2016年度東京圏からの本社移転数
 安倍内閣が「地方創生」の政策の柱として「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の5カ年計画を策定してから、2017年で折り返し地点を迎えました。この地方創生総合戦略では、東京オリンピックが行われる2020年までに1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県=「東京圏」)の人口の転出入を均衡化することを目標の一つとしています。
  民間の調査機関・帝国データバンクでは、東京圏から本店所在地の転出が判明した企業および東京圏への転入が判明した企業を、自社データベース・企業概要ファイルから抽出。移転年別や転入元・転出先の集計・分析を行い、その結果を公表しました。
 それによると、2016年に東京圏から移転した企業の転出先は、全国で35道府県にわたっていますが、中でも茨城県が24社(構成比11.1%)で日本一となりました。以下、大阪府(21社、9.7%)、静岡県(20社、9.2%)、愛知県(16社、7.4%)、群馬県(14社、6.5%)などが上位となりました。
 特に、茨城県では企業の移転・立地を支援するさまざまな政策を推進しています。 最近では、常磐自動車道の福島県内の未通区間が全線開通し、東北方面へのアクセスの利便性が向上。圏央道の県内区間の全面開通で、海外との玄関口である成田空港へのアクセスや東北道、関越道、東名道などへの接続が良くなりました。東京・品川の両駅まで直接乗り入れているJR常磐線や、つくばエクスプレスなどの電車網なども充実し、都心、東西、さらには海外への移動もよりスムーズになっています。

自然と街が融合する「いばらき」の魅力
 このように、多くの企業から注目を集めている茨城県は、生活をするうえでも、非常に魅力的な土地です。
 立地では、東京中心部から県南部の取手市は40キロメートルです。沿線から離れればのどかな里山があり、太平洋側に目を向けると、南北に美しい海岸線が190キロメートルも伸びています。茨城県は、山に海、都会との暮らしを両立できる土地として注目を集めています。
 農業では、卵やピーマン、レンコンなどの農畜産物が全国一位で、水産物の漁獲量も高く、豊かな食生活を実現できます。ちなみに、農業生産額は北海道に次ぎ全国2位です。
 研究学園都市・つくばには、300もの教育・研究機関に2万人を越える研究者を有し、ベンチャー企業も200社以上あります。また、国際会議なども活発に開催されています。都市の利便性と自然豊かな環境、さらには文化的環境がそろう「つくばスタイル」は、近年、若年層を中心に人気があるエリアにもなっています。

経済活性化と新しいワークスタイルを融合させる、新しい取り組み
 今年度(2017年度)、茨城県は「県」「企業」「個人」がウィン・ウィンの関係になるような、働き方支援、暮らし方の提案として「茨城県トライアル移住・二地域居住推進事業」を実施しています。この計画は、経済を活性化し人口増加を狙う県と、新しいワークスタイルを模索しつつも、優秀な人材を確保して生産性を向上させたい企業、プライベートと仕事のワークライフバランスを実現させたい個人、それぞれの目的を合致させるプロジェクトです。
 テレワークを推進する東京の企業へ茨城県内にトライアルで住宅を提供したり、県内に東京本社のサテライトオフィスの設置を誘致したりするものもあります。ゆくゆくは、企業の従業員の県内移住などを促進させ、企業と人の流入を活発化させようとしています。