正や特定財源の減少等に対応した事業の見直しをせざるを得ない状況となっている。
2.基本的な考え方
基本計画に掲載した主な事業を殆めとして、平成10〜13年度に実施を予定している171事業を対象として、次のような考え方で見直しを行ったものである。
国・県の行財政改革の推進に対応して、国庫補助事業については10%、県補助手業については15%を目標に、事業費の削減を行うとともに、市単独事業については、事業の必要性、緊急性、費用対効果などを見極め、できるだけ事業費の削減を行いながら、諸施策の展開を図っていくものとする。
平成10〜13年度に実施を予定した主な事業のうち、原則として、単年度50,000千円以上の一般財源の充当が予定される主要事業の中から、見直し対象事業を選択し、事業の実施時期、事業規模等に関する見直しを行う。
厳しい財政状況の中では、主要事業の見直しを行わざるを得ないところであるが、一方で、でき得る限り、基本計画に掲げた主な事業を、計画期間内において実施するための努力を行う必要がある。 そのために、行政改革のより一層の推進、特に、その中でも、公共工事におけるコスト縮減について、積極的に取組むこととする。
3.見直し対象とする主要事業について
優先度については、あくまでも、現時点における財政見通しに基づく判断で位置づけたが、今後、財政状況の推移を見極めながら、財政構造の健全化を目指す中で、事業の推進に向けてさらに検討を加えることとする。
部 | 事業名 | 優先度 |
企画
| 温泉利用型健康増進施設整備 | A |
「道の駅」整備 | C | |
活性化対策
| コミュニティーセンター整備 | A |
常陸多賀駅前駐車場整備 | C | |
環境 | (仮称)鞍掛山葬祭場建設 | C |
保健福祉
| 保健センター建設 | A |
民間老人福祉施設等の整備支援(平成12年度以降) | B | |
市営金畑住宅建て替え(第3期工事) | C | |
都市計画 | 下桐木田高野線整備(第2工区) | B |
中所沢川尻線整備 | C | |
川尻地区土地区画整備事業 | C | |
中心市街地再開発促進事業 | C | |
池の川総合公園整備事業 | C | |
赤羽緑地整備 | C | |
助川山開発事業 | C | |
産業 | 神峰動物園中獣舎改築事業 | B |
公社 | (仮称)馬遊住宅団地開発 | C |
教育 | 久慈中学校屋内運動場増改築 | B |
中小路幼稚園改築 | B | |
柔剣道場建設 | C | |
武道館建築 | C | |
学校給食共同調理場立て替え | C |
A:財政状況を勘案しつつ、事業内容の見直しを行いながら、最優先の事業着手を努力する事業
B:財政状況が相当程度好転した場合に、事業内容等の見直しを行いつつ、優先的に事業着手する事業
C:現基本計画期間中における事業着手の再検討若しくは大幅な事業内容等の見直しを行う事業
4.実施予定の主要事業
現基本計画期間中に推進を図っていく単年度50,000千円以上の一般財源の充当が予定される主要事業は、次のとおりである。
なお、これら事業についても、今後の財政見通しの中で、実施時期、事業内容の検討を加えながら、事業を展開していくものとする。
部 | 事業名 |
企画
| 日立南インターチェンジ周辺公共施設整備 |
行政のOA化推進(オンライン業務のCSS化) | |
総務
| 本庁舎の空調設備整備 |
市役所庁舎増改築事業積立 | |
環境 | 新ごみ処理施設建設 |
保健福祉
| 民間老人福祉施設等の施設整備支援(平成11年度まで) |
複合老人福祉施設建設 | |
市営高松台住宅建替え | |
市営滑川住宅建替え | |
建設 | 市道整備(新設改良) |
市道整備(舗装、側溝整備等) | |
市道整備(歩道) | |
河川排水路盤備 | |
都市計画 | 山側道路(石名坂多賀線)整備 |
市道1715号線(小木津バイパス)整備 | |
下桐木田高野線整備(第1工区) | |
堀込所沢線整備(宮田川橋架換え) | |
上の内南台線整備(第1工区) | |
久慈浜停車湯線整備 | |
日立駅田手沼線整備 | |
土地区画整理事業(折笠地区) | |
土地区画整理事業(東滑川地区) | |
産経
| (仮杯)日立地区産業支援センター建設 |
河原子海水浴湯中央駐車場整備 | |
水道 | 上水道事業一般会計繰出 |
下水
| 公共下水道事業一般会計繰出 |
広域下水道事業一般会計繰出 | |
公社 | グリーンタウン上合住宅団地公共工事負担 |
教 | 泉丘中学校校舎の建替え |
合計29事業 |
日立市の財政見込みについて
1.財政的見地から事業の見直しをしなければならない背景は、次のとおりである。
歳入における減少が第一である。
特に、市税、譲交付金といった経常一般財源を、計画より下方修正しなければならない状況である。別紙1
注)経常一般財源:経常的に入ってくる財源で使途が制限されないもの
バブル崩壊後、市税等の収入減を、減収補填債、減税補填債等の市債発行で財源補填をしてきたことや、景気対策という形で市債事業を実施したことによる市債残高と、これら市債の元金及び利子に係る返済金、すなわち公債費が急増している。
経常一般財源の下方修正と、市債残高とこれに伴う公債費の急増は、国、県も同様の傾向にある。このため、経常的な行財政改革の推進だけでなく、今後予定されている事業の見直し、特に市債事業の抑制を図る必要がある。
また、市債残高、公債費の増嵩は、人件費、公債費及び扶助費、すなわち義務的支出の増加となって経常収支比率を押し上げる。
さらに、事業費充当一般財源を減少させていき、新規投資や公共施設の維持補修を困難にしていくことになる。
注)経常収支比率:義務的支出を含めて経常的に充てられる経常一般財源/経常一般財源
事業手当一般財源:事業に充てることのできる自由財源
市債残高と公債費の増嵩を抑えるには、次の方法がある。
ア)今後の市債事業を抑制する。
イ)年度末に生じる余裕財源で、既に借りている市債の繰上償還をする。
現状では、イ)の方法は困難な見通しであるので、ア)の方法以外にはない。
以上の理由から、今後の事業の見直し、先送りをするとすれば、市単独事業>県補助事業>国庫補助事業の順にならざるを得ない。
この理由は、特に国庫補助事業は、補助金陳情等で既に国につないでおり、市独自に先送り、取りやめが困難であるためである。
ただし、この優先順位も、国、県の補助金が確保できなくなった場合は別である。
また、市単独事業の中でも、特に市債を財源とするものは、緊急性、代替性、市民生活への直接的な影響などを考慮して、簡単にいえば我慢できる事業については、事業の見直しや先送りを実施し、歳入の減少や市債残高、公債費増嵩への圧力に対して、適切な対応を図らなければならない状況である。
注)市単独事業:市税等の一般財源で実施する事業
2.事業費充当一般財源の状況(別紙2)
3.まとめ
(1)市税など一般財源減少からの制約
(2)市債残高及び公債費の増加(別紙3)
(3)経常収支比率の上昇
(4)事業費充当一般財源の減少
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